【1】今日の株式相場早わかり!
一時上げ幅400円超も終盤に勢いが失速
日経平均株価は続伸! 24日の米国株式市場では、NYダウが5日ぶりに反発。ナスダック総合指数も続伸した。好決算を発表したベライゾン・コミュニケーションズやスリーエムなどが上昇をけん引。また、取引終了後にはマイクロソフトが好調な第1四半期決算を発表し、時間外取引で大幅高となった。米株高を背景に、日経平均株価は続伸でスタート。一時は上げ幅が400円超に。ただ、中間決算を見極めたい投資家も多いためか、取引終盤に勢いは失速し、207円高で終了。一方、前日の株高の反動もあり成長株の動きは鈍く、マザーズ指数は反落した。業種別ではENEOSホールディングスなどの石油・石炭製品や三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行業が上昇した。
今晩の米国では、9月新築住宅販売件数の発表や、メタ・プラットフォームズやIBMの決算発表が控える。
【日経平均】31269.92円↑(+207.57円)
【マザーズ指数】647.37↓(-3.72)
【NYダウ】33141.38ドル↑(+204.97ドル、24日)
【ナスダック】13139.875↑(+121.546、24日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
上方修正でも下落、下方修正でも上昇する銘柄!
前日24日に決算発表や業績予想を修正した注目企業の内容と株価の反応をまとめた。上方修正をしても株価が上昇した銘柄、下落した銘柄と反応は一律ではない。業績の見通し修正を見て投資する際には、踏み込んだ分析が必要といえる。
前日の業績上方修正を好感し、ストップ高で張付いたのが野村マイクロ・サイエンス。半導体製造装置などに使われる水処理装置・メンテナンスともに受注が好調だったことを背景に、2024年3月期上期および通期の計画を上方修正。従来、4期連続の最高益更新予想だったが、増益幅がさらに拡大し、成長力の高さが評価された。シマノも2023年12月期の営業利益予想を700億円から770億円へ上方修正したことが好感され、寄付から大幅に反発。当期利益予想は減額されたが、これは一部製品の無償点検など一時的な要因であり、特に問題視されなかった。
東映アニメーションも2024年3月期の業績予想を上方修正した。しかし、株価は上昇で始まったものの、利益確定売りに押され大幅に下落した。コメリの2024年3月期上期の営業利益は前年同期比19%減の138億円となった。また、猛暑によるガーデニング関連商品の販売低調などを理由に、通期計画を増益から一転して2ケタ減益見通しへと下方修正した。本日の株価は寄付から急落した。
これから決算発表のピークを迎えるが、好決算や上方修正=買い材料というほどシンプルではない。「材料出尽くし」「利益確定売り」など、株価下落につながるケースも多いことを頭に入れておこう。
■野村マイクロ・サイエンス株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
自社株の消却ってナニ? 株主のメリットは?
(ご質問)
「自社株(自己株式)の消却」をよく聞きますが、どういうことですか? 企業や株主にプラスに働くのでしょうか?
(答え)
企業が発行した株を自ら買い戻したうえで、消滅させてしてしまうことです。発行株式数を確実に減らし株の価値を高める狙いがあります。
自社株買いによって買い戻した株を「自己株式」といいます。企業は自己株式を長期にわたって保管することができます。一方で、保管している自己株式を(1)処分または(2)消却することも可能です。言葉こそ似ていますが2つは全く違う方法で、株価の反応も変わってきます。
(1)処分は、自己株式を第三者に売ることです。そもそも、自社株買いには市場に出回る株数を実質的に減らすことで1株あたりの価値を高める効果(仕組みの詳細は8月23日号の当コーナ―で紹介)があります。ところが、処分されると再び市場に株が出回るため、株の希少性が薄れて株価が下がる原因となってしまいます。
一方、(2)消却は、企業が内部で自己株式を消滅させることです。自社株買いだけでは、企業が株を再び市場に放出する可能性が残っています。しかし消却されれば、処分によって1株あたりの価値が下がる懸念はなくなります。株主に安心感を与えることで、株価の上昇を狙えるというワケです。自社株買いと消却をセットで発表する企業もあるので、注目してみましょう。
ただし、自社株の消却にもデメリットがあります。純資産が減少するため、自己資本率が低下したり、資金繰りが悪化したりする可能性もあります。
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