【1】今日の株式相場早わかり!
金利低下でハイテク支援も景気敏感株に売り
日経平均株価は3日ぶり反落! 3日の米国市場で主要株価指数は高安まちまち。5月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が予想を下回り、長い年限を中心に金利が大きく低下。景気敏感株が売られた一方、ハイテク株には買いが入った。新しい人工知能(AI)向け半導体の投入計画が明らかになったエヌビディアは大幅高となった。今日の日経平均株価は下落してスタート。原油市況や金利の低下を背景にエネルギーや金融関連の銘柄が売られたほか、認証試験の不正行為が引き続き嫌気されたトヨタ自動車などの自動車株は円高も重石になった。一方、10年物国債入札で債券需要が確認され一段と長期金利が低下したこともあり、ハイテク株の一角は堅調だった。
個別では、アニメや和食などの関連産業の成長に向け、政府が支援策を打つ方針が伝わり、東映アニメーションやソニーグループなどの関連株が買われた。今晩の米国市場では4月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数や製造業受注が発表される。
【日経平均】38837.46円↓(-85.57円)
【グロース250】631.29↑↑(+14.63)
【NYダウ】38571.03ドル↓(-115.29ドル、3日)
【ナスダック】16828.670↑(+93.655、3日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
SHIFTなど中小型グロース株が大幅高
今日は久々に中小型グロース(成長)株に元気な姿が見られた。日米の長期金利の上昇が重石となっていたが、先週末から昨日にかけての米経済指標の結果を受けて米10年物国債利回りは大きく低下。急ピッチで上昇していた国内の長期金利も低下に転じてきている。まだ自律反発の域を出ていないとはいえ、中長期的には株価反発の余地が大きいと考えられ、視野を広げておきたい。
ソフトウエアの品質保証サービスを手掛けるSHIFTは利益進捗率の低さが嫌気され、決算後に売りが強まっていた。しかし、利益の伸び悩みは需要が急速に拡大してきている大型案件に対応できる人材を確保すべく、採用戦略を変更したことに伴う一時的な成長痛とみられる。一方、課題のプロフェッショナル人材の採用は順調に進んでいる上、会社の規模が大きくなっている中でも四半期売上高が30%近い成長率を維持している点は評価できる。業績の本格回復にはまだ時間がかかりそうだが、株価の調整には一巡感も出てきている。
VTuber(バーチャルユーチューバー)ビジネス企業のカバーは在籍VTuberあたりの収益が四半期毎にしっかり伸びていることに加え、収益源が配信やライブ・イベントからグッズ販売、プロモーション支援など、IP(知的財産)を活用した分野に広がっている。VTuber市場のポテンシャルは大きく、今後も高成長が見込まれることを考えると、株価収益率(PER)には割安感がある。
ギフティやアンビスホールディングス、JMDCなども独自のビジネスモデルや成長市場における高いシェアなどを強みに高成長を続けている。来週にかけての米経済指標や日米の金融政策決定会合の結果次第では、グロース株の復調が強まる可能性があり、しばらく注目しておきたい。
■SHIFT株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
日本の半導体株にまるっと投資できるETFが登場!
今日、2024年6月4日に「日経半導体株指数」に連動するETF「NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信」が東京証券取引所に上場した。ETFとは上場投資信託のこと。“上場”の名の通り、個別銘柄と同様に証券取引所に上場しており、取引時間中ならリアルタイムで値が動き売買できる点が通常の投資信託と異なる点だ。
「NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信」は「日経半導体株指数」に連動する投資成果を目指している。日経半導体株指数は、東京エレクトロンや信越化学工業など半導体に関連する30銘柄によって構成されており、このETF1つを買うだけで日本の半導体セクターの多くの銘柄を押さえることができる。ETFを運用する野村アセットマネジメントの縣清志常務は「半導体は日本でも海外でも大きな成長が見込まれる。その成長を狙う上では、このETFは最適な投資商品だ」と語った。
このETFをはじめ、2024年は様々な国やテーマに投資を行うETFが続々と上場している。株式やREITに投資するETFを下の表にまとめた。
「グローバルX 革新的優良企業 ETF」は、アップルやエヌビディアをはじめ世界を代表する優良企業15社で構成される指数に連動。「SMT ETF日本好配当株アクティブ」は日本株の中から予想配当利回りが高いと判断される銘柄に投資。アクティブ型なので、市場平均を超える成果を出すことを目指している。
6月12日にはNifty50に連動するインド株型のETFが上場予定だ。盛り上がるETFの今後に注目したい。
財前孝汰郎
ダイヤモンド・ザイ編集部
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