東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。443円安の34,645円で寄り付いた日経平均は9時50分前に882円安の34,207円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると11時20分過ぎにプラスに転じ58円高の35,148円で前場を終えました。
181円高の35,271円でスタートした後場の日経平均は直後に290円高の35,379円まで上昇しました。しかし、買いが続かず伸び悩むとマイナスに転じ結局258円安の34,831円で取引を終えています。
一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算を発表したソニーグループ(6758)が一時4.6%高となりました。ゲームや音楽などエンターテインメント関連が堅調に推移していることなどから1兆2750億円とみていた通期の営業利益の見通しを1兆3100億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ0.1%安で取引を終えています。
同じく第1四半期決算を発表したいすゞ(7202)やニトリホールディングス(9843)も買われました。いすゞは円安や製品の値上げが寄与し第1四半期の営業利益が前年同期比で12.1%増となったうえ、自己株式を除く発行済み株式総数の6%にあたる4500万株、750億円を上限とした自社株買いを発表したこともあり一時11.9%高となりました。
ニトリホールディングスも家具やインテリアの販売が好調だったことで1四半期の営業利益が前年同期比で4.6%増となり、市場予想を上回ったことで一時9.7%高となりました。
本決算を発表したレーザーテック(6920)も22.6%上昇しストップ高となりました。最先端半導体の製造に使う検査装置の販売が伸びると見込まれることなどにより2025年6月期の営業利益が前期比で27.8%増となる見通しを示したことから買いを集めました。
一方で第1四半期決算を発表した住友金属鉱山(5713)や太陽誘電(6976)が大幅安となりました。住友金属鉱山は銅や金の市況が好調に推移したことなどから560億円とみていた通期の純利益の見通しを730億円に上方修正しましたが、市場予想を大きく下回ったことで一時10.1%安となり年初来安値を更新しました。
太陽誘電も積層セラミックコンデンサー(MLCC)の販売がデータセンター向けに伸びたことなどにより第1四半期の営業損益が26億円の黒字に転換しましたが、市場予想に届かなかったことで一時15.9%安となりました。
資生堂(4911)も15.5%下落しストップ安となり年初来安値を更新しました。中国や免税品向けの化粧品の売り上げが振るわず上期のコア営業利益が前年同期比で31.3%減となったことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は258円安となりました。昨日の米国市場が米長期金利の上昇を受けて反落となったことで売りが先行すると、ドル円の円高方向への動きに歩調をあわせる格好で下げ幅を広げ一時は880円以上下げる場面もありました。
しかし、その後ドル円が円安方向に振れたことで下げ渋るとプラスに転じ一時290円高となる場面もあり、日中の値幅は1,100円以上となりました。そのため引き続き荒い値動きが続いているといえそうで、当面はドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。
なお、決算発表が続いています。本日も引け後にリクルートホールディングス(6098)や東京エレクトロン(8035)、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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