累計利益64億円の個人投資家・テスタさんの2022年の運用成績は？｢デイトレ｣だけでなく｢高配当株｣への中長期投資も実践して、年間配当額は1億円に到達へ！

2022年に11億円を稼ぎ、累計利益64億円となったスゴ腕投資家・テスタさんに「株式投資への取り組み方」や「情報収集をするときの注意点」も聞いた！

発売中のダイヤモンド・ザイ2023年3月号は、特集「新春インタビュー＆座談会！ スゴ腕の個人投資家たちが教える【2023年の投資で負けないワザ】」を掲載！ 億り人と呼ばれる個人投資家の多くは、幾多の逆境を乗り越えて資産を増やしてきている。そこで、この特集では、難しい相場になることが予想される2023年に、投資で負けないためのワザや心構えを、さまざまな勝ち組個人投資家に、インタビューや座談会の形式で聞いている。

ここでは、元手300万円から株式投資を始め、累計利益64億円を達成したレジェンド投資家・テスタさんのインタビューを公開！
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「投資は才能より努力。真剣にやれば勝てます。
ですが、受験勉強のときほど努力している人は少ないのでは」

──2022年の相場を振り返って、いかがでしたか？

テスタさん　日本株は横ばいでしたが、相対的には強さを見せた1年だったと思います。米国株が下落し、紛争やインフレといった予想外の出来事があったにもかかわらず、日経平均株価は大きく下がらなかったわけですから。

　自分自身の成績はプラス11億円くらい。累計の利益は60億円を超えました。確定利益だけで計上しているので、これとは別に含み益が5億円くらいあります。

　2022年は経済にマイナスな出来事が多かったのに、日本株は大きく下がっていかなかったので、2023年の株価が上向く可能性はあると思います。

──デイトレードだけでなく、長期投資もされていますよね。

テスタさん　配当狙いの投資を7年前から始めました。ようやく年間配当が1億円に到達して、今は資産のほぼ半分が、高配当株用の口座に入っています。

　実は、僕が一番好きな口座です。始めたのは、昔からいわゆる不労所得に憧れがあり、「もし自分が株をやめた時にはこれで生活しよう」という気持ちがあったからです。配当株は株価も上昇して、累計で7億円くらいの値上がり益も出ています。

──「安定」というイメージのある高配当株でも、大きな利益を得ることはできるのでしょうか？

テスタさん　「複利の力」は大きいので、時間をかければ大きく資産を増やすことも可能です。配当金の利回りが5％の銘柄を買い、その株価が1年で5％上がれば、1年で資産を10％増やせます。年10％弱の伸びをキープできれば、10年で2倍になり、20年で4倍、30年で8倍、40年で16倍です。

　誰でもできる投資法だと思いますが、1000万円で始めれば、40年で1億6000万円まで増やせる計算です。

──株主還元に積極的な企業に、株価の上昇は期待できるのでしょうか。

テスタさん　たとえば配当性向40％の会社は、純利益のうち40％を配当に回していて、60％は残っているわけです。そのぶん会社も成長するし、企業価値も上がっていく。高配当株で年5％の株価上昇を見込むことは十分できます。
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──新NISA制度が2024年から始まる見込みです。

テスタさん　今まで投資に興味がなかった人が始めるきっかけになりますし、制度の拡充はいいことだと思います。
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　日本人の「投資アレルギー」はなくしていきたいですね。ユーチューブで棋士の羽生善治さんやプロゲーマーの梅原大吾さんといった、いろいろなジャンルの人と対談したのも、株に興味がない人が僕を見て「こんなやつでも勝てるんだ」と思ってもらいたくて（笑）。

　桐谷広人さんのおかげで株主優待を知った人は多いでしょうし、井村俊哉くん（※元お笑いタレントの投資家）も、2022年に注目を集めましたよね。スター性のある人がどんどん出てくれば、もっと多くの人が投資に関心を持ってくれると思います。
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──井村さんは、三井松島ホールディングス（1518）の取引で約10億円の利益を上げるなど、話題になりました。

テスタさん　井村くんは株について、ものすごく深く突きつめて考えています。しかも本当にお金を使わないので、まるでウォーレン・バフェット。

　株をやっている人で、受験勉強のときくらい一生懸命に努力している人は、かなり少ないんじゃないでしょうか。でも投資って、もしかしたら受験勉強よりも人生を変える可能性がある。投資は才能ではありません。努力すれば差をつけられます。
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「グレーな情報に惑わされない。
自分の頭で考えて、判断する力を磨くことが大事です」

──テスタさんご自身は、どのように情報収集されていますか？

テスタさん　ほとんどツイッターで見ています。重要なニュースは必ずタイムラインに流れてくるし、記事になるより早いので。気になることがあったら、まずツイッターで検索します。

──一方で、2022年は投資詐欺のニュースも目立ちました。SNSの情報にも気をつけるべきでしょうか。

テスタさん　投資の詐欺には2種類しかないです。お金を奪うか、ある銘柄を買わせて株価をつり上げるか。だから、お金さえ渡さなかったら前者は防げます。自分のお金は自分で運用する。人にお金を預けない。これだけは絶対に守ってください。

　法に触れていなければ何を書いてもいい、という認識の人は少なからずいて、ツイッターやネット上の掲示板には、自分が持っている銘柄を他人に買わせようとするような、グレーな情報がたくさんあります。

　投資にあたって、いろんな人の意見を参考にするのはいいのですが、自分の頭で考えることが大事です。「この人はどういう意図で発信しているんだろう？」と見抜く目は、自分で養わないといけません。

──SNSでは寄附活動についても発信されていますね。

テスタさん　寄附先をツイッターで募集すると、とんでもない数が来るんです。必要としている人すべてに寄附できるわけではないので、そう考えると稼ぐことに終わりはないし、自分が株をやる意味も見出せています。

　羽生善治さんと対談したときに「人生の残り日数は日を追うごとに短くなる」と羽生さんがおっしゃっていて。残りの時間で自分が何をするべきなのか、お金を稼ぐということが、どれだけ残りの日数に大事なことなのか、自問自答しています。

　寄附先は児童養護施設が多いですが、ほかにもいろんなところに寄附しています。それを発信していくことで「こんなに待っている人がいるんだ」って気づいてもらいたい。

 「あいつが100万円寄附したなら、自分は1万円だけでも」と、ついてきてくれる人がいると思うので、寄附の輪を広げるためにも頑張ります。