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【1】今日の株式相場早わかり!
欧州株安など重石も、バフェット効果で商社株上昇!
日経平均株価は小幅反発! 19日の米国市場はジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日で休場。今日の東京市場は欧州で英独仏の主要株価指数が軒並み下落したことが重石となり、下落してスタート。日経平均株価の下げ幅は前場に280円超となる場面もあった。中国人民銀行(中央銀行)が10カ月ぶりに利下げに踏み切ったことで、中国の景気減速懸念が意識されたことも投資家心理を冷やした。ただ、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏の買い増しが明らかになった大手商社株が軒並み上昇し、相場を支えた。
バフェット氏が保有する5大総合商社については注目株コーナーで解説する。今晩の米国では5月の住宅着工件数・住宅着工許可件数が発表されるほか、航空貨物輸送のフェデックスが決算を発表する。
【日経平均】33388.91円→(+18.49円)
【マザーズ指数】858.34↑(+5.97)
【NYダウ】休場
【ナスダック】休場
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
バフェット氏が買い増し! 5大総合商社の今後は?
今日、上昇が目立ったのが大手総合商社株だ。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社が国内5大総合商社の株式を買い増したことが材料視された。バークシャー・ハサウェイの子会社であるナショナル・インディムニティー社が関東財務局に昨日提出した変更報告書によると、三菱商事の保有比率は6.59%から8.31%、三井物産の保有比率は6.62%から8.09%まで上昇している。
商社株はバリュー(割安)銘柄とされることが多く、PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている銘柄が多かった。原因の1つが「コングロマリット・ディスカウント」(複合企業の価値算定で付される割引)だ。様々な事業で構成される総合商社は複雑で価値の算定が難しく、市場からの評価が保守的になりがちなのが理由の1つとされていた。ただ、バフェット氏の購入に加え、各社の積極的な株主還元策の発表もあり、今年に入ってから、各社の株価は堅調に推移している。PBRは最も低い住友商事でも1倍を回復している。
一方、今期の業績は、各社とも減益見通しとなっている。前期、資源価格が高騰した反動もあり、特に資源分野の比率が大きい三菱商事や三井物産、丸紅は20%を超える減益となる。
バフェット氏が日本の商社への投資に乗り出したのが2020年8月末。当時のバークシャー・ハサウェイのリリースでは、5大商社について最大9.9%まで買い増す可能性も示唆している。「バフェット効果」に対する期待は続くものの、足元の株価水準については加熱感を指摘する向きもある。三菱商事などは配当利回りが3%を下回り、高配当株としての妙味が薄れてきている点も気がかりと言えそうだ(6月7日号【3】「投資の疑問に答えます」も参照)。
■三菱商事株価チャート/日足・6カ月
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【3】火曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ!投信ランキング』」
「リオープン・ジャパン」が繰上償還へ! 単位型とは?
今年1月に大型設定で注目を集めた投資信託「リオープン・ジャパン2301(早期償還条項付)」の繰上償還が決まった。先週末時点で、予め定められていた償還に向かう基準価額(1万2000円)に到達したためだ。昨日の日本株下落については、ファンド早期償還に伴う換金売りが意識されたとの見方もある。同投資信託は当初募集期間にしか買えず、基本的に運用期間が短い「単位型」だ。今日はこの仕組みについて考えてみたい。
現在、単位型は公募投資信託全体の純資産の1%にも満たない。ただ1951年に国内で投資信託が誕生して以降、1990年代初頭まで単位型の比率の方が大きかった。つまり、日本においては追加型ではなく、短期目線の単位型が主流だった時期が長いわけだ。表は先週末時点の単位型の純資産額上位。「リオープン・ジャパン」以外では、海外金融機関が発行する円建て社債を持ち切るタイプが目立つ。設定はここ数年のものが多く、償還予定日も長くて約6年後だ。
「リオープン・ジャパン」は1月25日の設定以降、5カ月弱で約20%、基準価額が上昇したことになる。もっとも、その間の日経平均株価の上昇率はそれを上回る23%強。最大で3.3%(税込)の購入時手数料が取られていることも考慮すれば、取り立てて優れた実績を残したとはいえない。一方、バブル崩壊後の最高値更新という日本株の絶好の上昇局面を捕らえた点では成功を収めたとの見方もできる。来年のNISA(少額投資非課税制度)大幅拡充を前に、長期目線による資産形成を育んでいこうとする風潮が強まる中、今回の繰上償還がどんな議論を巻き起こすのか注目したい。
なお、同ファンドの5月末における組み入れ上位にはZホールディングスや日産自動車、パナソニックホールディングスが名を連ねている。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター(R&I)にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者(出向)、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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