東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、3日ぶりに反落となりました。前日に米国の主要3指数が史上最高値を更新したことを受けて109円高の39,642円で始まりましたが、米国の対中半導体規制への警戒感から半導体関連株が売られ、上げ幅は100円未満に縮小する場面もありました。その後、外国為替市場でドル円が一時154円台に到達するなど円安方向に進展したこと等を支えに自動車株など輸出関連株が上昇し相場を押し上げ、214円高の39,748円で前引けとなりました。
しかし、前引け直後から株価指数先物に海外勢とみられる売りが出始め、後場には現物株も売られてマイナスに転じ、軟調な推移となりました。引けにかけては下げ幅を縮め、結局日経平均は157円安の39,376円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が小幅に上昇し、5日続伸となりました。
2.個別銘柄等
リクルートホールディングス(6098)は、一時8.2%高となり上場来高値を更新しました。今期業績予想を上方修正したことが好感されました。
ドル円が円安水準で推移する中、自動車株に買いが集まり、日産自動車(7201)は一時20.6%を上昇、三菱自動車(7211)は一時6.4%上昇、トヨタ自動車(7203)は一時3.9%上昇、SUBARU(7270)は一時3.3%上昇、本田技研工業(7267)は一時2.2%上昇となりました。特に日産自動車は、旧村上ファンド系のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが同社株を取得したとの見方が浮上しており、思惑視した買いを集めています。
防衛関連では三菱重工業(7011)がプライム市場売買代金ランキングでトップとなり、一時上場来高値を更新しました。終値では前日比0.4%下落の2,316.5円で引けています。
一方で、半導体関連株は軒並み軟調でした。米国の対中半導体規制を警戒した売りや本日引け後に東京エレクトロン(8035)が決算を控えていることから買いが手控えられた模様です。東京エレクトロンとディスコ(6146)は一時3.5%超下落、アドバンテスト(6857)とレーザーテック(6920)は一時4.5%下落、また、KOKUSAI ELECTRIC(6525)は一時10.9%下落となり年初来安値を更新しました。半導体関連株が軒並み軟調な中、ルネサスエレクトロニクス(6723)は、前日比8.2%高の2,156.5円で取引を終えています。競合する米国のモノリシック・パワー・システムズ[MPWR]の一部製品に欠陥がある可能性があるとの報道を受けて、ルネサスエレクトロニクスがシェアを奪うとの思惑から買いを集めた模様です。
VIEW POINT: 明日への視点
本日引け後、ソフトバンクグループ(9984)は2024年4~9月期の連結決算(国際会計基準)を発表し、最終損益は1兆53億円の黒字となりました。前年同期の1兆4,087億円の赤字から一転して黒字に転換しました。また、11月12日から13日にかけて東京で「NVIDIA AI Summit Japan 2024」が開催され、NVIDIAの創業者兼CEOジェンスン・フアン氏とソフトバンクグループ代表の孫正義氏の対談が予定されています。決算結果と併せて、AI関連銘柄への注目が高まることが期待されます。
米国では、明日以降、消費者物価指数(CPI)や小売売上高といった重要な経済指標の発表が予定されているほか、FRB高官や各地区連銀総裁の講演での発言にも注目が集まっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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