【1】今日の株式相場早わかり!
米金利が一段高も、押し目買いで下げ渋る
日経平均株価は反落! 2日の米国市場で主要株価指数はそろって下落。2月の製造業受注や雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が市場予想を上回ったほか、原油市況が昨年10月下旬以来の水準にまで上昇したことで、長期金利が一段と上昇し、エネルギー関連株を除いて幅広い銘柄に売りが広がった。また、朝方に発生した台湾付近を震源とする地震を受け、短期的な売りが先行したこともあり、日経平均株価は下落してスタートした。一方、資源関連株などのバリュー(割安)株を中心に押し目買いが入り、その後は緩やかに下げ幅を縮める動きとなった。
個別では富士石油のほか、北海道電力などの電力株が買われた。また、取引時間中に新たな経営計画・株主還元方針を公表した伊藤忠商事が急伸。今晩は米国で3月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、ADP全米雇用リポートが発表される。引き続き長期金利の動向に注目だ。
【日経平均】39451.85円↓(-387.06円)
【グロース250】700.25↓↓(-13.58)
【NYダウ】 39170.24ドル↓↓(-396.61ドル、2日)
【ナスダック】16240.449↓(-156.383、2日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
3月売上高速報、好不調の違いの背景にあるのは…
4月に入ってから株式市場の調整が続いている。為替介入への警戒感から外需系銘柄の手掛けづらさも意識される中、物色の裾野が内需系銘柄に広がることに期待したい。一方、前日にかけて小売企業の3月の売上速報が発表されたが、業態・企業ごとに好不調の違いが見られる。年央以降には物価上昇率を考慮した実質賃金が前年比でプラスに転じることが期待されているが、現時点では、消費者の財布の紐は堅いようで、内需系企業でも選別力が求められそうだ。
衣服類は全体的に月前半の気温の低さが春物の販売不振につながった。ただ、TOKYO BASEは月上旬から好調だったほか、ユナイテッドアローズとアダストリアは月後半の気温上昇時に挽回し、高価格帯の売れ行きが良かったUアローズは前年比プラスで着地。一方、ファーストリテイリングは苦戦し、-7.7%と客数が減少。アパレルブランドは大型連休前に新作春物を購入しようとする消費者の意向がプラスに作用した反面、下着など衣服のベースとして重宝されがちな「ユニクロ」はこうした恩恵を享受できなかったもよう。時期的にどうしても欲しいものだけが厳選されて購入され、不要不急の消費は避けられているようだ。
一方、新作モデルの売れ行きが良かったエービーシー・マートは好調が続いた。靴は衣服に比べて摩耗がはやく消費の必要性に迫られやすいほか、靴業界は衣服業界に比べて大手による寡占が進んでいること、同社がプライベートブランドからナショナルブランドまで幅広い商品を扱っている強みを有していることなどが影響していそうだ。
食品や生活雑貨など生活必需品類も扱っている「無印良品」を展開する良品計画やニトリホールディングスは非常に好調だった。共に比較基準となる前年同月のハードルが高い中での大幅なプラスで、競争力の高さが窺える。
■エービーシー・マート株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
IPO株投資、当選の確率を上げるには?
(ご質問)
IPO(新規株式公開)株の当選に有利な証券会社はどこですか?
(答え)
公開株の販売シェアが高いのは主幹事証券会社。証券各社の特徴も把握し、賢く当選を増やしましょう!
3月は15社が新規上場し、公開価格(公開株を購入する際の価格)に対する初値(上場後に最初に付く株価)の騰落率は平均で+64.1%と好調でした(3月29日号参照)。東京地下鉄(東京メトロ)が早ければ今夏にも上場を目指すなどと伝わっていることもあり、この機会にIPO株投資を検討する方は多そうですね。
まずおさらいですが、IPOの際は公募・売出株(公開株、新規発行する株や上場前株主が放出する株)の販売が行われます。購入を希望する投資家はブックビルディング(需要申告)期間に取り扱い証券会社へ申告する必要がありますが、需要は極めて高倍率となるのが一般的。その高いハードルを乗り越えて当選すると、はれて公開株を購入することが可能になり、上場とともに売却して利益を得ることができるのです。
当選の確率を上げるため、まず重要になるのは「主幹事証券会社」を把握することでしょう。公開株の取り扱い証券会社の中でも、中心的な役割を担うのが主幹事。そのため、公開株の販売シェアも主幹事が圧倒的に高いケースがほとんどです。2023年の主幹事実績トップ5を下に掲載しますが、もっと詳細を知りたい方はこちらの記事も参考にして下さい。
また、公開株の配分にあたり100%完全平等抽選を掲げる証券会社や、ブックビルディング参加時の事前入金が不要な証券会社、落選しても次回以降の当選がしやすくなるポイントを付与する証券会社などがあります。これらを賢く使うことで、当選を増やすこともできるでしょう。
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