【1】今日の株式相場早わかり!
ダウ終値で4万ドル台、日経平均は3万9000円台回復
日経平均株価は反発! 終値で4月15日以来、およそ1カ月ぶりに3万9000円台を回復した。17日の米国市場ではNYダウが反発し、終値で初めて4万ドル台に乗せた。一方、ナスダック総合指数は小幅に続落。原油高とともに長期金利の上昇が続き、景気敏感株を中心に買いが入ったが、半導体関連株などには売りも出た。米国株が高安まちまちだったことから、週明けの日経平均株価はほぼ横ばいでスタート。しかし、前場中ごろを過ぎると上げ幅を600円超に広げる場面があった。世界的な株高で投資家心理が上向き、やや出遅れていた日本株にも買いが入ったようだ。自社株買いの実施を発表した信越化学工業が大幅高となり、業種別ではENEOSホールディングスなどの石油・石炭製品が値上がり率トップだった。
もっとも、日経平均株価は後場に入り上げ幅を縮小。日本の10年物国債利回りは一時0.975%と、2013年5月以来の水準に上昇した。国内外の金融政策の先行きには引き続き注意を払いたい。
【日経平均】39069.68円↑(+282.30円)
【グロース250】642.45↑↑(+9.47)
【NYダウ】40003.59ドル↑(+134.21ドル、17日)
【ナスダック】16685.966→(-12.355、17日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
本決算通過で変化も、最新高配当株ランキング!
先週までに1~3月期の決算発表がほぼ終わった。今日は時価総額3000億円以上の大型株を対象に、最新情報を反映した配当利回りランキングを見てみよう。新年度の配当の増減や株価変動に伴い、本決算を通過した3月期決算企業の顔ぶれが変わっているため要チェックだ。
トップはSANKYOで、2025年3月期の1株当たり配当は年80円を予定(前期も株式分割考慮で80円)。配当利回りは5.2%となる。配当性向40%を目安とした業績連動型配当(ただし下限20円)を行っており、決算とともに公表した中期経営計画では2026年3月期に90円、2027年3月期に110円への増額を目指す。3位のアステラス製薬の2025年3月期配当は前期より4円多い74円。配当利回りは4.9%だ。
SANKYOは今期減益予想であり、アステラスは決算に先立ち前期業績の下方修正を発表(5月1日号コラム参照)。ともに足元の株価はやや軟調だが、配当利回りの高さは下支えとして機能しそうだ。担当アナリストらからは期待の声も根強くあり、事業環境に目配りしつつ中長期的な観点で押し目買いするのも一案だろう。
アステラスのほかに前期比で増配しているのは、6位のNOK(87.5円→100円)、7位のJFEホールディングス(100円→110円)、8位の武田薬品工業(188円→196円)だ。NOKはDOE(株主資本配当率)2.5%以上、JFEは配当性向30%程度、武田は累進配当(減配しない)の方針を掲げる。また、5位の日本製鉄はアステラスや武田とともに、NISA(少額投資非課税制度)口座で根強い人気がある。他の鉄鋼大手と比べ今期の減益幅は大きいが、配当は前期と同じ160円を維持する。
■SANKYO株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
米企業決算に注目、日本株は出遅れ解消なるか
先週の日経平均株価は+558.27円(+1.46%)。日銀が国債買い入れオペ(公開市場操作)を減額し、長期金利の上昇が重石になる場面もあったが、米国で4月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高が予想を下回り、インフレ懸念が後退。米主要株価3指数が史上最高値を更新する中、日本株も堅調な値動きとなった。
米国では企業決算に注目だ。21日(火)にはメーシーズなどの小売企業の決算が発表されるほか、23日(木)には5月の購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。最近の経済指標には弱さが見られており、小売決算とPMIの結果がともに悪いと、インフレの収束がいまだ途上である中、スタグフレーション(インフレと景気後退の同時進行)リスクへの警戒感が高まる恐れがある。また、22日(水)には半導体大手エヌビディアの決算も発表される。生成AI(人工知能)関連の銘柄では筆頭格とされ、市場への影響力も大きいだけに、足元の相場の勢いに弾みをつけることができるか注目だ。
日本では21日に行われる日銀の「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ第2回のほか、24日(金)の4月CPIに注目。米金利の上昇が一服している一方、国内金利は日銀による金融政策の早期修正観測を背景に高止まりしている。今週のこれらの材料をきっかけに政策修正観測がさらに高まる場合には、為替の円高が進行し、業績面で日本株の重石になる恐れがある。他方、決算発表が一巡し、保守的な業績見通しを嫌気した株価下落はいったん消化済み。日銀への思惑が高まらずに、米エヌビディアの決算も良好なものとなれば、半導体株の上昇をけん引役に日経平均株価も、5月以降の米国株対比での出遅れ解消に向けた動きが期待できそうだ。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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