「勝者のゲーム」と資産運用入門

日経平均33年ぶり高値。時価総額アジア首位も奪還。
金融相場到来なら最高値3万8915円突破も射程圏内。
日本株の勢い止まらず。逆張りせず、昇り龍に乗れ!太田忠の勝者のポートフォリオ 第119回

2024年1月16日公開(2024年1月19日更新)
太田 忠
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2024年の日本株はロケットスタート。日経平均は3万5000円台に!

 日経平均株価は連日の大幅高、33年ぶりに3万5000円台へ―。

 大発会の日こそ一時は急落を演じて「ヒヤリ」とする局面もあったが、年明けの日経平均は連日の急騰となっている。成人の日の翌日から始まった第2週は385円高、678円高、608円高、527円高となり、1月12日終値は3万5577円。昨年末の3万3464円から2113円も上昇。1990年2月以来となる33年11か月ぶりの高値となる。売買代金も連日で4兆円を超える活況ぶりである。

 前回のコラム『2024年のマーケット展望と投資戦略』で私は次のように述べた。「辰年は干支別のトップパフォーマー(+28.0%)」「辰年生まれの私は過去35年の資産運用で大きな成果を得てきたが、2024年は非常に期待できる」。まさに昇り龍の如くあっぱれなスタートだ。さすがにこれほどのロケットスタートを予想した人は少ないのではないか? 私もその一人である。

新NISA開始と海外投資家の積極的な日本株買いが日経平均上昇の主要因

 まず大きな話題として取り上げたいのが、新NISA制度がスタートしたことだ。新NISAを一言でいえば「生涯無期限で、1800万円の投資元本を、非課税で運用できる」制度であり、資産運用にさほど使い物にならなかった従来NISAが大幅に改善された。投資信託に投資する「つみたて投資枠」と主に個別銘柄に投資する「成長投資枠」をダブルで活用できる。スタート初日から日本市場にも大きな資金が流入しており、個人投資家の買い意欲が格段に高まっている。

 2つ目が海外投資家による日本株買いだ。東証による「PBR改革&資本効率改善への取り組み要請」で海外投資家は2023年に大きく買い越しに転じた。1年を通じた海外投資家の買い越し額は3兆1215億円。これは安倍晋三内閣時代の経済政策「アベノミクス」初期の2013年(15兆円)以来の大きさである。日本株はグローバルに見て割安に放置されており、ポートフォリオにおいてアンダーウェートされ続けてきた存在だ。いまだにアンダーウェートだが、その解消に向けて年初から買いに動いている。また、日本企業も実は日本株買いの大きな主体に変化した。資本効率改善を狙った自社株買いを反映する事業法人の買越額は4兆9012億円。自社株買いによる株高効果は米国市場で顕著だが、日本市場も起こり始めている。

マイナーSQ決戦は買い方の勝利。売り方の買い戻しで株価上昇に拍車も

 そしてもうひとつの固有の動きがマイナー特別清算指数(SQ)に向けたバトルである。投資家がSQを気にするのはいわゆるメジャーSQのある3月、6月、9月、12月の年4回だが、実は毎月、先物・オプションの決済がおこなわれており、メジャーSQではない月をマイナーSQと呼ぶ。この決済日に向けて、売り方と買い方の壮絶なバトルが繰り広げられる。通常話題になるのが、日経平均が急落した場面で「マイナーSQで売り方が勝負に出た」というケース。だが、投資家はいつも売りで勝負するわけではなく、買いで勝負する時もある。今回は日本市場の先高観を頼りに買い方が大きな勝負に出た。その結果、株価指数先物やコールオプションの売り方が損失低減のために大量の買い戻しをおこない、現物株の上昇に拍車がかかるという構図となった。しかも1月12日のSQ値は3万6025円と寄付きの日経平均よりも424円も上の水準となり「幻のSQ」となった。これほどの乖離は滅多に見られない。

 こうした結果、先週の東京証券取引所の時価総額は中国の上海証券取引所を上回り、アジアでトップとなった。もちろん東京市場は元々はトップだったが、上海市場に抜かれていた。首位奪還は3年半ぶりだ。投資マネーは日本へ回帰、そして中国からは回避となっている。

個人投資家の「やれやれ売り」も最終局面。新NISAで買い越しに転じる?

 ところで、今年の日本株の焦点は個人投資家だと思う。実は2023年の個人投資家は2兆9192億円もの売り越しだった。「あれだけマーケットが上がっているのにどうして?」と思われるかも知れないが、個人投資家は持続的な株高に懐疑的なため逆張り志向が強く、高値をつけると売りに回りやすい。しかも1990年の高値レベルにまで日経平均が戻ったわけだから、投資歴の長い個人投資家などはようやく「やれやれ売り」ができる状況がやってきた。要するに、バブル崩壊後に含み損を抱えたまま日本株を持ち続けた個人の処分売りの最終局面だったのだ。その処分売りも一巡したこと、そして新NISAのスタートで個人投資家は買い越しに転じると思う。

 個人投資家へのアドバイスとしては「レンジ相場を前提としたカラ売りは危険」である。「日経平均が3万5000円になったから、もうそろそろ下がるだろう」と思ってカラ売りすると踏み上げにあってお金を失う。2024年はレンジ相場ではなく、上に突き抜けていく相場である。「逆業績相場」から「金融相場」へと移行する年である。金融相場に入れば、日経平均は1989年12月に付けた過去最高値3万8957円を突破すると私は考えている。

新春セミナー315名参加。無料お試し期間に参加可能。次回2月7日開催!

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言をおこなっている「勝者のポートフォリオ」。新たな講義動画として太田流「新NISA活用法」のスペシャル講義がスタートした。新NISAは個人の本格的な資産形成にとても有力な枠組みであり、活用しない手はない。第1弾として「何に投資をして、どう資産配分すればいいの?」という投資初心者の要望に分かりやすく解説している。1月からは年代別、シチュエーション別の新NISA活用のシミュレーションの講義を行う予定だ。

 毎月恒例のWebセミナーも大発会の1月4日(木)20時より開催した。仕事初めの日の平日夜にもかかわらず315名もの参加で盛況だった。このコラムでは個別銘柄の話はできないが、セミナーでは今後大きな上昇が期待できる注目銘柄やテンバガー(10倍株)についても解説。会員限定だが10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能である。次回は2/7(水)20時より開催予定である。2024年に大きく飛躍されたい方々の多数のご参加をお待ちしている。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一水曜夜は、生配信セミナーを開催。

 

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