「勝者のゲーム」と資産運用入門

辰年相場のマーケット展望と投資戦略を徹底解説!最重要ポイントは日米の中央銀行の金融政策転換だ。利下げで小型グロース株、金融正常化で銀行株に妙味太田忠の勝者のポートフォリオ 第118回

2024年1月9日公開(2024年1月8日更新)
太田 忠
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

大発会の日経平均は急落したものの、円安と新NISA効果で急速に切り返す

 日経平均株価は一時770円安、いきなり3万2600円台に沈む―。

 2024年1月4日の大発会。お正月休みで日本が休場だった最中、米国市場では楽観的ムードが崩れてハイテク株を中心に大きく下落。元日に発生した能登半島地震による経済への影響も心配されパニック的な売りになった。初日の商いから急落したことで肝を冷やした個人投資家も多かったのではないか、と推測される。とは言うものの、午後から急速に立ち直り、結局のところ日経平均は175円安の3万3288円で取引を終えた。安値からの下げ幅を600円も縮めるダイナミックな動き。それが円安と新NISA効果だった。

 2024年は辰年。いよいよ日本でも保守的な国民に本格的な資産運用を促す新NISAがスタートしたため資産運用元年とも言える。ちょうど1年前のコラムで私は干支のアノマリーについて述べたのを覚えておられるだろうか。「昨年から始まった『卯年、辰年、巳年』の3年間は『ホップ、ステップ、ジャンプ』という非常に縁起の良い年回り」「とりわけ辰年は干支別のトップパフォーマーである」という内容だ。1950年からの日経平均のパフォーマンスを見ると、卯年+18.0%(3位)、辰年+28.0%(1位)、巳年+13.4%(6位)となっており、3年間の投資成果は累積で+71.2%に及ぶ。要するに100万円投資したら3年後には171万2000円になるのだ。

卯年の日経平均は+28.2%と躍進。2024年の辰年も大いなる飛躍を確信

 2023年の卯年はマーケットサイクル的には「逆金融相場」から「逆業績相場」へと進み、本来はパフォーマンスが冴えない傾向にあるが、日経平均は+28.2%と大躍進した。昨年9月のコラムで「阪神タイガース優勝年は高パフォーマンス」という話題を取り上げたが、そうした心理的な側面も影響していると考えている。

 ところで皆さんは干支の相場格言をきちんと知っておられるだろうか。「辰巳(たつみ)天井、午(うま)しり下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。戌(いぬ)は笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまづき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる」。

 「寅千里を走る」とは寅年は「政治・経済で波乱が起こる」という意味である。日経平均の成績は過去7回において1勝6敗と分が悪く2022年は-9.4%となった。そして「卯は跳ねる」で卯年は「景気・株式相場が回復して大きな躍進の年」となる。過去の成績は5勝2敗。2023年は+28.2%だった。

 2024年の現在はまだ「逆業績相場」にあるが、今年からいよいよ「金融相場」へ入るサイクルとなるため、大いなる期待が持てると私は確信している。

FRBの3月利下げは懐疑的だが、6月までに開始し金融相場の号砲が鳴る

 今年のポイントは何と言っても日米の中央銀行の金融政策転換が最重要だと思う。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めから金融緩和への転換、そして、日銀のマイナス金利から金融正常化への転換である。FRBが12月に公表したドットチャート(FOMCメンバーによる各年度末の政策金利見通し)において「2024年の利下げが3回」と示されたことで、その第1弾が3月19日~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが行われるとの見方が濃厚だ。また、日銀は4月25日~26日に開催される金融政策決定会合で、春闘の賃上げ結果を踏まえてマイナス金利を解除すると予想されている。

 昨年10月まで冴えなかった米国株が息を吹き返したのは「もう金利は上がらない」「年明け早々にも利下げだ」という楽観的ムードに支配されたためである。しかし年明けを迎え、その雲行きが怪しくなってきた。12月のFOMC議事要旨で「経済の先行きは不透明」「追加利上げもありうる」との見解が示され、行き過ぎた利下げ期待に反省ムードが漂っている。それを受けて長期金利は4.00%まで上昇してナスダックは5日続落、半導体のSOX指数も急落のありさまである。個人的には「まだ利下げをするほど景気減速は十分ではない」「拙速な利下げは、今までの利上げ効果を帳消しにする」と思っているので3月の利下げには懐疑的であるが、6月までには行われると考えている。FRBの利下げ開始で「金融相場」への号砲が鳴る。

金融相場突入で小型グロース株、マイナス金利解除で銀行株の躍進が期待

 「金融相場」に入れば株式市場は大きく上昇するが、特に期待されるのが小型グロース株である。「もう小型グロースはこりごり」という個人投資家も多いと思うが、それは「逆金融相場」や「逆業績相場」という間違ったマーケットサイクルで投資をしたからそうなっただけであり金融相場では様変わりする。金融相場になればベストパフォーマーは小型グロースだ。ちなみに2020年3月から10月までのコロナショック後の金融相場でのパフォーマンスはTOPIXが+28%に対してマザーズ市場(現在の東証グロース市場250指数)は+132%、2012年6月から2013年5月までのリーマンショック後の金融相場では、TOPIXが+67%に対してマザーズは+218%である。金融緩和の環境下では小型グロースが圧倒的に強い。すでにクタクタに売られているため大きなパフォーマンスが期待される。

 銀行株も期待される。日銀のマイナス金利解除により「金利のある世界」に戻れば、稼ぐ力が飛躍し再び脚光を浴びることになる。国内の長期金利は金融正常化への期待から昨年11月1日に0.950%まで上昇して銀行株のパフォーマンスも良かったが、12月20日には0.550%まで低下して「銀行は儲からない!」という失望感や投げ売りで株価は低迷している。それが再び大きな転換を迎えることになる。

35年の資産運用で得たノウハウを惜しみなく伝授。勝ち組投資家になろう

 私は辰年生まれで今年還暦を迎えるが、自分のことを「生まれながらの勝ち組投資家」だと思っている。実際35年の資産運用で大変大きな成果を得てきたが、2024年は非常に期待できる。皆さまも大きな飛躍の年にしていただきたいと思う。

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。新たな講義動画として太田流「新NISA活用法」のスペシャル講義がスタートしている。新NISAは本格的な個人の資産形成にとても強力な枠組みであり、活用しない手はない。第1弾として「何に投資をして、どう資産配分すればいいの?」という投資初心者からの要望にも分かりやすく解説している。1月には年代別、シチュエーション別の新NISA活用のシミュレーションの講義をおこなう予定だ。

 そして、毎月恒例のWebセミナーを大発会の1月4日(木)20時より開催した。仕事初めの日の平日夜にもかかわらず315名もの参加で盛況だった。このコラムでは個別銘柄の話はできないが、セミナーでは今後大きな上昇が期待できる注目銘柄やテンバガー(10倍株)についても解説。会員限定だが10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能である。次回は2/7(水)20時より開催予定である。2024年に資産運用で大きく飛躍されたい方々の多数のご参加をお待ちしている。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一水曜夜は、生配信セミナーを開催。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


「勝者のゲーム」と資産運用入門 バックナンバー

»もっと見る

ダイヤモンド・ザイのお得な定期購読はこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強の日本株121
投信格付244本
株&投信ドリル

10月号8月21日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[日本株121/投信格付244本]
◎巻頭企画
人気株の「売り」「買い」 診断も!
決算速報!第1四半期決算で判明!好発進株


◎第1特集
反撃!NISAで安心して持てる!
最強日本株ー2024年夏

●日本株大予測「デフレ完全打破で日経平均は1年後4万5000円へ!」
・利回り5%超がゴロゴロ!高配当株
・盤石な経営力が魅力!大型優良株
・長期で安心保有!株主優待株
・少額でもぐんぐん成長!10万円未満株
・相場を牽引する成長株!半導体・AI株
・割安だが実力はホンモノ!低PBR株
・独自ビジネスで急成長!10倍株

●「新」米大統領誕生で上がる株
●日本の金利上昇で上がる株


◎第2特集
☆☆☆の数を見るだけでOK!
人気投信をズバ斬り!最新の最安投信も大公開!投信格付244

・NISAの最安オススメ投信!インデックス型
・NISAで大きな利益を狙う!アクティブ型
・リスクを抑えられる!バランス型
・「本当の利回り」をチェック!毎月分配型
●NISAで買う投信の選び方!
●投信のキホン


【別冊付録】
書き込み式でサクサク解ける!
NISAで勝つ!株&投信ドリル


◎第3特集
人気FP・風呂内亜矢さんが読者の家計を
ズバリ診断!
インフレ時代を生き抜く!家計改造大作戦!

●家計チェックの3つのポイント
●読者5人の悩みの解決法!

 

◎連載も充実!

◆NEWS:手軽なのに味は超本格派!ご当地カレーの返礼品が充実!
◆新連載!ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
◆おカネの本音:木原直哉さん(東大卒プロポーカープレイヤー)
「ポーカーは時給仕事!大きく稼ぐなら投資のほうが効率的!」
◆マンガ恋する株式相場
「やらにゃ損々!ふるさと納税」
◆「うつ病で働けない時生活費はどうする?」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報