東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。491円安の39,090円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに516円安の39,065円まで下落しました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋ると徐々に持ち直し後場に入り14時30分に108円安の39,473円まで戻し結局139円安の39,442円で取引を終えています。一方でTOPIXは上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
本決算を発表したエービーシー・マート(2670)が一時6.6%高となり上場来高値を更新しました。国内外での出店を拡大する計画で2025年2月期の営業利益が前期比で5.4%増となる見通しを示し市場予想を上回ったことで大幅高となりました。同じく本決算を発表したホームセンター大手のコーナン商事(7516)も一時7.3%高となり上場来高値を更新しました。2025年2月期の営業利益が前期比で7.5%増となる見通しを示したことに加え、自己株式を除く発行済株式総数の 2.62%にあたる80万株、30億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。カラオケ店「まねきねこ」などを運営するコシダカホールディングス(2157)も一時11.6%高となりました。客数が想定を上回って推移していることなどから2024年8月期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。また、原油先物価格の上昇を受けて石油関連株か高く、INPEX(1605)が一時5.1%高、石油資源開発(1662)が一時5.7%高、出光興産(5019)が一時3.2%高、ENEOSホールディングス(5020)も一時3.1%高となり、揃って年初来高値を更新しています。さらに東証グロース市場では太陽電池の製造装置などを手掛けるエヌピーシー(6255)が18.0%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。好調な部品販売が継続していることに加え、仕入コストや現地作業費の低減もあり2024年8月期の業績予想を引き上げたことで買いを集めました。一方で本決算を発表した吉野家ホールディングス(9861)が一時11.5%安となり年初来安値を更新しました。原材料価格が高止まりすることや、出店コストが膨らむことなどにより2025年2月期の営業利益が前期比で12.2%減となる見通しを示したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は139円安となりました。3月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが加速し市場予想を上回ったことで利下げの開始が遅れるとの見方が一段と強まり昨日の米国市場が下落したことから売りが優勢となりました。一時は510円以上下げる場面もありましたが、節目の39,000円を前に下げ渋ると153円台前半まで進んだ円安などを支えに持ち直しました。そのため39,000円近辺での底堅さが意識されそうです。なお、小売り企業の決算発表が続いています。本日も引け後にはファーストリテイリング(9983)やコジマ(7513)、松屋(8237)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、21時30分には3月の米卸売物価指数(PPI)や米新規失業保険申請件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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