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米・中間選挙を控えた様子見ムードからNYダウが下落する一方、
売られていたAI・半導体関連株が買い戻され、ナスダック指数は反発
11月4日の日経平均株価は一時6万円を割り込む寸前まで急落したものの、終値では6万2000円台を回復して終えています。日経平均株価が急落した理由と日本株の今後については後半で解説するとして、まずは今週も日本株に大きな影響を与えている米国市場の動向から見ていきましょう。
11月3日のNYダウは反落し、終値で前日比197.26ドル(0.38%)安の5万1786.72ドルでした。一方、ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、終値で同207.65ポイント(0.83%)高の2万5372.01ポイント。そして、SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)も上昇し、同272.07ポイント(2.63%)高の1万600.40ポイントで終えました。
NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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11月3日は、同日投開票の米・中間選挙の結果判明を前に様子見ムードが強い1日でした。ただ、この日は短期的に売られ過ぎだったAI・半導体関連株を買い戻す動きが見られ、その結果、ナスダック総合株価指数およびSOX指数は強い動きとなりました。
AI向けデータセンターやGPU関連の設備投資の急増により、
ハイパースケーラーの多くはフリーキャッシュフローが赤字に!
ところで、ハイパースケーラーと呼ばれるアマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、オラクル(ORCL)のうちマイクロソフトを除く4社で、直近四半期または直近12カ月でFCF(フリーキャッシュフロー:営業活動で得た資金から設備投資などの支出を差し引いたもの)が赤字になっています。
原因は、急増しているAI向けデータセンターやGPU関連の設備投資が、営業キャッシュフローの金額を上回っているためです。例えば、アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズの4社の2026年通年の設備投資ガイダンスは、合計で7000億ドル規模に達し、来年はさらに増える見通しです。このため市場では、FCFの赤字・圧迫が当面続くと見られています。
これが一因となり、ハイパースケーラー5社の株価は低迷。10月30日時点の時価総額は1カ月で1兆ドル減り、7月30日以来3カ月ぶりに12兆ドルを下回りました。
ハイパースケーラーは、これまで「設備投資を営業キャッシュフローだけで賄う」のが普通でしたが、2026年は設備投資が営業キャッシュフローを上回るケースが増えており、外部調達に頼る比率が上昇しています。
具体的には社債や株式発行(エクイティ)に加え、リースや外部投資家との共同事業も活用しています。リースや共同事業というのは、データセンターを特別目的会社(SPV)やジョイントベンチャーで建設し、リースで利用する手法です。その際、パートナーに対する保証やバックストップ(保証枠)を大規模に設定することがリスクとなりうるので注意が必要です。
なお、米国時間の11月2日には、アルファベットが60億ユーロの社債発行、オラクルが社債と株式発行で合計200億ドルを調達すると発表しました。また、米国時間の3日にはメタ・プラットフォームズが150億ドルの社債発行を発表しています。
このように社債発行が急増していることで、クレジット市場ではハイパースケーラーのCDSスプレッド(Credit Default Swap:債務不履行などに備える保険コスト)が上昇する動きが見られます。
絶対水準として見ると、投資適格企業としてリスクが極端に高いわけではありません。しかしながら、過去数年と比較して「信用リスクへの警戒が高まっている」状況です。結論として、このスプレッドの低下が顕著になるまでは、市場における「ハイパースケーラーの巨額投資の採算性」への不安は沈静化しないと考えています。
テクニカル的には、11月3日のSOX指数の終値は1万600.40ポイントと、5日移動平均線(3日時点で1万963.95ポイント)、25日移動平均線(同1万1803.94ポイント)、75日移動平均線(同1万1845.74ポイント)、200日移動平均線(同1万807.22ポイント)をすべて下回っています。つまり、弱気形状です。
今後については、早期に200日移動平均線を上回れるか否かに注目しています。なお、SOX指数の水準自体は、ここ数カ月間で見て安値圏にあるため、売り方の利益確定目的の買い戻しやバーゲンハンターの押し目買いが期待できそうです。ただし、5日移動平均線を上回ってこないと、短期的なリバウンド発生は見込み薄でしょう。
11月4日の日経平均株価は、一時6万円割れ目前まで急落したものの、
米・中間選挙の速報が伝わったことで買い戻しが加速し、下げ幅を縮める
このような状況を受け、日本市場でもAI・半導体関連が調整を続けています。
11月4日の日経平均株価は一時6万円割れ目前まで急落したものの、その後持ち直し、最終的に前日比893.23円(1.42%)安の6万2188.63円で終えました。アドバンテスト(6857)やソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)、そしてキオクシアホールディングス(285A)などのAI・半導体関連株が大幅安となった影響を受けました。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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なお、11月4日前場に日経平均株価が急落した要因のひとつとして、米国の中間選挙の動向を挙げている声もありました。
しかし、事前の大方の予想はブルースウィープ(Blue Sweep)、つまり「シンボルカラーが青の民主党が、上下両院の両方で多数派を獲得する」でした。そして選挙速報では、事前の予想通りに「ブルースウィープ」となる可能性が高いことが判明しました。
その結果、市場の予想通りとなったことで材料出尽くしとなり、大引けにかけて買戻しが加速して日経平均株価は下げ幅を縮めました。まさに「Sell the rumor, buy the fact(噂で売って事実で買え)」の展開と言えます。
キオクシアホールディングスの業績見通しが
市場予想を大幅に下回ったことで、株価が急落
個別銘柄では、キオクシアホールディングスの株価下落が市場の注目を集めています。キオクシアホールディングスが急落した主な理由は、10月30日に発表した2026年10〜12月期(第3四半期)の業績見通しが市場予想を下回ったことです。
2026年7〜9月期の業績は好調で、売上・利益ともに大幅増益でした。しかしながら、10〜12月期の営業利益見通しは1兆9950億円と前四半期比でほぼ横ばいでしたが、市場コンセンサスの2兆3500億円前後を大幅に下回りました。
会社側は「出荷時期のずれ(製品ミックスがリードタイムの長いデータセンター・エンタープライズ向けなどの比率が高まり、一部の出荷が第4四半期へずれる)が主因で、需要自体は強い」と説明しています。しかしながら、市場では「AI向けNAND需要の伸びが一服するのでは」という警戒が強まりました。
上場後初の配当開始など株主還元強化(2026年4〜9月期の中間配当を、株式分割前ベースで1株あたり90円)も発表されましたが、株価のサポート材料にはなりませんでした。
日経平均株価が上昇トレンドに転換するには、
調整が続くAI・半導体関連株の底打ちが必要
なお、11月4日の日経平均株価は前述の通り6万2188.63円で、テクニカル的には、25日移動平均線、75日移動平均線をともに下回っています。そのため中期・長期の下落トレンドが継続中と認識しています。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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今後に関しては、少なくとも25日移動平均線を終値で上回らない限り、現在の調整が続く見通しです。
調整が一巡するためには、AI・半導体関連株が底打ちすることが必要です。私は、米国の中間選挙の通過後、選挙結果が判明してイベントリスクが大幅に低下することから、米国でAI・半導体関連株が底打ちすることに期待しています。
そうは言っても、日米の株式相場はボラタイル(ボラティリティが大きい状態)で不安定です。よって、日米ともに、相場全体がさらに下値を模索する状況になったとしても、投資資金が致命傷を負わないように心がけましょう。「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」というジョージ・ソロス氏の金言を忘れず、慎重に相場に臨むことをおすすめします。
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