・ナスダック最高値やアルファベットの決算を受け日経平均は3万9000円回復!
・決算発表が本格化、山崎製パンや四国電力が急伸!
・コラムは東証の取引時間延長を詳しく解説
【1】今日の株式相場早わかり!
ナスダック最高値で3万9000円回復
日経平均株価は3日続伸! 29日の米国市場で主要株価指数は高安まちまち。決算を受けた住宅建設株の急落に加え、生活必需品が売られNYダウは反落。一方、大型ハイテク株が買われ、ナスダック総合指数は3カ月半ぶりに最高値を更新した。今日の日経平均株価は3万9000円を回復して始まると午後には一時500円超まで上げ幅を拡大。取引終了後に発表された米アルファベットの決算が予想を上回ったこともあり、ハイテク株への買いが相場をけん引した。
エレマテックとNECネッツエスアイはそれぞれ親会社からの株式公開買い付け(TOB)が発表された。米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の決算は予想を下回ったが、日本電子の業績上方修正が引き金となったか、好決算後の動きが鈍かったディスコが急伸。取引終了後に発表されたアドバンテストの2025年3月期上期(4~9月)決算は、営業利益が前年同期比2.7倍と市場予想を大きく上回った上、業績上方修正と自社株買いも発表した。今晩の米国市場ではマイクロソフトなどの決算発表が予定されている。
今日のコラムでは来週からの「東証の取引時間延長」について詳しく解説している。重要な情報であるため、ぜひチェックしてほしい。
【日経平均】39277.39円↑(+373.71円)
【グロース250】625.76↑(+3.22)
【NYダウ】42233.05ドル↓(-154.52ドル、29日)
【ナスダック】18712.748↑(+145.559、29日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
森”でなく“木”を! 山崎製パンは値上げ評価
国内企業の7~9月期決算の発表が本格化してきた。衆院選後の日本株の上昇が続いているが、引き続き世界経済・政治を巡る不透明感は強く、株式市場全体の“森”ではなく個々の企業である“木”を見極めていくことが重要だろう。
山崎製パンの2024年12月期第3四半期累計(1~9月)決算は、営業利益が前年同期比39.2%増だったが、四半期ベースでは増益率の鈍化が続き、市場予想も下回った。しかし、株価は大幅高で今日の東証プライム上昇率3位に。好感されたのは値上げだ。来年1月1日出荷分から一部製品で平均5.6%の値上げを行うと発表し、来期以降の業績期待が高まった。株価は2月高値から4割近く下落していたこともあり、見直し買いが入りやすかった。今日の急伸を受けてもPERは16倍台と割高感は乏しい。
キーエンスの2025年3月期上期(4~9月)決算は、営業利益が11.1%増と市場予想を超過。営業利益率が改善し、地域別売上高は円安効果を除いても国内外で堅調。配当予想は増額修正した。FA(Factory Automation)関連株の中では引き続き相対的に安心感の強い決算だった。四国電力の上期決算は電力販売の好調などで市場予想を上回った上、通期計画を大幅に上方修正した。ROEや配当利回りを考慮するとPBRには割安感があり、生成AI普及に伴う電力需要拡大による電力株への注目度の高さなども踏まえると、引き続き投資妙味がありそうだ。
コマツは通期計画を上方修正も、円安効果が大きく実態は弱い。市場予想も下回っている。鉱山機械が堅調な一方、一般建機が軟調だった。ただ米国では利下げがはじまり、今後は緩やかに回復基調に入る見込みのもよう。NECはサプライズに乏しかったものの、国内ITサービスの受注が好調で安心感のある決算だった。
■山崎製パン株価チャート/日足・6カ月
【3】水曜連載「投資の疑問に答えます」
東証の取引時間延長、どう変わる?
(ご質問)
東証の取引時間が延長されると目にしました。具体的にどう変わるのか、また取引にどう影響するのか教えてください。
(答え)
来週から取引は15時30分までとなります。新たに導入される「クロージング・オークション」や、企業の決算発表時間も要チェック!
現在、東証での株の取引(立会内取引)は15時までですが、11月5日以降は15時30分までとなります。ただし、都度売買が成立する「ザラバ取引」は15時25分までで、「クロージング・オークション」という制度を導入。15時25分から30分までの5分間は注文を受け付けるものの、売買が成立しない「プレ・クロージング」という時間になります(この間は取引開始前と同様に注文状況を示す「板情報」を配信)。それらの注文をまとめ、(寄り付きと同じ「板寄せ」で)終値が決まる仕組みです。
日本の取引終了時間が早朝~日中に当たる欧州やアジアを中心に、海外からの取引を呼び込むことが期待できそうです。もちろん、国内の投資家にとっても売買機会が増えることに。そもそも日本は海外と比べ取引時間が短く、今回の延長には国際競争力を高める狙いがあります。また、「クロージング・オークション」の導入は終値形成の透明性を向上させることが目的です。ただ、30分程度の延長では取引の活発化は限られるといった見方や、「クロージング・オークション」の導入が日中取引の減少につながるといった見方も。実際の影響のほどは、新制度が施行されてから判断する必要があるでしょう。
また、これまで取引終了後に決算発表していた企業の動向にも注意が必要です。東証によれば、2025年3月期第1四半期決算短信を15時~15時29分に開示し、第2四半期決算短信を11月5日以降に開示する予定の企業のうち、4割超が同時間帯にとどまる方針。一方で5%強が14時59分までに前倒し、約3割が15時30分以降に後ろ倒しするとのことです(10月3日時点)。今シーズンは取引時間中の15時頃に決算発表し、株価が大きく動く銘柄が多いかもしれません。それと、東証は決算の速やかな開示を要請しており、今後前倒しする企業が増えていく可能性があります。
(ザイアナリスト 小林大純)
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