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【1】今日の株式相場早わかり!
手がかり難でも小幅続伸、インバウンド関連に買い
日経平均株価は小幅続伸! 26日の欧米市場の多くはクリスマスの振り替え休日で休場。手がかり難の今日の東京市場で、値上がりが目立ったのが百貨店株だ。中国政府が、中国本土に入る際に義務付けている強制隔離を来年1月8日に撤廃することを決めたとの報道を受け、中国からの観光客増にもつながるとの思惑が広がった。高島屋の好決算なども材料視された。インバウンド(訪日客)期待では日本航空などの空運株も上昇した。
今日の取引終了後にはJ.フロント リテイリングが2023年2月期第3四半期(3~11月)の決算を発表。営業利益は前年同期比4.6倍の201億円だった。国内では明日、28日(水)が12月末の配当・株主優待などの権利付き最終売買日となり、30日(金)の大納会で今年の取引が終了する。なお、米中では今週から来週にかけて、企業景況感や雇用関連の重要指標の発表が相次ぐ。12月26日付の「今週の焦点」を改めて確認しておこう。
【日経平均】26447.87円→(+42.00円)
【マザーズ指数】720.03↑↑(+15.24)
【NYダウ】休場
【ナスダック】休場
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
好業績の高島屋が大幅高! 「値上げ」の良品計画も
前日の主要海外市場が休場だったことに加え、年末で外国人投資家などの取引参加者が少なく、今日の東証プライムの売買代金は2兆円弱と薄商いだった。手がかり難の中で、重要視されたのが個別の材料だ。23日の取引終了以降に発表された主な企業の業績などの材料と、株価の反応を点検したい。
今日値上がりが目立ったのが、昨日の相場解説で決算を速報した高島屋だ。23年2月期第3四半期(3~11月)の営業利益は228億5600万円と黒字転換、通期の見通しも上方修正した。訪日外客数や百貨店各社の月次速報などで、インバウンド需要の回復はある程度見えていたが、決算発表で改めて確認された格好だ。今日の株価は+7.14%(先週末比+8.73%)となった。
このほか、値上がりが目立ったのが、一部商品の値上げを発表した良品計画。原材料高や円安を背景にした値上げは、アパレル業界でも進展している。消費者の理解も得やすく、収益改善につながるとの見方から買い材料視された。今日の株価は+6.10%(先週末比+7.04%)となった。
一方、株価が軟調なのが、しまむらだ。26日に発表した2023年2月期第3四半期(3~11月)決算はアナリストらに良好な内容と受け止められたが、このところ月次売上高の堅調推移を受けて買いが入っていたため、材料出尽くし感が広がったようだ。
■高島屋株価チャート/日足・6カ月
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【3】火曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ!投信ランキング』」
成績急変のブルベア型、「短期売買ツール」との認識を
今年最後の当コーナーはブルベア型(レバレッジ型)の投資信託を取り上げたい。今年は特に米国株のブル型の値下がりが目立った。米国株が軟調だった上、為替ヘッジをしていることで円安のメリットも享受できなかったためだ。2020年、2021年と非常に高いリターンをあげていたため、期待を裏切られたと感じる人もいるかもしれない。
ブルベア型の注意点については、10月12日付「投資の疑問」、もしくはダイヤモンド・ザイ1月号トピック(11ページ)などをご覧いただきたい。特に「短期売買のツール」である点は強調したい。何度も繰り返し指摘しているとおり、ブルベア型が示す「○倍」は、前日からの値動きが参照指数の「○倍」ということで、中長期の投資成果が「○倍」ということを意味していないためだ。
足元だけみると、10年という長期で非常に高いリターンとなっているブル型もある。例えば1995年設定の最古参ファンドで、日本株の2倍ブル型である「ハイパー・ウェイブ(日本トレンド・セレクト)」の11月末時点の過去10年リターンは665.8%(約7.7倍)だ。ただ過去にさかのぼると、10年リターンが-85%程度まで落ち込む局面もあった。なお、同ファンドの設定来リターンは-27.1%だ。
長期リターンが不確実な一方で、価格変動リスク(標準偏差)は確実に大きくなる。例えば、2倍ブルのファンドの標準偏差はどの期間をとっても参照指数の2倍程度だ。長期投資においていかに非効率な金融商品であるか分かる。長期投資に不向きなものは積立投資にも向かないと考えた方が良い。結果的に成功するかもしれないが、タイミングによっては積立額を大きく下回る結果にもなりかねないためだ。
今年の相場を教訓に、ブルベア型とのつきあい方をしっかりと押さえておきたい。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター(R&I)にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者(出向)、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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