2025年10月に新規上場した「IPO株」9銘柄の投資判断を公開!
ダイヤモンド・ザイ2026年1月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2025年10月に新規上場した「IPO株」全9銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。
ここでは、2025年10月のIPO株の中でも、小林さんが今後の見通しを「強気」とする2銘柄を掘り下げて紹介しているので、投資の参考にしてほしい!
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2025年10月に新規上場した「IPO株」は9銘柄!
株高が続く状況下で新興株には警戒感が浮上!
10月は9社が新規上場。ただ、10月28日にIPOを予定していたBJCは上場延期、さらに11月に上場予定だったファイントゥデイホールディングスも延期している。この2銘柄はいずれも化粧品・美容関連だが、業種の問題なのか、市場全体の状況に起因するのか、気になるところだ。
「IPO株をめぐる環境は、必ずしも良好ではない印象を受けます。新政権の発足などが好感されて、日本株の相場は大きく上昇しましたが、上場を図る企業側にとっても投資家にとっても、むしろそれが警戒材料になっています。今後の急落リスクが意識されており、新興株ではそれが顕著ということです」(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さん)
実際、8月半ば以降の東証グロース市場250指数は下落基調だ。10月のIPO株の初値も、明暗が分かれる結果となった。上場した9社のうち、3社の初値が公開価格割れに。オーバーラップホールディングス(414A)やインフキュリオン(438A)は公募・売出規模が100億円超とやや大型だったため、株式需給への懸念が先行したとみられる(規模が大きいと換金売りが出やすい)。一方で、公開・売出規模10億円と小さかったライオン事務器(423A)は、プラス76%の初値を付けた。
「テクセンドフォトマスク(429A)くらいの規模になると、大型IPOとして注目されて順調な出足となりますが、“やや大型”程度だと買われにくい傾向です。上場後の株価推移もまちまちで、ブックビルディング(需要申告)に参加するにしても、上場後に買うにしても、銘柄選別の重要性が一段と高まっています」(小林さん)
銘柄選別では、業績動向や株価の水準はもちろん、株式需給にも目を配る必要がありそうだ。
【※「IPO(新規公開株)」の最新情報はこちら!】
⇒【IPO(新規公開株)スケジュール一覧(2025年)】IPOの申込日や幹事証券、注目度などの最新情報を随時更新中!
【2025年10月上場】「IPO株」9銘柄の投資判断を公開! |
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| 上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (11/5) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資 判断 |
| 3日 | ◆オーバーラップホールディングス(414A・東G) | |||||
| 1650円 | 1533円 (-7.1%) |
1230円 | 11.0倍 (3.03倍) |
1700円 (1100円) |
強気 | |
| 【分析コメント】注目のアマチュア作品を発掘し、ライトノベルやマンガ、アニメで展開。『とんでもスキルで異世界放浪メシ』などの人気作あり。初値は不調だが決算などで再評価に期待。 | ||||||
| 6日 | ◆ムービン・ストラテジック・ キャリア(421A・東G) | |||||
| 2080円 | 2502円 (+20.3%) |
2635円 | 21.2倍 (8.49倍) |
3600円 (2200円) |
中立 | |
| 【分析コメント】コンサル会社向けが中心の採用支援。25年超の実績が強み。中核となるキャリアアドバイザーの採用を強化し急成長中。来期の利益拡大に期待も、株価は妥当水準。 | ||||||
| 7日 | ◆ウリドキ(418A・名N) | |||||
| 1200円 | 1290円 (+7.5%) |
2229円 | 26.8倍 (17.45倍) |
2500円 (1300円) |
弱気 | |
| 【分析コメント】リユース品の買取マッチングサイトを運営。独自ウェブメディアとの相乗効果などで営業収益の年40%成長の目標を掲げる。高成長だが、類似企業比でPERは高水準。 | ||||||
| 8日 | ◆サイプレス・ホールディングス(428A・東S) | |||||
| 710円 | 675円 (-4.9%) |
678円 | 16.6倍 (3.70倍) |
900円 (600円) |
強気 | |
| 【分析コメント】「築地食堂源ちゃん」など飲食店を多ブランド展開。豊洲市場内に自社加工場を持つ。商業施設のニーズに合わせた出店加速に期待、PERに割安感も。株主優待を導入。 | ||||||
| 15日 | ◆ライオン事務器(423A・東S) | |||||
| 213円 | 374円 (+75.6%) |
294円 | 11.3倍 (0.77倍) |
450円 (270円) |
強気 | |
| 【分析コメント】オフィス家具や事務機器の製造・販売。大塚商会が筆頭株主。類似企業の評価の高まりを追い風に好発進。オフィス回帰の流れで需要が拡大、成長加速に期待できる。 | ||||||
| 16日 | ◆テクセンドフォトマスク(429A・東P) | |||||
| 3000円 | 3570円 (+19.0%) |
3385円 | 17.8倍 (2.77倍) |
4100円 (3000円) |
強気 | |
| 【分析コメント】TOPPANホールディングスから分社した半導体関連企業。詳細は下記。 | ||||||
| 17日 | ◆ユーソナー(431A・東G) | |||||
| 2000円 | 2350円 (+17.5%) |
3095円 | 31.7倍 (7.83倍) |
3500円 (2300円) |
中立 | |
| 【分析コメント】独自構築の法人データベースを活用した、顧客データの一元管理クラウドサービスが主力。大手企業を中心に導入が進展。ただ、株価は成長期待相応に上昇済み。 | ||||||
| 23日 | ◆サイバーソリューションズ(436A・東G) | |||||
| 1380円 | 1914円 (+38.7%) |
1425円 | 22.5倍 (8.38倍) |
2200円 (1300円) |
強気 | |
| 【分析コメント】クラウド型のメールやセキュリティの製品・サービスを手掛ける企業。詳細は下記。 | ||||||
| 24日 | ◆インフキュリオン(438A・東G) | |||||
| 1680円 | 1560円 (-7.1%) |
1233円 | 125.6倍 (9.50倍) |
1600円 (1000円) |
中立 | |
| 【分析コメント】金融機関や事業者のサービスに組み込む決済・金融機能を提供。三井住友FGの持分法適用会社。キャッシュレス化で高成長が見込めるが、利益はまだ小さく高PER。 | ||||||
| ※データは2025年11月5日時点。 | ||||||
11月のIPO株の中でアナリストが特に注目するのは
「テクセンドフォトマスク」と「サイバーソリューションズ」
ここからは、10月のIPO株の中で小林さんが「強気」と診断し、特に注目する2銘柄を掘り下げていこう。
1つ目の銘柄は、大型IPOとして注目を集めたテクセンドフォトマスク(429A)だ。
テクセンドフォトマスクはTOPPANホールディングスから分社した企業。半導体ウエハーに回路を転写するための原版「フォトマスク」を、内製しない半導体メーカーなどに供給する。世界で8つの製造拠点を持ち、外販メーカーではシェア38%でトップ。
公募・売出規模1566億円で今年2番目の大型IPOだったが、順調な出足。カタール投資庁が公開株を取得したことでも話題になった。半導体株の人気は追い風だが、上場前株主の売却制限解除(上場180日後)で需給懸念が生じる可能性には注意。
中国での競争激化で今期は営業減益を予想。ただ、先端半導体は水平分業化が進み、外販フォトマスクメーカーに勝機はある。市場ではシンガポール工場の着工を好感した場面もあり、業容拡大への期待は高い。
続いて紹介する銘柄は、今注目のサイバーセキュリティ関連銘柄であるサイバーソリューションズ(436A)だ。
サイバーソリューションズはクラウド型のメールやセキュリティの製品・サービスを手掛ける企業。セキュリティ製品で成長を図りつつ、メールサービスで持続的な利益を確保する体制。継続的なストック売上が95%と安定的だ。
高市首相が安全保障上の観点からサイバーセキュリティ強化を掲げ、関連銘柄は人気化している。サイバーソリューションズも好調な初値の後、株価は失速したが、PERは高すぎない水準となった。テーマ人気を追い風に、再び物色の矛先が向く場面もありそうだ。
メール、セキュリティ、グループウェアなどを統合した低価格の新製品を2025年2月に発売。顧客拡大と、既存客への併売による単価上昇が見込める。当面は安定的に2ケタの業績成長が期待できる。
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| 【SBIネオトレード証券のおすすめポイント】 以前はライブスター証券だったが、2021年1月から現在の名称に。売買手数料を見ると、1日定額プランなら1日100万円まで無料。1日100万円超の価格帯でも大手ネット証券より割安だ。また、信用取引の売買手数料が完全無料(0円)なのに加え、信用取引金利の低さもトップクラス。アクティブトレーダーほどお得さを実感できるだろう。そのお得さは株主優待名人・桐谷さんのお墨付き。取引ツール「NEOTRADER」のPC版は板情報を利用した高速発注や特殊注文、多彩な気配情報、チャート表示などオールインワンの高機能ツールに仕上がっている。また「NEOTRADER」のスマホアプリ版もリリースされた。低コストで日本株(現物・信用)をアクティブにトレードしたい人におすすめ。また、売買頻度の少ない初心者や中長期の投資家にとっても、新NISA対応や低コストな個性派投資信託の取り扱いがあり、おすすめの証券会社と言える。 |
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| ※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。 | ||||||
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