【1】今日の株式相場早わかり!
日銀副総裁「ハト派」発言で安心感
日経平均株価は大幅続伸! 前日の米国市場で主要株価指数は揃って反発。日本株が急反発したことで世界的な株安連鎖への警戒感が後退した。また、建機大手キャタピラーの良好な決算も安心感につながった。一方、前日に過去最大の上げ幅(+3217.04円)となった日経平均株価は戻り待ちの売りから反落して始まると、下げ幅は一時900円を超えた。一方、日銀の内田真一副総裁による「金融資本市場が不安定な状況で、利上げすることはない」との発言が伝わると、円安が進む中で大きく買われ、3万5000円台を回復。ただ、終盤にかけては失速する展開となった。
個別では、三井住友フィナンシャルグループなどの銀行株のほか、三井物産などの商社株が大きく上昇した。ソニーグループが取引終了後に発表した2025年3月期第1四半期(4~6月)営業利益は前年同期比10.3%増の2791.06億円と市場予想並み。通期営業利益予想は1兆2750億円から1兆3100億円へと市場予想並みにまで上方修正した。今晩の米国市場では、ウォルト・ディズニーなどが決算発表を予定している。
【日経平均】35089.62円↑↑(+414.16円)
【グロース250】551.37↑↑(+17.58)
【NYダウ】 38997.66ドル↑(+294.39ドル、6日)
【ナスダック】16366.855↑↑(+166.773、6日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
注目決算、ソフトバンクやニチレイ、ダイキン
足元で相場が急速に回復している。ただ、依然として不安定な相場が続く可能性も十分にある。マーケットが再び不安定な局面に陥ろうが、このまま落ち着こうが、いずれによせ、好決算を発表した銘柄に対する相対的な安心感は強いだろう。今日も引き続き発表が本格化している4~6月期決算を確認していこう。
ソフトバンクの2025年3月期第1四半期(4~6月期)決算は前年同期比23.4%増の3039億円と市場予想を大きく上回り、通期計画に対する進捗率は33.8%と好発進となった。メディア・EC事業が好調だったほか、成長期待の高いPayPayが四半期ベースで初の営業黒字を達成したファイナンス事業も大きく伸長。コンシューマー事業も前期下期からの改善基調が続いた。
ニチレイも、第1四半期(4~6月)営業利益が20.4%増と市場予想を上回る好発進となり、通期業績予想を390億円から405億円へと上方修正した。冷凍食品をはじめとした家庭用・業務用調理品の販売が好調だった上、値上げ効果が寄与。円安トレンドが一服したことで、今後は円高によるコスト低下も期待される。仮に再び円安に振れても、積極的な値上げ対応で収益性の改善に意欲を示してきた同社であれば、大きな懸念は不要だろう。
丸井グループも市場予想を上回る好スタートを切った。クレジットカード手数料やテナント賃料などストック型収益が全体の7割を占めており、業績に安定感があることも特徴だ。ニチレイはディフェンシブ株、ソフトバンクや丸井Gは配当利回りが4%台後半の高配当株として、それぞれ外部環境が不透明な中、相対的に選好されやすい点も注目できるだろう。なお、ダイキン工業の第1四半期業績は、会社計画は上回ったものの市場予想を下振れた。欧州を中心に事業環境は依然として厳しいようだ。
■ソフトバンク株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
相場下落を加速? 「恐怖指数」や「追い証」に注目
(ご質問)
急激な円高に伴い株価が大きく値下がりしました。こんな時によく聞く「恐怖指数」や「狼狽売り」とはどういうもので、株価にどのような影響があるのか知りたいです。
(答え)
相場急落が更なる売りを招くことも…「恐怖指数」に絡んだ動きや、「追い証」発生による処分売りを見てみましょう!
たびたび「恐怖指数」として取り上げられるのは、株価の変動性指数である米国の「VIX指数」や日本の「日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)」です。日経平均VIとは「日経平均株価が将来1カ月でどれくらい変動するかを推定した数値(日本取引所グループ)」であり、デリバティブ(金融派生商品)の一種であるオプション価格などを利用して算出。日経平均株価が大きく下落すると、日経平均VIは急上昇します。日経平均株価が過去最大の下落(-4451.28円)を記録した今週5日、日経平均VIは節目の20を大幅に上回る70.69(+41.25)となりました。
VIX指数や日経平均VIの上昇は市場参加者が先行きへの警戒感を強めていることを示す上、一部の投資家はこれらの指数を保有資産のリスク量(資産配分)の調整に用いています。そのため、これら指数の上昇がリスク削減の売りにつながり、更なる株価下落を招くケースもあるのです。
また、信用取引で買った株が値下がりしたりすると、証券会社に預けている担保の価値が不足し、追加の保証金(追い証)を差し入れる必要があります。このように追い証が発生した投資家の処分売りも、相場下落を加速する一因です。市場全体の信用買い残(東名2市場、制度・一般合計)は7月26日申し込み時点で4兆9808億円とおよそ18年ぶりの水準に膨らんでいたので、処分売りの余地が大きかったと言えるでしょう。
(ザイアナリスト 小林大純)
■日経平均ボラティリティー・インデックスチャート/日足・6カ月
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