株式レポート

(朝)米国市場は高安まちまち ナスダックは史上最高値を更新 日本市場は米ハイテク株高を受けて上昇してのスタートか - 市況概況

10月30日 8時4分
マネックス証券
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【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,233.05  ▼154.52 (10/29)
NASDAQ: 18,712.75  △145.56 (10/29)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。64ドル安でスタートしたダウ平均は、寄り付き後軟調に推移するも、午前10時発表の米コンファレンスボード消費者信頼感指数(10月分)が市場予想を上回ったことで、景気の楽観的な見方が広がり、上昇に転じました。一時は104ドル高まで上昇しましたが、同時に発表されたJOLTS求人件数が市場予想を下回り、今週末に控える雇用統計を前に米労働市場が減速しているとの懸念からすぐに下落に転じました。その後は、一進一退で推移し、引けにかけてはやや売られ、結局ダウ平均は154ドル安(-0.36%)で取引を終えました。一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、今週控えるハイテク決算への期待も根強く145ポイント高(+0.78%)の18,712ポイントで取引を終え、史上最高値を更新しました。また、S&P500株価指数は、9ポイント高(+0.16%)の5,832ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

9月の米JOLTS求人件数は、744.3万件と市場予想の800.0万件を下回りました。10月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は108.7と、前回結果の99.2と市場予想の99.5を上回りました。また、8月のS&Pケースシラー住宅価格指数(20都市)は、前年比+5.20%と、前回結果の+5.93%からは低下しましたが、市場予想の+4.85%は上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は、全11業種のうちコミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が上げ、いずれも1%以上上昇しました。一方で、9業種が下げ、なかでも公益事業は2%超下落、エネルギーは1%超下落、生活必需品と不動産も1%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では7銘柄が上昇し、セールスフォース・ドットコム[CRM]やボーイング[BA]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、マイクロソフト[MSFT]が1%以上上昇しました。一方で、23銘柄が下落し、なかでもホームセンターのホーム・デポ[HD]は、住宅建設会社のディーアール・ホートン[DHI]が急落したことを受け、連れ安で2%近く下落しました。そのほか、コカ・コーラ[KO]やトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、シェブロン[CVX]などが1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、「Vans」や「The North Face」などのブランドを所有するアパレル企業のVF[VFC]が、第2四半期決算で売上高とEPSがともに市場予想を上回り、27.0%上昇しました。また、半導体設計ソフトウェアを提供するケイデンス・デザイン・システムズ[CDNS]も、第3四半期決算で売上高とEPSが市場予想を上回ったほか、通期見通しを引き上げたことで、12.5%上昇しました。検索エンジン「Google」を運営するアルファベット[GOOG]は、引け後に第3四半期決算を発表し、売上高とEPSが市場予想を上回ったことで、時間外取引で上昇しています。一方で、住宅建設会社のディーアール・ホートンは、第4四半期決算で売上高が前年同期と市場予想を下回り、7.2%下落しました。また、デジタル決済サービスを提供するペイパル・ホールディングス[PYPL]は、第3四半期決算でEPSは市場予想を上回ったものの、予想を下回るガイダンスが嫌気され、4.0%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い4.25%となりました。ドル円は153円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国ハイテク株の上昇を受けて、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は、節目となる39,000円を回復した後、その水準を維持できるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)

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