東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は8日続落となりました。76円安の37,792円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで200円安の37,668円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すとプラスに転じ11時10分過ぎに236円高の38,105円まで上昇し188円高の38,057円で前場を終えました。
215円高の38,084円でスタートした後場の日経平均は伸び悩むとマイナスに転じ引けにかけて下げ幅を広げると、引け間際に258円安の37,611円まで下落し結局202円安の37,667円で取引を終えています。
一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算を発表し市場予想を上回る増益となった銘柄に大幅高となるものがみられました。富士通(6702)は主力のIT(情報技術)サービスが伸びたことなどにより、前期に19億円近い赤字だった第1四半期の営業損益が213億円を超す黒字に転換し、市場予想を上回ったことから一時11.8%高となり年初来高値を更新しました。
日野自動車(7205)も海外で製品の価格を引き上げたことや、円安の効果もあり第1四半期の営業利益が前年同期比5.6倍となり、市場予想を上回ったことで一時16.8%高となりました。
野村総合研究所(4307)もサイバー攻撃などに対するセキュリティー対策の事業が好調で第1四半期の営業利益が前年同期比20.8%増となり市場予想を上回ったことから一時10.4%高となったほか、富士電機(6504)も新紙幣対応に伴うつり銭機や自動販売機の改修業務などが利益を押し上げたことにより第1四半期の営業利益が前年同期比17.7%増となり市場予想を上回ったことから一時4.8%高となっています。
キヤノン(7751)も一時9.9%高となり年初来高値を更新しました。オフィス向け事務機などの「プリンティング」事業や、デジタルカメラなどの「イメージング」事業が伸びるとみられることに加え、想定レートを円安方向に見直したこともあり通期の営業利益の見通しを4350億円から4650億円に上方修正したことで大幅高となりました。
一方でアマノ(6436)が一時10.7%安となりました。新紙幣発行に合わせて駐車場の精算機器などのシステムを入れ替える需要が増えたことなどにより第1四半期に営業利益は前年同期比13.6%増となりましたが、市場予想を下回ったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は202円安となりました。米ハイテク株安を受けて売りが優勢となりました。自律反発狙いの買いが入りプラスとなり節目の38,000円を回復する場面もありましたが、38,000円を上回ったところでは上値が重く伸び悩むと結局200円を超す下落となりました。
そのため警戒ムードは依然として強いといえそうで、来週は日銀の金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)、決算発表などイベントが目白押しとなるなかで下落基調に歯止めをかけることができるかがポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後にはエムスリー(2413)や信越化学工業(4063)、日立建機(6305)、SCREENホールディングス(7735)、日東電工(6988)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分に米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視している6月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、23時には7月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。さらに26日の米国ではスリーエム[MMM]などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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