元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」にゲスト出演した。

今回の放送では、バーベル戦略で厚めに持っていたエネルギー銘柄が、イランの戦争を受けて上昇した話題に。ただ、エネルギー銘柄を今買うと、高値を掴まされる危険があるようだ。バーベル戦略のもう片方で、少し下がっているテクノロジー銘柄はどうかというと、ここから暴落する可能性もあるそうなので、さっそくチェックしていこう。
バーベル戦略で厚めに持っていたエネルギー銘柄が、イランの戦争で上昇
番組は、ポールさんがシアトルの自宅ではなく別の場所からリモート出演していることを、アシスタントの新宮志保さんが紹介するところから始まった。
ポールさんはコロラド州ベイルにある友人の家に滞在しており、スキーの名所であるベイルにスキーをしに来たそう。
(出所:WORLD MARKETZ)
番組MCの渡部一実さんが「ベイルは朝6時ごろ。友人の自宅で朝6時からパソコンに向かってしゃべっているのはなかなか変な人ですね。それをお願いしてしまっている私も悪いんですが」と前置きしつつ、「今日はイランのことからうかがいます」と切り出した。
イランの戦争を受けて原油が上がり、日米株が下がっているけれど、バーベル戦略でエネルギー銘柄とテクノロジー銘柄を厚めに持っているポールさんは、この状況をどう見ているのか渡部さんが質問した。
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WTI原油先物 週足 (出所:TradingView)
「原油はポートフォリオのバランスを取り、リスクヘッジするために持った方がいい」とポールさん。エネルギー銘柄を厚めに持っていたのは、まさにこういう時期に備えるためだったようだ。トランプ政権がベネズエラのマドゥーロ大統領を拘束して以降、地政学リスクが上がるとポールさんは思うようになり、そのヘッジとして原油は重要な位置づけにあるという。
ただ、イランの戦争に対するアメリカの長期戦略は、はっきりしない状態でもあるそう。
アフガニスタンやさらに昔のベトナム戦争の経験から見れば、戦争が長期化するとアメリカが弱くなることは明らかだとポールさん。イランのリーダーを殺しても、次のリーダーがまた出てくるし、アメリカは空を完全にコントロールできても、地上のコントロールは難しい面があるようだ。
アメリカの国民感情的にも、トランプは内向きになると約束していたのに、外交や戦争ばかりして約束が違うし、物価の上昇をはじめ国内の問題が山積する中で、なぜ戦争しなければいけないのかを考えるようになるという。ポールさんの友人のトランプ支持者も戦争反対の声を少し出しており、長期になるとトランプは戦争を続けづらくなるようだ。
原油関連銘柄を保有する場合、エネルギーそのものより事業会社のほうがいいワケは?
ポールさんはバーベル戦略で、ポートフォリオにエネルギー銘柄を厚めに持っているわけだが、イランの戦争で原油やオイル関連株が上がったからポートフォリオを動かすかというと、そうでもないようだ。
人間は心理的に勢いがあるものを追いかけてしまう傾向があり、値段が上がったところで買ってしまう可能性が高いため、値上がりする前に買っておく必要があり、現在はエネルギー銘柄を売ることも買うことも考えていないのだという。
そういった状況ではあるものの、原油関連、資源関連の銘柄を保有したい場合、WTI原油先物やオイルETFといったエネルギーそのものがいいのか、それともシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連企業がいいのか、渡部さんがポールさんに聞いた。
「実際の事業会社を買ったほうがいい」とポールさん。USO(ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド)のようなETFは、長期になると油の価格についていかなくなることがあり、それはファンドが実際に油を保有しているわけではなく、原油先物でポジションを持っているからなのだそう。
限月がある先物をロールオーバーする際、コストがかかって非効率になる場合があるため、短期ではいいけれど、中長期のポートフォリオに組み込むなら事業会社がいいようだ。
もっとも、金のETFでは、金の先物ではなく現物を保管しているファンドもいるため、大切なのはETFが持っているものの中身を完全に把握することだとポールさんは教えてくれた。
イラン戦争の影響でテロが発生し、株価暴落の可能性。テクノロジーは少し下がっただけで、様子見したほうがいい
続いては、バーベル戦略のもう片方であるテクノロジーの話題に。
イランの戦争の影響でエネルギーが上がっている一方、テクノロジーは少し下げているけれど、テクノロジーのトレンドが変わっていないのであれば、政治的なところで下げたところを拾うという発想でいいのか、渡部さんが質問した。
ポールさんの見方では、テクノロジーはイランの戦争でそこまで下がったわけではなく、これから暴落する可能性があるため、様子を見たほうがいいようだ。
なぜかというと、イランの戦争を受けてテロ事件が発生する可能性が高まっているとヘグセス国防長官が発言しており、9.11テロの際、アメリカの株価が暴落した経験もあるから。
テロは起こってほしくないし、株価が暴落したら拾えばいいのだけれど、アメリカは自由な社会で銃も自由に買えるため、警戒せざるを得ないそう。一方で、防犯のテクノロジーも進んでいるため、簡単にテロ事件が起きやすくなっていないようだ。
イランの戦争はある意味、中国とアメリカの間接的な戦争。第三次世界大戦に発展する恐れもあり、一番安全なアメリカの株を持ったほうがいい
最後は、ホルムズ海峡の石油タンカーの滞りと、第三次世界大戦の話題に。
ホルムズ海峡で石油タンカーの運航が滞っているとの報道があり、産油国であるアメリカと比べて、産油国でない日本や日本企業をポールさんがどう見ているのか、渡部さんが聞いた。
日本は産油国ではないけれど、もっと重要なのは中国も産油国でないことだとポールさん。
中国に原油を供給していたのがイランやベネズエラあたりで、そこをアメリカが攻撃したことは、太平洋戦戦の始まりを思い出させるとのこと。世界のいろいろな国が日本の原油輸入ルートを阻害し禁輸を行なったから、日本がアジアを攻めたという状況に近いようだ。
イランの戦争はある意味、中国とアメリカの間接的な戦争になっており、中国がイランに武器を提供する話も出てきて、どんどん拡大すると第三次世界大戦に発展する可能性は否定しきれないようだ。そうなると、アメリカ以外の国が戦場になる可能性が高いため、一番安全なアメリカの株を持たないといけないとポールさんは力説していた。
ここまで、3月4日(水)に放送された「WORLD MARKETZ」の模様をお伝えした。
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●ポール・サイ ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。著書『台湾系アメリカ人が教える米国株で一生安心のお金をつくる方法』を発売中。






















