東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、小幅に続伸となりました。週内には米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高のほか、2024年7-9月期の国内総生産(GDP)速報値などの重要な経済指標の発表が控える中で、売り買いが交錯し方向感に乏しい様子見の一日となりました。
前場は、83円安の39,417円で寄り付いた日経平均は、前週末の米国株高を受けて一時上昇に転じる場面もありましたが、心理的節目となる4万円を前に利益確定売りや戻り待ちの売りから売りが優勢となりました。その後も、台湾TSMCに米当局が中国への先端半導体出荷停止を命じたと報じられたことを背景に、半導体関連株の一角が売られ相場を押し下げ、152円安の39,347円で前引けとなりました。
後場も様子見モードは変わらず、39,500円付近で一進一退が続いた結果、最終的に32円高の39,533円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が4日続伸、0.7%高となりました。
2.個別銘柄等
ソニーグループ(6758)は前日比169.5円(6.0%)高の2,975円をつけ、大幅高となりました。8日引け後に発表した第2四半期累計決算にて、売上高が前年同期比2.2%増の5兆9172億円、営業利益は同42.3%増の7342億円となり市場予想を上回ったことが好感されました。
ディー・エヌ・エー(2432)は前日比363.5円(17.3%)高の2,467円をつけ、大幅に5日続伸となりました。6日の取引終了後に発表した中間決算にて、7-9月期の営業利益が前年同月比16.6%増となるなど、収益の高まりが意識されたほか、同社が開発に携わったスマートフォン向け「ポケモン」の新作トレーディングカードゲームの立ち上がりが好調であることから買いが集まり、年初来高値を連日で更新しました。
スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)は前週末比、一時770円(12.4%)安の5,450円をつけ、4日ぶり大幅反落となりました。8日に発表した中間決算にて、累積営業利益が前年同月比22.1%増の211億円となるも、7-9月期の四半期業績は前年同月比27.4%減の103億円となったことで、業績の減速感が意識され売りを呼びました。
レオパレス21(8848)は前日比68円(11.7%)安の513円をつけ、5日ぶりとなる大幅反落となりました。8日に発表した中間決算にて、7-9月期の営業利益は前年同期比1.0%減と本業の減速が示されたことで失望売りを呼びました。通期計画の上振れ期待もあるなかでの、減益発表となり、株価は大きく反応しました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、国内外で重要な経済指標の発表が控えている中、方向感に乏しく様子見ムードが強い一日となりました。
11日に開催された特別国会での首相指名選挙は、1回目の投票で過半数を得た候補がなく、30年ぶりの決選投票となりました。 決選投票で順当に石破茂氏が首相に再選されれば、政治的な不確実性が解消され、市場では目先の安心感からリスクオンの動きが期待されます。また、決算発表を控える銘柄として、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)、INPEX(1605)などが注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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