2020年8月に新規上場した直近「IPO株」の中で、アナリストが株価上昇に“強気”な「モダリス(4883)」と「ニューラルポケット(4056)」を分析!
発売中のダイヤモンド・ザイ11月号には、前号からスタートしたばかりの新連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」を掲載!「IPO」とは、企業が上場して、市場に株式を公開すること。IPO株は公開価格と比較して、初値が大幅に上昇する場合が多いほか、上場してからも値動きがダイナミックで、短期間のうちに急騰することも少なくない。ただし、上場直後に盛り上がった後、すぐさま失速してしまう銘柄もあるため、“玉石混交”な側面もある。
この連載では、直近で新規上場したIPO株にスポットを当て、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、今後の投資判断を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。その中から、今後“10倍高”の可能性を秘めた注目の2銘柄をピックアップして解説する。「成長株」投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい!
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2020年8月に新規上場したのは4銘柄のみ
いずれも初値が公開価格の2倍以上に急騰!
2020年前半のIPO株は、新型コロナウイルスの影響で初値割れが相次いだが、6月以降に新規上場した銘柄に限って言えば、初値割れはゼロ。8月に上場したIPO株は、すべて初値が公開価格の2倍以上になった。
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特に、8月20日に上場したニューラルポケット(4056)と、25日に上場したインターファクトリー(4057)は、初値が公開価格の5倍以上になり、IPO市場の活況を印象づけた。
「東証マザーズ指数がコロナ・ショック前の高値を大きく超えていることからもわかるように、このところ新興株への資金流入が続いています。個人投資家の資産も増えていることから、IPO直後の株にも資金が集まりました」(フィスコの小林大純さん)
さらに、8月のIPO件数が4件と少なかったことも、株価急騰の要因となった。「値動きがいい銘柄は上場直後から買われ続けました。8月11日に上場したティアンドエス(4055)は、上場から約2週間で、株価が初値の4.2倍になったんです」
ティアンドエスは初値時点からPERが約50倍で、決して割安ではなかったが、PER200倍まで買われたことになる。
「8月に上場した4銘柄は、どれも時流に乗った事業内容で、成長性を評価できます。ただし、現状は株価に過熱感がある。それでもここから買えるのは、中長期でも高成長が継続できる事業を行っていて、今の株価水準が許容できる銘柄だけです」
2020年8月の【IPO株】4銘柄の投資判断とは? |
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上場日 | 公開価格 | 予想PER(PBR) | 株価 (9/4) |
今後1年の 上値メド |
投資判断 |
3日 | ◆モダリス(4883・東M) | ||||
1200円 | 322.3倍(20.83倍) | 3210円 | 4500円 | 強気 | |
【分析コメント】東京大学発のゲノム編集技術を用いた創薬ベンチャー。年央のIPOの中でも注目度が高かった。創薬ベンチャーは赤字企業が多いが、同社は黒字。 | |||||
7日 | ◆ティアンドエス(4055・東M) | ||||
2800円 | 178.1倍(72.73倍) | 2万3200円 | 2万8000円 | 中立 | |
【分析コメント】大手企業や半導体工場向けにシステム開発や運用保守、AI関連のソフトウェア開発などを手掛ける。半導体業界の継続的な設備投資が追い風だが、過熱感が強い。 | |||||
20日 | ◆ニューラルポケット(4056・東M) | ||||
900円 | 935.3倍(160.46倍) | 7800円 | 1万円 | 強気 | |
【分析コメント】独自開発のAIによる画像・動画解析技術などをスマートシティやデジタル広告向けなどに展開。注目度の高いAI関連で、高PERでも株価上昇に期待。 | |||||
25日 | ◆インターファクトリー(4057・東M) | ||||
960円 | 229.7倍(107.14倍) | 7790円 | 8500円 | 中立 | |
【分析コメント】中規模から大規模のEC業者に、ECサイトを構築するサービス「ebisumart」をクラウドで提供。ビジネス拡大が続く見通しだが、株価に過熱感。 | |||||
注目は前評判も高かった創薬ベンチャーの「モダリス」と、
初値が公開価格の5倍超になった「ニューラルポケット」!
ここからは、8月に新規上場した4銘柄の中で、小林さんが「中長期でも高成長が期待でき、過熱感があるなかでも注目に値する」と評価する2銘柄を詳しく紹介していこう。
まずは、創薬ベンチャー企業のモダリス(4883)だ。
モダリスは、東京大学発のゲノム編集技術を用いた創薬ベンチャーとして知られ、2020年中盤のIPOの中でも注目度が高かった。初値は公開価格の2.1倍と好調で、その後も株価上昇が続いている。赤字企業が多いバイオベンチャーとしては珍しく、黒字企業である点も魅力。ライセンス契約を結んだ製薬会社から一時契約金やマイルストーン収入(※医薬品の開発段階で、一定の成果を出したときに受け取れる収入)などを得ている。
また、モダリスは希少疾患に対して効率よく有効な治療薬を生み出せる「CRISPR-GNDM」を用いた研究開発を行っており、PERは高水準だが成長期待が高い。さらに、モダリスの社長は大手メディアに「新薬候補を拡充できる見通しが立っている」と述べており、黒字維持が期待できる。米国の類似企業の時価総額と比べ、上昇余地がある。
続いて、小林さんが注目するもう一つの銘柄は、独自のAI技術で急成長を続けているニューラルポケット(4056)だ。
ニューラルポケットはAIによる画像・動画解析技術などをスマートシティやデジタル広告向けなどに展開。近年、AI関連株は特に初値が高くつきやすく、ニューラルポケットの初値も公開価格の5.6倍になっている。
AIの進展には画像の高度な解析がカギとなる。ニューラルポケットは高い画像解析技術を持っているため、デジタルサイネージ広告や物流施設の業務効率化サービスなどの顧客が増えている。また、売上高が増加しても、人件費などの費用が膨らみにくいビジネスモデル。このため、高い利益の伸びが期待でき、PERが高くてもテーマ性の高さと相まって許容されやすく、これからでも投資を検討する価値はあるだろう。
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |