世界の国々はより鮮明に「米国派」と「中国・ロシア派」に分かれる。アメリカではカルチャー戦争が企業の業績に大きく影響するようになる
これらのストーリーから私が抱いた感想をまとめると…
(1)アメリカはかなり二極化しています。前代未聞のレベルです。国内政治がある程度、不安定化する可能性があります。
(2)アメリカはいろいろな国の国内政治に干渉しようとしてきました。一方、中国の外交においては、その国が中国によく貢献しているのであれば、中国はその国の自国内の話には干渉しません。こうしたことによって、世界の国々は「米国派」と「中国・ロシア派」に分かれることがより鮮明になってくると思います。各国がどちらの側に立つのか選ぶようになり、世界経済は分断され、効率が悪くなります。
(3)チベット人の全寮制の寄宿学校の話で、アメリカが制裁に踏み切っていることからわかるのは、米中関係が相当悪いということだと思います。
(4)次の大統領選で共和党が勝利する、すなわちトランプが大統領に当選すると、外交は消極的になり、中国のアジアでのパワーがアップします。
(5)アメリカではカルチャー戦争が企業の業績に大きく影響するようになります。企業は気をつけなければいけません。しかし、アンハイザー・ブッシュの場合、復活する可能性もある程度あり、その場合、株を買うチャンスにもなります。ただ、そのためには同社の企業文化がどこまでダメージを受けたか、把握する必要があります。
●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。
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