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【1】今日の株式相場早わかり！
米雇用統計で景気懸念が和らぐ、今晩は日銀総裁会見
日経平均株価は続伸！ 米国で7日発表された3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比23.6万人増と市場予想並みで、失業率もやや改善した。この日の株式市場は休場だったが、債券市場（短縮取引）では景気懸念が和らぐとともに5月利上げ観測が強まり、幅広い年限で金利が上昇。為替相場は円安方向に振れた。週明けの東京株式市場はこうした流れを受けて買いが先行。海外勢の取引参加が少なく、米国株の動向を見極めたいとの思惑もあってやや伸び悩んだが、おおむね堅調な展開となった。映画「スーパーマリオ」の好調が報じられている任天堂のほか、日本郵船などの海運株の上昇が目立った。
9日に就任した日銀の植田和男新総裁は今晩、記者会見を開く。また、米国では今週も12日の3月消費者物価指数（CPI）など重要な経済指標の発表が多く、この後のコラムコーナーで予定を確認しておこう。
【日経平均】27633.66円↑（+115.35円）
【マザーズ指数】739.22↑↑（+8.79）
【NYダウ】休場
【ナスダック】休場
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
安川電機は評価分かれやや下落、ドトル日レス上方修正
4月7日の取引終了後に安川電機が決算を発表。今月下旬から発表が本格化する輸出企業の決算の前哨戦として注目を集めており、4月7日号の当コーナーではその決算内容を速報した。ただ、強弱入り混じる内容だったことから、週明けに伝わっているアナリストらの評価や株価の反応もチェックしておく必要があるだろう。その他にも決算や業績修正を発表して株価が動いた銘柄が散見されたので、下表にまとめた。
安川電機の2023年2月期営業利益は前の期比で29.2％増の683億円、また2024年2月期の営業利益予想は2.5％増の700億円となった。市場予想コンセンサスでは今期減益の見込みだったため、厳しい環境下で底堅い決算と前向きに評価するアナリストが多かった。ただ、前第4四半期（12～2月）の受注が前年同期比で17％、前四半期比で19％減少しており、先行きへの慎重姿勢と底入れ期待が交錯したようだ。実際、今日の株価は－0.91％となったが、一時プラスに転じるなど方向感に乏しかった。1月の前第3四半期決算発表後、すでに大きく上昇している点も注意したい。
その他の銘柄では、前期業績を上方修正したドトール・日レスホールディングスが＋2.78％。女性向け健康体操のカーブスホールディングスは堅調な決算で見直し買いが入ったとみられ、建設・土木機械などのワキタは増配や自社株買いも好印象だ。一方、杭打ちに強い技研製作所は業績下方修正や減配が嫌気されて急落した。
なお、今日の取引終了後に決算発表したウエルシアホールディングスは、2023年2月期の営業利益が前の期比6.1％増の456億円となった。2024年2月期の営業利益は5.2％増の480億円となる見通しで、おおむね市場の想定通りだろう。
■安川電機株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
米経済指標と金融大手決算、国内小売などの決算
先週の日経平均株価は－523.17円（－1.87％）。4日（火）に発表された米2月雇用動態調査（JOLTS）で求人件数が減少したことを皮切りに、市場予想を下回る経済指標が相次いだことで米景気悪化への懸念が強まった。景気敏感株としての位置づけが強い日本株は、為替の円高推移も相まって売りが出た。
先週末7日（金）に発表された米3月雇用統計はひとまず懸念を和らげる内容となったが、米国では今週も重要な経済指標の発表が多く、景気の先行きをにらんで相場は上下に振れそうだ。14日（金）に3月の小売売上高や鉱工業生産、4月のミシガン大学消費者態度指数が発表され、足元の経済情勢を探ることになる。また、12日（水）の3月CPIや13日（木）の3月卸売物価指数（PPI）、それにミシガン大学調査でのインフレ期待などは金融政策見通しに影響を与えそうだ。さらに、週後半には金融大手の決算発表が控えている。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者（CEO）が銀行危機の継続を示唆するなど慎重姿勢を示しているだけに、決算も警戒感が先行するかもしれない。
日本でも小売・サービス企業を中心に2月期決算の発表がピークを迎える。経済活動の正常化（リオープニング）による消費の底堅さが期待されており、日経平均株価への影響が大きいファーストリテイリングのみでなく、小売・サービス業全般に関心を集めそうだ。また、9日（日）に就任した日銀の植田新総裁が週明けから本格始動しており、10日（月）の会見での発言などが注目される。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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