大発会の日経平均は急落したものの、円安と新NISA効果で急速に切り返す
日経平均株価は一時770円安、いきなり3万2600円台に沈む―。
2024年1月4日の大発会。お正月休みで日本が休場だった最中、米国市場では楽観的ムードが崩れてハイテク株を中心に大きく下落。元日に発生した能登半島地震による経済への影響も心配されパニック的な売りになった。初日の商いから急落したことで肝を冷やした個人投資家も多かったのではないか、と推測される。とは言うものの、午後から急速に立ち直り、結局のところ日経平均は175円安の3万3288円で取引を終えた。安値からの下げ幅を600円も縮めるダイナミックな動き。それが円安と新NISA効果だった。
2024年は辰年。いよいよ日本でも保守的な国民に本格的な資産運用を促す新NISAがスタートしたため資産運用元年とも言える。ちょうど1年前のコラムで私は干支のアノマリーについて述べたのを覚えておられるだろうか。「昨年から始まった『卯年、辰年、巳年』の3年間は『ホップ、ステップ、ジャンプ』という非常に縁起の良い年回り」「とりわけ辰年は干支別のトップパフォーマーである」という内容だ。1950年からの日経平均のパフォーマンスを見ると、卯年+18.0%(3位)、辰年+28.0%(1位)、巳年+13.4%(6位)となっており、3年間の投資成果は累積で+71.2%に及ぶ。要するに100万円投資したら3年後には171万2000円になるのだ。
卯年の日経平均は+28.2%と躍進。2024年の辰年も大いなる飛躍を確信
2023年の卯年はマーケットサイクル的には「逆金融相場」から「逆業績相場」へと進み、本来はパフォーマンスが冴えない傾向にあるが、日経平均は+28.2%と大躍進した。昨年9月のコラムで「阪神タイガース優勝年は高パフォーマンス」という話題を取り上げたが、そうした心理的な側面も影響していると考えている。
ところで皆さんは干支の相場格言をきちんと知っておられるだろうか。「辰巳(たつみ)天井、午(うま)しり下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまづき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる」。
「寅千里を走る」とは寅年は「政治・経済で波乱が起こる」という意味である。日経平均の成績は過去7回において1勝6敗と分が悪く2022年は-9.4%となった。そして「卯は跳ねる」で卯年は「景気・株式相場が回復して大きな躍進の年」となる。過去の成績は5勝2敗。2023年は+28.2%だった。
2024年の現在はまだ「逆業績相場」にあるが、今年からいよいよ「金融相場」へ入るサイクルとなるため、大いなる期待が持てると私は確信している。
FRBの3月利下げは懐疑的だが、6月までに開始し金融相場の号砲が鳴る
今年のポイントは何と言っても日米の中央銀行の金融政策転換が最重要だと思う。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めから金融緩和への転換、そして、日銀のマイナス金利から金融正常化への転換である。FRBが12月に公表したドットチャート(FOMCメンバーによる各年度末の政策金利見通し)において「2024年の利下げが3回」と示されたことで、その第1弾が3月19日~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが行われるとの見方が濃厚だ。また、日銀は4月25日~26日に開催される金融政策決定会合で、春闘の賃上げ結果を踏まえてマイナス金利を解除すると予想されている。
昨年10月まで冴えなかった米国株が息を吹き返したのは「もう金利は上がらない」「年明け早々にも利下げだ」という楽観的ムードに支配されたためである。しかし年明けを迎え、その雲行きが怪しくなってきた。12月のFOMC議事要旨で「経済の先行きは不透明」「追加利上げもありうる」との見解が示され、行き過ぎた利下げ期待に反省ムードが漂っている。それを受けて長期金利は4.00%まで上昇してナスダックは5日続落、半導体のSOX指数も急落のありさまである。個人的には「まだ利下げをするほど景気減速は十分ではない」「拙速な利下げは、今までの利上げ効果を帳消しにする」と思っているので3月の利下げには懐疑的であるが、6月までには行われると考えている。FRBの利下げ開始で「金融相場」への号砲が鳴る。
金融相場突入で小型グロース株、マイナス金利解除で銀行株の躍進が期待
「金融相場」に入れば株式市場は大きく上昇するが、特に期待されるのが小型グロース株である。「もう小型グロースはこりごり」という個人投資家も多いと思うが、それは「逆金融相場」や「逆業績相場」という間違ったマーケットサイクルで投資をしたからそうなっただけであり金融相場では様変わりする。金融相場になればベストパフォーマーは小型グロースだ。ちなみに2020年3月から10月までのコロナショック後の金融相場でのパフォーマンスはTOPIXが+28%に対してマザーズ市場(現在の東証グロース市場250指数)は+132%、2012年6月から2013年5月までのリーマンショック後の金融相場では、TOPIXが+67%に対してマザーズは+218%である。金融緩和の環境下では小型グロースが圧倒的に強い。すでにクタクタに売られているため大きなパフォーマンスが期待される。
銀行株も期待される。日銀のマイナス金利解除により「金利のある世界」に戻れば、稼ぐ力が飛躍し再び脚光を浴びることになる。国内の長期金利は金融正常化への期待から昨年11月1日に0.950%まで上昇して銀行株のパフォーマンスも良かったが、12月20日には0.550%まで低下して「銀行は儲からない!」という失望感や投げ売りで株価は低迷している。それが再び大きな転換を迎えることになる。
35年の資産運用で得たノウハウを惜しみなく伝授。勝ち組投資家になろう
私は辰年生まれで今年還暦を迎えるが、自分のことを「生まれながらの勝ち組投資家」だと思っている。実際35年の資産運用で大変大きな成果を得てきたが、2024年は非常に期待できる。皆さまも大きな飛躍の年にしていただきたいと思う。
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。新たな講義動画として太田流「新NISA活用法」のスペシャル講義がスタートしている。新NISAは本格的な個人の資産形成にとても強力な枠組みであり、活用しない手はない。第1弾として「何に投資をして、どう資産配分すればいいの?」という投資初心者からの要望にも分かりやすく解説している。1月には年代別、シチュエーション別の新NISA活用のシミュレーションの講義をおこなう予定だ。
そして、毎月恒例のWebセミナーを大発会の1月4日(木)20時より開催した。仕事初めの日の平日夜にもかかわらず315名もの参加で盛況だった。このコラムでは個別銘柄の話はできないが、セミナーでは今後大きな上昇が期待できる注目銘柄やテンバガー(10倍株)についても解説。会員限定だが10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能である。次回は2/7(水)20時より開催予定である。2024年に資産運用で大きく飛躍されたい方々の多数のご参加をお待ちしている。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。
※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案や銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一水曜夜は、生配信セミナーを開催。
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