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今週の日経平均株価は、日米金利差縮小に伴うポジション調整の
売りが加速し、週末には3万6000円を割り込む展開に
今週(7月29日〜8月2日)の日経平均株価は波乱の相場展開となり、最終的に先週末に比べて1757.71円(4.67%)安い3万5909.70円で終えました。
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日経平均株価は前週末(8月26日)まで8営業日続落で約3600円下げましたが、26日の米国市場でハイテク株が買われた流れを引き継ぎ、週明け29日は800円を超える上昇で始まりました。
翌7月30日は、日銀の金融政策決定会合と米・連邦公開市場委員会(FOMC)という2つの重要イベントを前に様子見ムードが広がるなか、値動きの少ない膠着した相場展開でした。
そして7月31日の日銀の金融政策決定会合では「0.25%の利上げ」が決定。発表後の初動の反応で売られる形となり、一時3万8000円に接近する場面も見られました。ただ、その後「バイデン政権が新たな対中半導体輸出規制において、日本や韓国、オランダを除外へ」との報道で伝わったことから、東京エレクトロン(8035)など半導体株の一角が急伸し、31日の日経平均株価は終値で3万9000円を回復しました。
しかし、日本時間で7月31日の深夜、米・FOMCが予想通りに政策金利を据え置いたものの、米・連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がFOMC後の会見で「9月の利下げ」を示唆。その影響から日米金利差の縮小への思惑が広がり、ドル/円相場は一時1ドル=148円台と3月以来、約4カ月半ぶりの円高水準に。その結果、これまで円安による日本株の上昇を狙って積み上がっていたポジションを圧縮する動きが強まり、8月1日の日経平均株価は900円を超える急落となりました。
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週末の8月2日は、引き続き日米金利差縮小の見方が広がり、円高を嫌ったポジション調整の売りが加速したことで、下落幅としては歴代2位となる2200円超の急落で、一気に3万6000円を割り込みました。売りを仕掛けてくる動きであれば買い戻しも入りやすいのですが、ポジションを解消していることから底入れが見極めにくくなっています。インデックスに連動しているファンドによる売りのほか、先回り的に先物を売る動きなども、さらに下げ幅を大きくしたようです。
来週は、日経平均株価の積極的な買いの動きが限られるなか、
予想を上回る決算や上方修正を発表した個別銘柄の物色に期待
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万5000 ~ 3万8000円
来週(8月5〜9日)の日経平均株価は、今週に引き続き不安定な相場展開となりそうです。
日経平均株価は、8月2日の急落によって200日移動平均線や52週移動平均線を割り込みました。日足のボリンジャーバンドでも「−3σ」に近づいてきたことから、テクニカル面では“売られ過ぎ”が意識されやすい水準と言えます。
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ただし、日米金利差の縮小による円高トレンドがある程度落ち着いてくるのを確認するまでは、値ごろ感からの買いは限られそうです。急ピッチの下落に対する自律反発狙いの買いもあると思いますが、積極的にポジションを積み上げる動きは限定的でしょう。
一方、不安定な相場環境のなか、予想を上回る決算や上方修正を発表した企業への物色が見られます。8月1日は日経平均株価が大きく下げるなか、上方修正を発表したアドバンテスト(6857)が大幅に続伸。2日も全面安のなかでコナミグループ(9766)や日本ハム(2282)、日本製鉄(5401)などには決算評価からの買いが入りました。決算発表シーズンがピークを迎えるなか、決算を手掛かりとした個別物色の流れになりそうです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
ビート・ホールディングス・リミテッドが
+59.18%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはビート・ホールディングス・リミテッド(9399)で、ストップ高を交えた上昇となりました。明確な材料は確認できませんでしたが、7月30日に主要株主の異動を発表しており、材料視されたようです。
値上がり率2位のモダリス(4883)は、先週7月24日に米国・ボストンで開催される第16回バイオプロセスサミット(8月19~22日)において、「MDL-101」の筋肉特異的改変型AAVベクター製造開発データの発表を行うことを開示しており、今週もそれを材料に買われました。
値上がり率3位のオンコセラピー・サイエンス(4564)は7月30日、ワクチン「S-588410」の食道がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験結果の論文を公表し、これが材料視されました。
一方、今週の値下がり率ランキング1位はメタプラネット(3350)でした。7月26日に暗号資産などの専門メディアであるBitcoin Magazineと覚書を締結し、Bitcoin Magazine Japanの独占運営権を取得したと発表したことが材料視されて上昇。しかし今週は、7月31日を基準日として10株を1株に併合しており、権利落ち日に売られました。
値下がり率2位のWASHハウス(6537)は7月19日、新たな事業として移設可能なコンテナを活用したコンテナ型セルフランドリー店舗の展開を行うとの発表を手掛かりに、先週はストップ高を交えての強い上昇が続きました。しかし今週に入って、これまでの上昇に対する反動の動きとなり、換金売りが強まりました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +59.18 | ビート・ホールディングス・リミテッド(東S・9399) |
2 | +41.05 | モダリス(東G・4883) |
3 | +40.00 | オンコセラピー・サイエンス(東G・4564) |
4 | +36.11 | ぷらっとホーム(東S・6836) |
5 | +35.56 | ビリングシステム(東G・3623) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −64.66 | メタプラネット(東S・3350) |
2 | −38.63 | WASHハウス(東G・6537) |
3 | −32.15 | LITALICO(東P・7366) |
4 | −28.67 | Chordia Therapeutics(東G・190A) |
5 | −26.63 | トラース・オン・プロダクト(東G・6696) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 981,649,400 | NTT(東P・9432) |
2 | 695,380,800 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
3 | 607,836,700 | ランド(東S・8918) |
4 | 488,428,700 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(東P・8306) |
5 | 413,641,900 | ソレイジア・ファーマ(東G・4597) |
【来週の主要イベント】
米国のISM非製造業、欧州の小売売上高、ソフトバンクグループや
東京エレクトロン、三菱重工業などの決算に注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<8月5日(月)>
◆決算:伊藤忠商事(8001)、デサント(8114)、オリックス(8591)
◆日銀金融政策決定会合議事要旨
◆中7月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
◆独7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆英7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧6月卸売物価指数(PPI)
◆米7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆米7月総合購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆米7月ISM非製造業景況指数
<8月6日(火)>
◆決算:ダイキン工業(6367)、三菱重工業(7011)、NTTデータグループ(9613)
◆6月全世帯家計調査/消費支出
◆英7月英小売連合(BRC)小売売上高調査
◆独6月製造業新規受注
◆欧6月小売売上高
◆米6月貿易収支
◆決算:アゼンタ(AZTA)、キャタピラー(CAT)、アイロボット(IRBT)
<8月7日(水)>
◆決算:資生堂(4911)、ソフトバンクグループ(9984)
◆6月景気先行指数/一致指数速報値
◆中7月貿易収支
◆独6月貿易収支
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米6月消費者信用残高
◆決算:ビヨンド・ミート(BYND)、ウォルト・ディズニー(DIS)
<8月8日(木)>
◆決算:バンダイナムコホールディングス(7832)、東京エレクトロン(8035)
◆6月国際収支/経常収支/貿易収支
◆7月景気ウオッチャー調査
◆独6月鉱工業生産
◆米6月卸売売上高
<8月9日(金)>
◆決算:三越伊勢丹ホールディングス(3099)、岩谷産業(8088)
◆中7月生産者物価指数(PPI)
◆中7月消費者物価指数(CPI)
◆独7月消費者物価指数(CPI)改定値
【来週の注目銘柄】
「日東紡績」「良品計画」「オービック」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
日東紡績(2024年8月2日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
ガラス・土石製品 | 東P・3110 | 5270円 | 18.2倍 | 1.57倍 |
2025年3月期の業績予想の上方修正を発表 8月1日に2025年3月期の業績予想の修正を発表。売上高を1040億円から1090億円、営業利益を125億円から150億円に上方修正しました。第1四半期は高付加価値品の販売が好調に推移しており、なかでも電子材料事業ではAIサーバー向けの旺盛な需要が続いたことで、低誘電特性を持つスペシャルガラスや、半導体パッケージ基板向けの低熱膨張特性を持つスペシャルガラスの販売が好調でした。株価は、5月29日につけた7480円をピークに調整が続き、8月1日には大幅続落で52週移動平均線近くまで下落。しかし、リバウンドが意識されやすい水準まで下落したことに加え、上方修正が好感されたことから、2日は買われる場面も見られました。13週・26週移動平均線突破を想定したスタンスで。 |
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良品計画(2024年8月2日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
小売業 | 東P・7453 | 2538.5円 | 18.6倍 | 2.15倍 |
値上げによる利益率改善と円高による業績アップに期待 7月12日に2024年8月期の業績予想の修正を発表。売上高を6400億円から6600億円、営業利益を480億円から530億円に上方修正しました。第3四半期決算は、国内事業においてスキンケアや日用消耗品などの生活雑貨が牽引し、既存店の売上が想定を上回りました。7月22日に「無印良品」で販売する菓子類などの41品目を9月20日から値上げすると発表しており、値上げ率は平均で20%前後となるようです。値上げによる利益率改善のほか、最近の円高進行を受けた業績アップが期待されます。株価は、8月2日の下げで下値支持線として意識されていた13週移動平均線を割り込み、26週移動平均線に接近しています。年初以降は26週移動平均線が下値支持線として機能していることから、押し目狙いのタイミングと言えそうです。 |
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オービック(2024年8月2日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
情報・通信 | 東P・4684 | 2万2500円 | 31.4倍 | 4.90倍 |
業績好調のなか、9月30日に株式分割を実施 7月24日に発表した2025年3月期・第1四半期の業績は、売上高が前年同期比6.2%増の287億8100万円、営業利益が同7%増の186億4800万円でした。システムサポート事業において、クラウドソリューションを中心にソフトウェアとハードウェアの「運用支援・保守サービスなど」が好調に推移。また、システムインテグレーション事業においては、付加価値の高い「OBIC7シリーズ」のシステム構築の売上が、大手企業を中心に堅調に推移しました。さらに、第1四半期決算と同じ7月24日に、9月30日を基準日として「1株⇒5株」の株式分割を行うことも発表しており、最低投資額が従来の5分の1になることで新たな投資家層を囲い込むことが見込まれます。株価は、7月以降の上昇で13週・26週移動平均を突破し、52週移動平均線をとらえてきました。52週移動平均線の突破から、1月につけた年初来高値の更新が意識されます。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒【日本株】割安感がある「高配当株」2銘柄! 今期は減益予想も来期は業績回復が見込める配当利回り5.5%の「新家工業」と、利回り4.6%の「帝国通信工業」に注目!
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