「勝者のゲーム」と資産運用入門

失態続くバイデン大統領と致命傷免れたトランプ氏。
市場は勝負ありと判断しトランプ・トレード始まる。
トランプ前大統領再当選後のマーケットを見極めよ!太田忠の勝者のポートフォリオ 第146回

2024年7月23日公開(2024年7月23日更新)
太田 忠
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失態続きのバイデン大統領は民主党内からも批判続出。撤退は必死か

 バイデン、バイデン、ヤバイデン。バイデン、ほんまに、ヤバイデン。もしトラ? ほぼトラ? まじトラ? 確トラ?!

 11月5日に投開票が行われる米国の大統領選挙。現職の民主党バイデン大統領か、共和党トランプ前大統領か、国民はどちらに米国の未来を委ねるのか。世界のリーダーはやはり今も米国であり、世界中が注目する選挙である。

 大統領選挙に先立って6月27日におこなわれた第1回目のTV討論会。バイデン氏の話を聴いて、トランプ前大統領はこう言った。「ちょっと何言ってるか、わからない」。おっ、サンドウィッチマンの冨澤たけしになっていると思いながら見ていると、続けてトランプ氏が「お前、自分で何言ってるのか、わかってないだろう」。おぉー、冨澤たけしより面白いことを言っている、と失礼ながら私は腹を抱えて笑った。

 バイデンvsトランプの初戦となるTV討論会はトランプ氏の勝利が67%という結果となった。そして、さらにヤバイデンとなるバイデン大統領のやらかし発言が続いた。ウクライナのゼレンスキー大統領をプーチン大統領と言い間違えたり(ヒョエー)、そして自分の側近中の側近であるハリス副大統領をトランプ副大統領と言い間違えたりしてしまった(ウッソー)。こりゃ、いかんわ。ほんまにヤバイデン。トランプ氏はすかさず自分のSNSに「ジョー、よくやった、イイ仕事しているよ。Great Job」と書き込み、その失態ぶりを揶揄した。漫画より面白いマンガの世界である。

トランプ氏は間一髪で致命傷を免れ、強運で大統領の椅子を引き寄せる

 そして、7月13日。ペンシルバニア州バトラーの農業ショー会場で開催された集会で、演説の最中にトランプ氏は銃撃を受けて右耳を負傷。本来なら銃弾に倒れて帰らぬ人となっていたはずだったが、ほんの一瞬演説データのスクリーンを見ようと振り返ったことで奇跡的に大惨事を免れた。

 負傷しても自ら立ち上がりシークレットサービスから何度も制止されたにも関わらず「私は大丈夫だ」と顔を血まみれのまま、拳を挙げて青空にはためく星条旗を背景に写った写真を皆さんもご覧になったと思うが、まさに歴史的瞬間だった。アメリカの真のリーダーは、どんなことにもくじけない、強運のトランプ。そう宣言した瞬間だった。

 「俺は立候補する」と言い張るバイデン氏に対し、民主党内は大混乱。この原稿を書いているのは7月19日の午前中だが、さすがにここへきてバイデン氏の撤退の可能性が高まったとの報道が増えてきた。もはや民主党はバイデン氏では戦えないだろう。近日中に大きな動きがあるものと思われる(バイデン氏は7月21日に撤退を表明)。

マーケットではトランプ・トレードが開始。急速な円高・ドル安が進む

 ところで、マーケットではすでにトランプ前大統領の再選を前提とした「トランプ・トレード」が始まっている。今のところ最も顕著なのは為替市場である。7月16日に公開されたトランプ氏のインタビューで、同氏は米国の製造業復活のためにドル高の是正を訴え、円の弱さを名指しで批判した。ドル円は一時161円台後半と約38年ぶりの円安・ドル高水準で取引されていたが、政府・日銀による為替介入が7月11日と12日に行われたことにより、157円台前半まで円高・ドル安が進行。そこから再び円売りで17日午前には158円台後半に押し戻されたが、18日の東京外為市場では一気に155.30円まで円高となった。

 円買いの主役は円キャリー取引のポジションの巻き戻しである。低金利通貨の円を借りて高金利通貨のドルで運用するのが円キャリー取引であるが、トランプ・トレードではこれまでのような手法は使えない。思いがけない円高になれば、為替差損で金利差収益は吹き飛んでしまう。荒い値動きが続けば、円キャリーは解消されやすい。もちろん円高の要因となる。

 年初の140円レベルから一直線に進んできた円安・ドル高の局面は終焉したと私は考えている。とは言うものの、思い出していただきたい。2016年秋にトランプ氏が大統領選に勝利した際、ドル円は1カ月ほどで105円台から118円台まで円安・ドル高に傾いた。当時もトランプ氏はドル高是正を唱えていたが、米国内での減税策など景気刺激的な政策方針に触発されたことでドルが買われて円が売られた。なので、話はそう単純ではない。

半導体株売り&ドル高是正のダブルパンチで日経平均株価は急落

 一方の株式市場。大規模減税や対中関税の強化、国内製造業の復活を掲げるトランプ氏の政策は米国市場にとってはプラスに働く。ちなみに前回の4年間の在任期間におけるS&P500指数は68%上昇した。これはクリントン政権の2期に次いで、過去50年間で3番目の上昇率だ。産業界からの支持が厚いトランプ氏が株高政策を採るとの期待も相場の下支えとなった。ところが、先週は相場の牽引役であった半導体関連株が大きく下げた。バイデン政権による「対中半導体規制でさらに厳しいルールを検討している」との報道に続いて、トランプ氏自身も「台湾は米国の半導体ビジネスのすべてを奪った」と発言をして冷や水を浴びせる恰好となった。

 7月18日の東京市場で日経平均株価は971円安と大きく下落したが、まさにトランプ・トレードによる半導体株売り&ドル高是正のダブルパンチで逆風を受けた形だ。トランプ・トレードでどのような銘柄が買われるか、売られるか、まだその実像は定まっていない。今後、いろいろと形を変えて刻々と変遷していくと思う。その辺りについては折に触れてコメントしていきたい。

 とにかく、暗殺未遂事件をきっかけに「米国の半分のためではなく、米国全体のために大統領選に立候補する」「分断をあおるのではなく、国をまとめ上げる指導者になる」という立場を表明したことでトランプ氏の再選が確実になってきた。トランプ・トレードは始まったばかりだ。

8月セミナーは超重要。テーマは「トランプ再選でマーケットはこう動く」

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。2大特典として毎月のWebセミナー開催とスペシャル講義を提供している。7月4日(木)20時より第31回Webセミナーを開催。テーマは『来たるべき金融相場での投資戦略』。大事なお話をたくさんした。来たるべき金融相場でどう戦うのか? 今後の投資戦略の重要な指針となる。次回は8月8日(木)20時より開催予定だ。テーマは『トランプ大統領再選でマーケットはこう動く』。すでに私の方では読み筋ができている。できるだけ多くの皆さまにご参加いただきたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能だ。

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●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

 

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