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【1】今日の株式相場早わかり!
欧米の景気・利上げに懸念、円安支えにもみ合い
日経平均株価は3日続落! 23日の米国市場ではNYダウが5日続落、ナスダック総合指数も反落した。S&Pグローバルが発表した6月の欧米の購買担当者景気指数(PMI)が軒並み市場予想を下振れ。さらに欧米での追加利上げへの警戒感も引き続き強く、ハイテク株を中心に売りが出た。週明けの東京市場もこうした流れを引き継ぎ、日経平均株価は朝方に一時400円近い下落。ただ、一時1ドル=143円台後半まで円安が進んだことは支えとなり、先週末終値を挟みもみ合う場面が多かった。
先週後半から荒い値動きとなっているソシオネクストは大幅に3日続落。産業革新投資機構(JIC)による買収が報じられたJSRは、買い気配のままストップ高比例配分となった。海外では今日、6月の独Ifo景況感指数が発表され、引き続き欧米の経済情勢を注視したい。その他の今週の予定は、この後のコラムコーナーで確認しよう。
【日経平均】32698.81円↓(-82.73円)
【マザーズ指数】811.30↓↓(-18.99)
【NYダウ】33727.43ドル↓(-219.28ドル、23日)
【ナスダック】13492.516↓↓(-138.093、23日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
関心は決算へ? ツルハ・オラクル・しまむら点検
今週は小売企業などの決算発表がある。これまで好調だったハイテク株の売りが目立ち始める中、小売株などが物色の受け皿になるかといった点で、決算の注目度は高まりそう。今日は23~26日発表分を確認しておこう。
23日の決算発表銘柄で株価が堅調となったのは、ドラッグストアのツルハホールディングス。2023年5月期の営業利益は前の期比で12.3%増の455億円となり、市場予想を上回った。検査キット・風邪薬といった医薬品の販売増加などで、粗利率が改善した。2024年5月期の営業利益は3.6%増の472億円を見込むが、前期並みの粗利率が想定されており、進捗を見極める必要もありそう。なお、中期経営計画の配当性向の目安(50~70%)に基づき、前期末配当を従来の1株あたり116.5円から143.5円に引き上げ(年260円、前の期は167円)。今期配当は年267円(中間・期末とも133.5円)を計画している。香港ファンドが株主提案を出している8月の株主総会に向けた動向も注目されそうだ。
一方、ITの日本オラクルは決算を受けて急落。ライセンス販売の減収などがネガティブ視されたようで、5月以降に株価の騰勢が強まっていたことも影響したとみられる。また、しまむらの月次売上高(20日締め)の好調維持も株価にある程度織り込み済みだったのだろう。外出需要や気温の上昇が夏物などの売上増加につながったという。
さらに、しまむらは今日の取引終了後に2024年2月期第1四半期(3~5月)決算を発表。営業利益は前年同期比0.6%減の145億円と市場予想を下回り、コスト増が意識される可能性もありそう。なお、今週は28日にJ.フロント リテイリング、29日に高島屋の決算発表が予定されている。
■ツルハホールディングス株価チャート/日足・6カ月
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【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
需給懸念が広がる中、中銀イベントや米PCEに注目
先週の日経平均株価は-924.54円(-2.74%)。4月第1週(3~7日)以来、11週ぶりの下落となった。月末にかけての資産配分の調整(リバランス)を目的とした売りや、7月上旬の上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡んだ売りの観測が相場を押し下げた。また、海外では米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で年内の追加利上げを示唆したほか、実際に利上げに踏み切る中央銀行が相次ぎ、金融政策の先行きへの警戒感が再燃。欧米企業の景況感悪化なども重石となり、NYダウは4週ぶり、ナスダック総合指数は9週ぶりの下落となった
個別でもソシオネクストなど人気株の急落が散見され、株式需給(売りと買いのバランス)の悪化懸念が広がりつつある。こうした中、今週も各国中銀の要人発言の機会や重要な経済指標の発表があり、これらの結果次第で相場が上下に振れることを想定しておきたい。
米経済指標では、特に30日(金)発表の5月個人消費支出(PCE)に注目。FRBもインフレ指標として重視する「PCEコアデフレーター」が追加利上げ観測を強めるかが焦点となる。また、28日(水)にはECB(欧州中銀)フォーラムで日米欧などの中銀総裁が討論会に参加するため、その内容が注視されそうだ。中国では景気刺激策への期待が後退する中、国家統計局が30日に6月PMIを発表する。
なお、28日は6月末の配当・株主優待などの権利付き最終売買日となる(6月6日号・6月9日号参照)。それに今週は6月のIPO(新規株式公開)や株主総会も集中している。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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