株主優待でも人気の「無印良品」の良品計画、いまは買い場か!?/日経平均反発【今日の注目株＆日本株市場見通し】「デイリーZAi」11月25日号

◆今日の内容を10秒でチェック！
・ソフトバンクGが急落し、日経平均は下落する場面も
・AI関連株は高安まちまち、認知症治療薬への期待でエーザイが急伸
・株主優待でも人気の「無印良品」の良品計画、いまは買い場!?

【1】今日の株式相場＆話題株 早わかり！
日経平均は下落する場面も…ソフトバンクGが急落

【今日の相場】

　日経平均株価は小幅反発！ 21日および24日の米国市場で主要株価指数は連日で上昇した。連邦準備理事会（FRB）のウォラー理事などから利下げに前向きな発言が相次いだことで、12月の連邦公開市場委員会（FOMC）での利下げ期待が再び大きく高まり、ハイテク株を中心に買いが入った。連休明けの日経平均株価は上昇してはじまったが、取引開始直後に4万9182.32円（＋556.44円）の高値を付けた後は伸び悩んだ。ソフトバンクグループが10％近く下落するなど一部の値がさ株の下落が重石になり、午後には下落に転じる場面があった。その後は前日終値を挟んだもみ合いとなったが、上昇が一服していた長期金利が再び上昇するなど財政不安への警戒感もくすぶり、上値の重い動きが続いた。

　東証プライムの売買代金上位では、AI（人工知能）関連株の一角で大きく上昇するものと下落するものが見られ、不安定さが続いた。一方、医薬品やパルプ・紙、電気・ガス、不動産、陸運などのディフェンシブ性の高いセクターの一部が買われた。長期金利の上昇が嫌気されたか、東証グロース市場250指数は－1.93％と大きく下落した。

【日経平均】48659.52円→（+33.64円）
【グロース250】667.31↓↓（-13.12）
【NYダウ】46448.27ドル↑（+202.86ドル、24日）
【ナスダック】22872.005↑↑（+598.922、24日）

■日経平均株価チャート／日足・6カ月

（出典：SBI証券公式サイト）

【今日の話題株】

◆ソフトバンクグループ（9984）
1万5390円（－1700円）
　米アルファベット傘下のグーグルが発表した生成AIの最新モデル「Gemini（ジェミニ）3」が高い評価を受け、前日の株式市場でアルファベットは大きく上昇し、上場来高値を付けた。一方、生成AIで競合するオープンAIの逆風になると懸念され、オープンAIへ出資している同社株は売られる展開となった。

◆アドバンテスト（6857）
1万9080円（＋765円）
　週明けにかけて、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁など複数の要人から利下げを支持する発言が相次いだ。利下げ期待の高まりを追い風に、前日の米株式市場ではフィラデルフィア半導体株指数（SOX）が4.63％と急伸しており、同社株や住友電気工業などの半導体株・電線株の一角が大きく上昇した。一方、ディスコや三井金属などは下落するなど、AI関連株は高安まちまちだった。

◆エーザイ（4523）
5023円（＋346円）
　デンマークの製薬企業であるノボノルディスクが開発する認知症治療薬について、認知症の進行を抑制する有意な効果が得られなかったと伝わった。エーザイが開発するアルツハイマー病治療薬「レケンビ」の販売拡大につながるとの期待から、買いが入った。また、10月以降の上昇相場において医薬品株の出遅れ感が強かったことも、なお買いを誘っているようだ。

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【2】火曜コーナー「投資＆おかねのギモン」
株主優待でも人気の「無印良品」を展開する良品計画、いまは買い場!?

（ご質問）
　「無印良品」を展開する良品計画に注目していますが、今は買い場でしょうか？

（答え）
　長い目線では買い場ですが、日中関係の悪化の影響を月次動向で見極めるなど、短期的には慎重に立ち回りましょう。

　2025年8月期の営業利益は前の期比31.5％増の738億円と会社計画および市場予想を上回り、2期連続で過去最高益を更新する好決算となりました。2026年8月期は前期比7.0％増の790億円の予想と、今期も過去最高を更新する見通しです。市場予想を下回っていますが、保守的に計画を出す傾向があるため大きな懸念は不要でしょう。今期の既存店売上高の前提は、国内が2％増、中国が4％増となっていますが、すでに発表済みの9～10月の累計ベースでは、国内が9.2％増、中国が19.5％増と上振れて推移しているため、今後、業績予想の上方修正が期待されます。

　10月の通期決算時には中期経営計画を更新しました。営業利益目標は2027年8月期を790億円から890億円へ上方修正したほか、新たに2028年8月期1080億円の目標を掲げています。世界的なブランド力の浸透に合わせて、積極的な出店や新商品開発、マーケティング改革、店舗オペレーションの改善、好立地に絞った出店戦略の見直しなどから、国内外とも成長が加速していく可能性は高そうです。

　営業利益率は今期計画では9.2％ですが、2028年8月期に10％を目指し、その後の12％に向けて収益性を向上させる方針を掲げており、「生産性向上委員会」を設置するなど取り組みを加速しています。2021年8月期以降に、同社は在庫管理能力の改革に取り組みました。結果、それまでの売れ筋商品が欠品する一方で売れ行きの悪い商品の在庫が積み上がる課題が解消され、その後の業績成長に貢献しています。こうした過去の実績からも同社のオペレーション能力は高いとみられ、中計目標達成への信頼度は高いといえるでしょう。

　一方、足元では日中関係の悪化という大きな懸念事項が台頭しています。先週、高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を受け、中国外務省が自国民に日本への渡航を当面控えるよう注意喚起しました。訪日客（インバウンド）需要の減少や、中国店舗での買い控え影響への懸念などから、同社を含め、関連企業の株価は軟調となっています。同社の場合、前期実績でみると、中国が含まれる東アジア事業の営業利益が全体に占める割合は57.8％と高いです。

　嗜好品とは異なり、日常生活に密接に関連する分野であるため、影響は大きく出ない可能性もありますが、当面は不確実性の高い状況が続きます。中長期的な成長ポテンシャルは高いですが、今後発表される月次動向で、中国事業に影響が出ていないか確認するなど、短期的には慎重に立ち回りましょう。
（ザイアナリスト 仲村幸浩）

■良品計画株価チャート／日足・6カ月

（出典：SBI証券公式サイト）

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