「投資信託」に関する読者のお悩みに、ファイナンシャルプランナーがアドバイス!「新興国株」の投資信託を買おうかどうか悩んでいる人や、投資信託の積立をたくさんしていて、整理や入れ替えをすべきか悩んでいる人は必見!
発売中のダイヤモンド・ザイ2023年1月号は、特集「【投資信託】のお悩み相談室」を掲載。世界的に景気や為替動向が不安定になり、その影響が投資信託にも及んでいる。一時期よりも保有する投資信託のパフォーマンスが低下し、悩んでいる人も多いはずだ。そこで、この特集では、投資信託に関する読者のさまざまなお悩みを紹介。さらに、投資信託に詳しいファイナンシャルリサーチの深野康彦さんや、ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの海老澤界さんによる、読者へのアドバイスも掲載している。
今回はその中から、「新興国株型の投資信託」に関するお悩みや、保有する投資信託の”整理の仕方”に関するお悩みと、深野さんによるアドバイスを公開!
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【Q1】「新興国株型」の投資信託は必要? インドやベトナムに
投資する商品は持っておくべきでしょうか?(60代男性)
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高い成長性を求めて新興国に投資したい場合、個別株はハードルが高いので、投資信託を買うのは戦略として間違っていません。ただし、「新興国株=高リスク・高リターンの典型」という認識を持っておくことは大前提です。
加えて、時間軸は10~20年で考え、その間に起きるさまざまな波乱に耐えなければなりません。相談者の方は60代なので、それだけの時間をかけてリスクを取れるのか確認してください。リスクを取れそうにない、と感じるのであれば、新興国にこだわって投資する必要はないでしょう。
あるいは、次のように発想を変えてみてはいかがでしょうか。2000年代に、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字を並べた高成長新興国の総称)ブームが起きて、新興国株型の投資信託が流行しました。しかし、実際には新興国株型の投資信託よりも、そのときに新興国でも稼ぎまくっていた米国企業――たとえばアップルやマイクロソフトなどの株を買っていたほうが、格段に儲かりました。
ですから、新興国の成長に注目しているなら、新興国で売上を伸ばす米国企業に注目してみる、といったやり方も視野に入れるといいでしょう。
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【Q2】投資信託の積立は何本が適正? 今、8本積立していますが、
整理や入れ替えをすべきでしょうか?(40代男性)
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相談者の方は、特定口座と企業型DCで4本ずつ、合計8本の投資信託の積立を実施中とのこと。それぞれの口座で、積立を始める前にいろいろと研究した結果、複数の投資信託への分散を試みたのだと思われます。
ですが、一つひとつの積立口座ごとに資産配分を考えるのではなく、ご自身の資産全体で配分を考えたほうが賢明です。
まず、相談者の方の金融資産全体を見てみましょう。もっとも目立つのは、株式(1800万円)の比率の高さです。これは資産全体の8割に相当し、リスク過多の状態といえます。預金が350万円あるので、緊急時はしのげると思いますが、40代という年齢から考えると、たとえば子どもの入学費や親の介護費など、短期間にまとまった出費が発生することもありえます。
積立はリスクを低下させるので、外国株などの高リスク商品を買っても大丈夫ですが、もう少し預金や安全資産の比率を高めたいものです。
これを踏まえて、現在積立中の8本の投資信託の整理を試みましょう。
特定口座では、日本株をすでに多く持っているので、ひふみプラスの積立は休止を。一方で、資産の一部を外国資産で持つことは重要なので、低コストで世界株に投資するeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と、米国の大手500社に投資するSBI・V・S&P500インデックス・ファンドの2本に絞って、5対5の比率で積立を継続しましょう。
なお、つみたてNISA口座が使えるなら、利益への税金がゼロとなり、圧倒的に有利なので、積立はつみたてNISA口座で続けてください。
企業型DCも同様です。税制の有利さや老後資金だという点を考慮しても、資産全体でこれ以上日本株やリスク性資産を増やすのは控え、TOPIX連動ファンドとグローバルREITは乗り換えを検討しましょう。
一方で、数十年後の老後資金となるDCやiDeCo(個人型確定拠出年金)でこそ、日本衰退のリスクに備えて外国資産を積立しておくべきなので、外国株型の積立は継続を。世界の成長を取り込むという意味ではSBI・全世界株式インデックスファンドで十分ですが、S&P500に連動する投資信託との2本継続でも構いません。
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