株式レポート

(朝)昨日の米国市場は主要3指数揃って反落 米大統領選挙を目前に控え持ち高調整 日本市場は本日から取引時間が30分延長 - 市況概況

11月5日 8時30分
マネックス証券
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【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 41,794.60  ▼257.59 (11/4)
NASDAQ: 18,179.98  ▼59.93 (11/4)

1.概況

先週末の米国市場は主要3指数が揃って上昇しました。寄り付き前に発表された10月の米雇用統計でNFP(非農業部門雇用者数)は1.2万人増と市場予想を大きく下回り、過去2ヶ月分も下方修正されました。一方、失業率は4.1%で市場予想通り横ばいでした。また、NFPの下振れはハリケーン被害やボーイングのストライキによる一時的な影響といった面もあり、米経済が堅調との見方に変化はなく、ダウ平均は106ドル高で取引を開始しました。午前10時発表のISM製造業景気指数も予想を下回り、雇用統計の結果とあわせて、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待が強まりダウ平均は一時562ドル高まで上昇しました。また、前日に好決算を発表したアマゾン・ドットコム[AMZN]やインテル[INTC]の大幅高も相場を押し上げました。しかし、午後にかけては米大統領選やFOMC(米連邦公開市場委員会)を目前に控えるなか、長期金利上昇が重しとなり上げ幅を縮め、ダウ平均は最終的に288ドル高(+0.69%)で取引を終えました。また、S&P500は23ポイント高(+0.40%)、ナスダック総合は144ポイント高(+0.80%)で取引を終えました。

昨日の米国市場は主要3指数が揃って反落しました。寄り付き前に主要な経済指標がないなか、ダウ平均は47ドル安でスタートしました。その後も大統領選前の持ち高調整の売りや原油高が重しとなり、一時404ドル安まで下げ幅が拡大しました。また、バークシャー・ハサウェイ[BRK]がアップル[AAPL]を追加売却していたと報じられ、アップルが下落し相場を押し下げました。売りが一巡した後は買い戻しも見られましたが、終日軟調に推移し、結局ダウ平均は257ドル安(-0.61%)の41,794ドルで取引を終えました。またS&P500株価指数は16ポイント安(-0.28%)、ナスダック総合は59ポイント安(-0.32%)で取引を終えています。

2.経済指標等

先週末に公表された10月の米雇用統計では、NFPは1.2万人増と市場予想と前回結果を大きく下回りました。一方で、失業率は4.1%となり前月から横ばいで市場予想と一致しました。また、平均時給は前月比0.4%となり、市場予想と前回結果を上回りました。10月の米ISM製造業景気指数は、46.5となり市場予想と前回結果を下回りました。昨日は主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数では、全11業種のうち一般消費財・サービス、情報技術、ヘルスケアなど5業種が上昇し、なかでも一般消費財・サービスは2%を超える上昇率を記録しました。一方、6業種が下落し、公益事業が2%以上の下落を見せたほか、不動産も1%以上の下落となりました。昨日の業種別S&P500株価指数では、11業種中4業種が上昇し、エネルギーと不動産が1%以上上昇しました。一方で、公益事業、コミュニケーション・サービス、金融など8業種は下落し、公益事業は1%以上の下落幅となりました。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち19銘柄が上昇し、なかでも前日に好決算を公表したアマゾン・ドットコムとインテルが大幅高となりました。それぞれアマゾン・ドットコムは6.2%上昇、インテルは7.8%上昇しています。また、ボーイング[BA]が3%超上昇したほか、シェブロン[CVX]が3%近く上昇、ハネウェル・インターナショナル[HON]やシスコシステムズ[CSCO]、ナイキ[NKE]、セールスフォース・ドットコム[CRM]、マクドナルド[MCD]などが1%超上昇しました。一方で、11銘柄が下落し、なかでもベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]とアップル[AAPL]は1%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、レンタカー会社のエイビス・バジェット・グループ[CAR]が、四半期決算は予想を下回る売上高とEPS(1株当たり純利益)となるも、ホリデーシーズンに向けて強い需要見通しを示したことで、10.9%上昇しました。一方で、不動産仲介サービスのリ・マックス・ホールディングス[RMAX]は四半期決算の内容が予想を下回って減収となり、7.3%下落しました。

昨日の米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち8銘柄が上昇し、なかでもセールスフォース・ドットコムが1%以上上昇しました。そのほか、ホームデポ[HD]やボーイング、シェブロンなどが上昇しています。一方で、22銘柄が下落し、なかでもインテルとダウ[DOW] が2%以上下落しました。そのほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、ゴールドマン・サックス[GS]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]などが1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のエヌビディア[NVDA]がインテルに代わってダウ平均の構成銘柄に採用されると発表されたことで、0.5%上昇しました。一方で、電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]は、10月の中国製モデル3、モデルYの出荷数の減少が報じられたことで、2.5%下落しました。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.10%高い4.38%となりました。昨日の長期金利は0.10%低い4.28%となりました。ドル円は152円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国株高を受けて、上昇してのスタートが予想されます。一方で、米大統領選挙を目前に控えるなか持ち高調整の売りも警戒されます。また、本日から日本市場では、東京証券取引所の株式取引時間が30分延長され15:30まで取引可能となることから、取引の増加が期待され、出来高や流動性の向上等が見込まれます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)

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