信託報酬が安いインデックス投資信託を上回る成績を上げている、
ダイヤモンド・ザイの特集「長期で値上がりを狙う 厳選投信18本を大公開」では、長期間にわたって保有し、大幅な値上がりを期待できる投資信託を18本紹介! また、そんな投資信託を見極めるポイントや、投資信託のタイプ別に見た選び方のコツも取り上げている。
厳選した投資信託は「日本株型」「海外株型」「バランス型」の3ジャンルで、それぞれ6本ずつ紹介しているが、今回はその中から「日本株型」の注目すべき投資信託を2本抜粋。また、人気の日本株型投資信託5本の激辛診断も紹介するので、これから日本株型の投資信託を買いたい人だけでなく、すでに保有している人にも参考になるはずだ!
「日本株型」には、平均を大きく超える優秀な投資信託が豊富!
“市場平均を超える”ことを目指し、高い信託報酬を支払う必要があるアクティブ投資信託では、上昇率で日経平均株価やTOPIXなどを上回っていることが大前提となる。少なくとも“市場平均並み”の成績を目指すインデックス投資信託は上回っていなければ投資する意味がない。
「日本株型」に分類されるアクティブ投資信託には、インデックス投資信託を上回る好成績の商品が比較的豊富だ。上昇率が平均の2倍以上のものもある。特に、中小型株・新興株を投資対象とする日本株型アクティブ投資信託の上昇率はすさまじい。ただし、これらは基本として値動きが激しいので、要注意でもある。
「過去は7~8年の周期で大きく下落しており、そのリスクは頭に入れておく必要があります」(「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん)
「中小型株を中心に運用するアクティブ投資信託1本だけというのはおすすめできません。市場全体に投資するタイプやバランス型と組み合わせるといいでしょう」(楽天証券経済研究所の篠田尚子さん)
値動きリスクをなるべく抑えたい人には、買いどきを分散できる長期積み立て投資がおすすめだ。
「日本株全般型」で値上がりしている投資信託を紹介!
ここからは、「日本株型」アクティブ投資信託の中でも、大型株や中小型株など銘柄の規模を問わずに組み入れている「日本株全般型」と、値動きのダイナミックな「中小型株・新興株型」の中から、それぞれ1本ずつ注目のアクティブ投資信託を紹介していこう。
まずは、日本株全般型の「グローイング・カバーズ【新成長株ファンド】」(明治安田)。
「グローイング・カバーズ【新成長株ファンド】」は、高い成長力を持ちながら実力を発揮できずにいた企業の中から、課題を克服して新たな成長ステージに入りつつある銘柄に投資。5年の上昇率は約360%と非常に高い。組み入れ上位には中小型株が目立つが、市場では東証1部が80%以上で、老舗企業も多い。業種ではサービスや小売、ITが約5割を占める。
◆グローイング・カバーズの上位組み入れ銘柄 | ||||
銘柄名(市場・コード) | 組み入れ比率 | 最新株価 | ||
日特エンジニアリング(東J・6145) | 3.2% | |||
寿スピリッツ(東1・2222) | 2.9% | |||
船井総研HD(東1・9757) | 2.8% | |||
ポーラ・オルビスHD(東1・4927) | 2.8% | |||
日本エム・ディ・エム(東1・7600) | 2.7% |
「中小型株・新興株型」で値上がりしている投資信託を紹介!
続いては、新興市場に的を絞った「日本新興株オープン」(日興)。
「日本新興株オープン」は、1996年設定の歴史ある投資信託。2017年7月末時点の組み入れ銘柄は、JASDAQが55%、マザーズが29%。新興株の値動きの激しさに応じて銘柄の入れ替えも機動的に行なうが、銘柄選定ではあくまで業績成長を重視。この5年は特に成績好調で、JASDAQの191%をはるかに超える上昇率452%に。
◆日本新興株オープンの上位組み入れ銘柄 | ||||
銘柄名(市場・コード) | 組み入れ比率 | 最新株価 | ||
夢の街創造委員会(東J・2484) | 3.2% | |||
セリア(東J・2782) | 2.6% | |||
アイケイ(東J・2722) | 2.6% | |||
日特エンジニアリング(東J・6145) | 2.3% | |||
日本マクドナルドHD(東J・2702) | 2.3% |
「ひふみ」など、人気の日本株型投資信託の診断結果は?
ここまで、値上がり益の高い日本株型のアクティブ投資信託を2本紹介してきた。最後に、すでに保有している人も多いであろう、人気の日本株型アクティブ投資信託5本(※純資産額で上位の5本。確定拠出年金専用、SMA専用、ETF、インデックス型投資信託は除く)の激辛診断も紹介しておきたい。
まず「フィデリティ・日本成長株・ファンド」(フィデリティ)は、1年と5年の上昇率で、TOPIX(配当込み)にも低コストのインデックス型投資信託にも負けている。10年で見てもTOPIXより1.3ポイント高いだけで、魅力は薄いと言わざるをえない。
続いて「さわかみファンド」(さわかみ)は、上昇率だと1年、3年、5年でTOPIX(配当込み)を下回り、インデックス型投資信託にかろうじて勝つレベル。10年ではTOPIXより4ポイント高いが日経平均株価には負け。好成績とは言えない。
「ひふみプラス」(レオス)は、実績は文句なし。ただ人気の集中で資金規模が膨らみ、従来の中小型成長株中心の運用が困難になる心配も。外国株への投資を開始し、今後の運用方針に注目したい。
「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」(大和住銀)は、ブラジルレアル建ての為替取引やオプション取引を使った複雑な内容で高分配を実現しているが、基準価額は2014年の設定来で55%の下落。少なくとも値上がり益狙いには向いていない。
最後に「野村日本高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)」(野村)は、同じく為替取引やオプション取引を駆使する毎月分配型。分配金再投資の成績で見ても5年ではTOPIXを大きく下回っており、やはり値上がり益狙い向きではない。
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