◆今日の内容を10秒でチェック!
・日経平均は4日ぶり反落、短期的な過熱感漂うも出遅れ銘柄に買い
・日東紡が株式分割、弘電社はTOB! ソフトバンクGが連日の上場来高値
・ITセクターやエンタメ関連、業績好調なのに株価はなぜ上がらない?
【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!
4日ぶり反落、短期的な過熱感漂うも出遅れ銘柄に買い
【今日の相場】
日経平均株価は4日ぶり反落! 25日の米国市場はメモリアルデーの祝日で休場。一方、欧州市場ではドイツDAXやフランスCAC40が大幅高。トランプ大統領が和平協議の合意に向けて、「(交渉は)順調」としたことが投資家心理を改善させた。一方、短期的な過熱感が漂う日経平均株価は小幅高でスタートも買いが続かず、その後はマイナス圏で推移。イラン南部で米軍による船舶への攻撃があったと伝わったことも影響したもよう。ただ、半導体などのAI(人工知能)関連株の一角が利益確定売りに押される傍ら、オープンAIのIPO(新規上場)期待が続くソフトバンクグループが連日で急伸し、指数の下落率は小幅にとどまった。東証株価指数(TOPIX)はプラス圏で推移する場面もあった。
建設や不動産、電気・ガス、ゴム製品など、出遅れ感の強いセクターに買いが入るなど、中東情勢の収束期待を背景とした物色が前日に続き一部でみられた。AI関連では電線株で古河電気工業が上昇する一方、フジクラが下落。積層セラミックコンデンサ(MLCC)大手の太陽誘電などが今日も大幅高となった(詳細は5月25日号)。
【日経平均】64996.09円↓(-162.10円)
【グロース250】842.44→(-0.95)
【NYダウ】休場
【ナスダック】休場
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【今日の話題株】
◆日東紡績(3110)
2万5890円(-1670円)
6月末を基準日に1→5株の分割を行うと発表。投資家層の拡大や流動性の向上への期待から株価は一時上昇したが、前日にかけての3日間で株価は+30.7%も上昇していただけに、次第に利益確定売りが強まった。同社は半導体パッケージ基板向け低熱膨張ガラス(Tガラス)で世界シェア9割、データセンター向け低誘電ガラス(NEガラス、NERガラス)でも世界高シェアを誇る。AI関連株として近年、業績・株価が大きく拡大している。
◆弘電社(1948)
9150円(+1500円)
きんでんが完全子会社化を目指し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。弘電社はTOBに賛同の意見を表明し、TOBへの応募を推奨している。TOB価格は1万1501円で、前日終値比で50.3%のプレミアムが付いている。親会社の三菱電機はTOB完了後に保有株を譲渡する予定。データセンターや半導体工場、再生可能エネルギーなど旺盛な需要がある一方で、供給能力が限られている中、きんでんはTOBを通じて供給能力を引き上げる狙い。
◆芝浦機械(6104)
4215円(-695円)
延期していた本決算を発表。2026年3月期の営業利益は前の期比69.0%減の43億円と、会社計画(50億円)を下回った。2027年3月期は3.8%減の42億円と市場予想を大きく下回っている。工作機械事業の前期の受注は44.9%増加したが、自動車市場の停滞などの影響から、射出成形機など成形機事業の受注が低調だった。今期は増益が期待されていただけに失望感を誘った。
【2】火曜コーナー「投資&おかねのギモン」
ITセクターやエンタメ関連、業績好調なのに株価はなぜ上がらない?
(ご質問)
LINEヤフーの株価はなぜ上がらないのでしょうか? 特に業績も悪くないと思いますが…
(答え)
実際の影響の程度は別として、AI脅威論を背景にITセクターへの評価が低下していることが重石になっているのでしょう。
LINEヤフーの株価は昨年7月高値から今年2月24日には一時36.1%下落、今日26日時点でも-29.8%と低調な状態が続いています。
この間の株価下落の要因として、昨年10月に傘下のアスクルで発生したセキュリティ被害によるコマース事業の悪化のほか、米アンソロピックの生成AIサービスを発端としたAI脅威・「SaaSの死」に対する懸念、などが挙げられます。
このうち、1つ目については一過性要因ですでに問題は解消し、コマース事業も順調に回復しています。一方、最大の要因と思われる2つ目は現在進行形です。生成AIは「学習」「推論」「エージェント型AI」と段階的に発展し、その進化スピードの速さには目を見張るものがありますし、今後のポテンシャルも計り知れません。
他方、LINEヤフーは「Yahoo! JAPAN」・「LINE」・「PayPay」と、ポータルサイト・メッセージアプリ・モバイル決済でそれぞれ日本最大級のサービスを持ちます。3つのブランドに跨る巨大なエコシステムを持っている同社の優位性が簡単に揺らぐことはないでしょう。また、足元では、AIによる機能強化・マネタイズ化などにも積極的です。
実際、今のところ、AI脅威で株価が低迷しているIT・ソフトウェアや広告・マーケティングなどの関連企業の業績を見る限り、AIによる悪影響はほとんど見られません。むしろ、AIによる生産性向上や既存ビジネスの拡張など好影響が多く確認されています。実際、簡単な単一作業を自動化するような純粋SaaSでもない限り、AIによる完全代替は考えづらく、現時点で共存は可能だと思います。
ただ、AIの超絶スピードでの進化が現在進行形である以上、共存繁栄・成長が本当に可能かどうかは、実際に“未来が現実になって確認してみないことには分からない”、つまり、時間しか解決できない問題です。
株式市場において、投資家が最も嫌うのは、今後どうなるか分からない「先行き不透明感」です。今ある手元の情報・材料を最大限に使ってどんなに合理的に未来を推測し、「AI脅威論に対する懸念は行き過ぎ」と結論付けても、「やっぱり絶好の買い場だった」と、それが証明されるのは、未来が現実として訪れたタイミングです。何故なら、AIの進化に伴い、推測に使っていた手元の情報・材料が随時更新されるからです。
日本が誇るエンタメ産業、有力IP(知的財産)を誇るゲーム・アニメなどの関連株が最近低調なのも、「AI脅威」という同じ構図によるものだと考えています(ハードウェアを手掛ける企業は半導体メモリー価格の高騰も影響しています)。最近の生成AIは簡単なリクエストをもとに容易にリアルなゲームやキャラクターを作成できます。それで即座に、ファン個人によるロイヤリティが高い人気IPの競争力が低下するとは考えにくいですが、ゲーム・IPの量産が可能になりつつある以上、脅威として意識せざるを得ません。
IT・ソフトウェア銘柄やゲーム・アニメなどのエンタメ関連株も、それらの多くの業績はいたって好調です。PERなどの株価指標も過去平均を大きく下回っていて、一見、割安感も強い印象を抱きます。しかし、それでも株価が上がらないのは、数十年に一度レベルの産業革命とも言われる生成AIが急速に進化していて、これまでの企業の事業環境・業績見通しに対する見方を大きく変更せざるを得ないからです。つまり、これまでの“物差し”では単純に株価が割安かどうかを判断できないのです。そして基準となる物差しが定まらない以上は、投資対象になりづらいのです。
一方、直近の本決算を受け、改めて評価が高まっているリクルートホールディングスは株価が大きく好転しています。セクター・テーマ関連株を無差別に売る局面が変わりはじめている可能性があり、LINEヤフーをはじめ関連株が見直されるタイミングが近づいているかもしれません。
(ザイアナリスト 仲村幸浩)
■LINEヤフー株価チャート/日足・1年
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