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【1】今日の株式相場早わかり!
一時300円高、米金融引き締めの長期化懸念が後退
日経平均株価は3日続伸! 先週末6日の米国市場で主要株価指数はそろって上昇した。同日発表された12月の米雇用統計が賃金インフレの鈍化を示す内容だったことなどから、米連邦準備理事会(FRB)による将来的な利下げに対する期待感が強まった。9日の米国市場でNYダウは利益確定売りで反落したものの、今日の東京市場は先週末の米国株上昇の流れを引き継ぎ、朝方から買い優勢だった。日経平均株価の上げ幅は300円を超える場面もあった。
個別では、アルツハイマー新薬が米国で迅速承認されたエーザイが+4.84%となった。6日の取引終了後に発表した決算が、前年同期と比べ大幅な減益となった良品計画は-9.80%と大幅下落した。今日の取引終了後には「主力輸出企業の前哨戦」として注目度が高い安川電機が2023年2月期第3四半期(3~11月)決算を発表。営業利益は前年同期比20.5%増の481億3200万円で、ほぼ市場予想並みだった。
【日経平均】26175.56円↑(+201.71円)
【マザーズ指数】731.41↑↑(+10.93)
【NYダウ】33517.65ドル↓(-112.96ドル、9日)
【ナスダック】10635.650↑(+66.356、9日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
ポピンズ・寿スピリッツなど、「保育」「旅行」に注目!
今日は、株式市場で旬のトピック、「保育」と「旅行」に注目したい。下の表をみて分かるように、多くの関連銘柄が今日も物色されている。
岸田文雄首相は4日の年頭記者会見で「異次元の少子化対策」への挑戦に言及。それ以降、保育関連銘柄の物色が続いている。表にまとめたのが、出生数の増加によって、ニーズが拡大する保育所などを運営する会社の一覧だ。ポピンズの株価は今日、+5.98%となった。昨年末と比べても+9.78%と物色が続いている。同社が注力するのは「ナニー」と呼ばれる幼児教育をあわせたベビーシッターサービス。より高品質な育児サービスに注力している点は、他の保育関連銘柄との差別化になりそうだ。
中国政府は先週末、前後を含めた春節(旧正月)の旅客数が前年の2倍になるとの予測を発表した。8日には「ゼロコロナ」政策も事実上終了。日本政府は中国からの入国者の水際対策を強化したが、インバウンド(訪日客)消費の中心を担っていた中国人観光客が今後増える方向なのは間違いない。また、今日から「全国旅行支援」が再開され、日本人の国内旅行も活発になりそうだ。
旅行関連では、日本各地の土産物菓子をプロデュースする寿スピリッツのほか、スキー場運営の日本スキー場開発が6%を超える大幅上昇となった。ホテルや旅館の予約エンジンなどを展開するtriplaにも注目。オンライン予約サイトへの依存を減らし、自社サイトで集客を完結させたいホテルなどのニーズを捉えている。2023年10月期は大幅な増収増益となる見込みだ。
■寿スピリッツ株価チャート/日足・6カ月
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【3】火曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ!投信ランキング』」
2022年のリターントップは「トルコ株式オープン」
2023年の最初に、昨年、どんな投資信託が好成績だったか振り返ってみたい。下の表は一部を除く公募投資信託の昨年のリターンランキングだ。トップは「トルコ株式オープン(愛称:メルハバ)」で104.2%だった。このほか、通貨選択型のブラジルレアルコースや資源関連のタイプが上位に目立った。
トルコの代表的な株式指数であるイスタンブール100種指数(現地通貨ベース)は昨年1年間で約200%(約3倍)上昇した。トルコリラが対円で20%程度下落していることを考慮しても、円ベースで2倍以上になったことになる。背景にあるのはトルコ中銀の金融政策だ。「超」が付く高インフレが続く中でも、金利上昇を嫌うエルドアン大統領の意を汲み、金融緩和政策を継続。それにより、インフレヘッジ目的のマネーが大量に株式市場に流れ込んだのが極端なトルコ株高の一因とされる。
もっとも、トルコ株の先行きは必ずしも明るいといえない。隣接する欧州の景気減速懸念が根強い上、セオリーに反する金融政策が招いた高インフレが国内消費に与える影響も大きいとみられる。トルコリラ安も観光産業などにはプラスである一方、原材料の調達コスト増など企業業績にはマイナス面も大きい。すでに投資している人は出口を探ってもよいかもしれない。
昨年、成績が良かった通貨選択型のブラジルレアルコースについても、ボルソナロ前大統領の支持者による議会襲撃など、足元では不穏な空気も漂う。新興国投資は先進国よりも大きいカントリーリスク(政治・経済・社会情勢の混乱のリスク)を負うため、常に状況を把握するのが鉄則だ。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター(R&I)にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者(出向)、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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