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世界は利上げサイクルから利下げサイクルへ反転。金利低下局面では新興国市場のパフォーマンスが良い傾向がある。その4つの重要な要因とは?

2024年9月12日公開
ポール・サイ
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世界は利上げサイクルから利下げサイクルへ反転。金利低下局面では新興国市場が好パフォーマンスを上げる傾向

 市場が予想する各国の2024年末政策金利は、米国が5.5~4.3%、英国が5.0~4.5%、カナダが4.5~3.8%、ユーロ圏が3.8~3.0%、豪州が4.4~4.1%、スウェーデンが3.5~2.6%、スイスが1.3~0.7%です。

 世界は利上げのサイクルから、利下げのサイクルに入っています。

 中国も不景気などで、利下げのサイクル、景気刺激策を実施するサイクルに入っています。

 金利が低下する環境では、世界の金融市場にさまざまな影響が及びます。その中でも、新興国市場は一般的にこのような環境下で、より良いパフォーマンスを示す傾向があります。

[参考記事]
現在の世界経済を取り巻く環境は複雑だ。ジャクソンホール会議でのパウエル議長発言により、米利下げが既定路線に。その恩恵を受ける国はどこか?

金利低下局面で新興国市場が好パフォーマンスを上げる4つの重要な要因とは?

 そこには、次のようないくつかの重要な要因があります。

(1)資金流入の増加

 金利が低下すると、投資家はより高いリターンを求めて、相対的にリスクの高い資産へ資金を移す傾向があります。

 新興国市場は、多くの場合、成長の可能性が高く、リターンが高いと見られています。そのため、低金利環境では、新興国市場に対する資金流入が増加し、株式市場や債券市場が活発になります。

(2)通貨価値の安定化

 金利が低いと、先進国の通貨(特に米ドル)の価値が相対的に下がる可能性があります。それによって、新興国通貨は値動きが安定するか、上昇することがあります。

 通貨価値の安定は、輸入コストの削減やインフレの抑制につながり、新興国経済にとってプラス要素となります。

(3)融資コストの低減

 低金利環境では、企業や政府が資金調達を行う際のコストが下がります。新興国企業は、成長資金をより安価に調達することができ、事業拡大や設備投資を積極的に進めることができます。

 これにより、新興国の経済成長が加速し、それが株式市場のパフォーマンス向上につながります。

上場インデックスファンド海外新興国株式 月足上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)(1681)/月足・10年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます

(4)商品価格の上昇

 新興国の多くは、原材料や商品(コモディティ)の輸出に依存しています。低金利環境は、米ドル建てでの商品価格上昇をもたらしやすく、これは多くの新興国の輸出収入の増加につながります。

 これにより、貿易収支が改善し、それが経済成長の後押しになります。

まとめ──金利低下局面では、新興国市場に注目することが投資戦略の1つとして有効

 金利が低下する環境では、複数の要素が重なり合って、新興国市場を成長軌道に乗せることになります。

 資金流入の増加、通貨価値の安定、融資コストの低減、商品価格の上昇などが、新興国市場のパフォーマンスを支える要因になります。

 したがって、金利低下が継続する局面では、新興国市場に注目することが投資戦略の1つとして有効と言えるでしょう。

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。

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