2020年9月に新規上場した「IPO株」の中で、アナリストが株価上昇に“強気”なのは「トヨクモ(4058)」と「rakumo(4060)」の2銘柄!
発売中のダイヤモンド・ザイ12月号には、連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」を掲載!「IPO」とは、企業が上場して、市場に株式を公開すること。IPO株は公開価格と比較して、初値が大幅に上昇する場合が多いほか、上場してからも値動きがダイナミックで、短期間のうちに急騰することも少なくない。ただし、上場直後に盛り上がった後、すぐさま失速してしまう銘柄もあるため、“玉石混交”な側面もある。
この連載では、直近で新規上場したIPO株にスポットを当て、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、今後の投資判断を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。その中から、今後さらなる成長の可能性を秘めた注目の2銘柄をピックアップして解説する。「成長株」投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい!
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2020年9月に新規上場したのは全部で9銘柄!
「雪国まいたけ」以外の8銘柄は、初値が公開価格より上昇!
2020年9月に上場した9銘柄中、初値が公開価格を割れたのは1銘柄のみ。初値が公開価格の2倍以上に上昇したのは6銘柄だった。
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8月の上場銘柄は初値上昇率がすべて2倍以上だったのに対し、9月の上場銘柄の初値上昇率はマチマチ。この傾向について、フィスコの小林大純さんは「上場件数が増えたことで、銘柄が選別された」と分析する。
「雪国まいたけ(1375)が初値割れ、I-ne(4933)とSTIフードホールディングス(2932)は初値上昇率が約10%でした。一方で、IT関連株では初値が数倍になった銘柄も続出しました」
例えば、法人向けクラウドサービスのトヨクモ(4058)や、コンテンツ配信プラットフォームのまぐまぐ(4059)は、初値上昇率が4倍以上になった。特に、初値上昇率が突出していたのが、AI関連のヘッドウォータース(4011)だ。公開価格のPERが20倍以下と割安だったため、初値が公開価格の11.9倍に。2018年上場のHEROZ(4382)の10.9倍を上回り、初値上昇率の最高記録を更新した。こういったIT関連株好調の背景には、新政権発足の影響もあると小林さんは指摘する。
「楽天の三木谷浩史氏は、菅総理のブレーンと言われています。実際に新政権は旧来型の大企業よりも新興企業に有利な政策を発表しています」
新興株の指数である東証マザーズ指数も、年初来高値を更新中だ。「新興株有利の流れは続き、それを受けてIPO株の好調も続くでしょう」と小林さんは予測している。
2020年9月の【IPO株】9銘柄の投資判断とは? |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (10/6) |
予想PER (PBR) |
今後1年の 上値メド |
投資判断 |
17日 | ◆雪国まいたけ(1375・東1) | |||||
2200円 | 2100円 (-4.6%) |
2044円 | 16.0倍 (15.10倍) |
3000円 (+47%) |
中立 | |
【分析コメント】まいたけやエリンギなどのきのこを生産・販売。きのこ販売は好調だが、戻り売りが出やすく上値が重い展開が続く。 | ||||||
24日 | ◆トヨクモ(4058・東M) | |||||
2000円 | 9020円 (+351.0%) |
8080円 | 336.8倍 (88.06倍) |
1万1000円 (+36%) |
強気 | |
【分析コメント】法人向けクラウドサービス事業を展開。安否確認サービスの有償契約数が急拡大中。収益力が高く、高PERでも資金流入が続く。 | ||||||
24日 | ◆グラフィコ(4930・東J) | |||||
4090円 | 9560円 (+133.7%) |
7850円 | 40.4倍 (5.36倍) |
1万円 (+27%) |
中立 | |
【分析コメント】健康食品などを販売。ヒット商品を続々と生み出しており、今期も増収増益予想。株価は調整中だが、業績進捗が好調なら大幅上昇も。 | ||||||
24日 | ◆まぐまぐ(4059・東J) | |||||
810円 | 3400円 (+319.8%) |
4415円 | 158.6倍 (14.21倍) |
6000円 (+36%) |
弱気 | |
【分析コメント】メールマガジン配信サービス。時価総額が小さいため株価が急騰。サブスク型への転換が評価されているが、株価に割高感がある。 | ||||||
25日 | ◆STIフードホールディングス(2932・東2) | |||||
1900円 | 2080円 (+9.5%) |
2486円 | 29.3倍 (6.13倍) |
2700円 (+9%) |
中立 | |
【分析コメント】海産物に強い食品メーカー。コンビニ向け具材が落ち込むも調理済み食材が堅調。同業と株価指標を比較すると、現在の株価は妥当。 | ||||||
25日 | ◆I-ne(4933・東M) | |||||
2890円 | 3250円 (+12.5%) |
4015円 | 37.1倍 (20.54倍) |
5000円 (+25%) |
中立 | |
【分析コメント】 ヘアケア製品や美容家電のファブレスメーカー。シャンプーなどの必需品が好調。中国向けECを強化。利益率改善なら株価上昇へ。 | ||||||
28日 | ◆rakumo(4060・東M) | |||||
1250円 | 3800円 (+204.0%) |
3680円 | 324.5倍 (205.01倍) |
6000円 (+63%) |
強気 | |
【分析コメント】クラウド型グループウェアを販売。人気化しやすい事業内容で初値は3倍に。大株主の換金売りは懸念材料だが、業績成長続く見通し。 | ||||||
29日 | ◆ヘッドウォータース(4011・東M) | |||||
2400円 | 2万8560円 (+1090.0%) |
3万950円 | 207.0倍 (57.93倍) |
3万6000円 (+16%) |
中立 | |
【分析コメント】AIソリューションを展開。企業のIT技術導入が拡大し、受注順調で利益率も向上。ただ、会社発表の約1割の増収増益目標は物足りない。 | ||||||
30日 | ◆アクシス(4012・東M) | |||||
1070円 | 5700円 (+432.7%) |
8900円 | 94.5倍 (11.39倍) |
1万円 (+12%) |
中立 | |
【分析コメント】業務アプリケーションの開発。公開価格が割安で初値5.3倍に。直近上場のIT関連と比べるとPERが低く、資金流入継続の可能性も。 | ||||||
注目は利益率の大幅改善に期待できるクラウド関連の2銘柄!
「トヨクモ」と「rakumo」は法人向けサービスで成長中
ここからは、9月に新規上場した9銘柄の中で、小林さんが特に評価する2銘柄を詳しく紹介していこう。
まずは、法人向けクラウドサービス事業を展開するトヨクモ(4058)だ。
トヨクモが手掛ける従業員の安否確認サービスは、自然災害や在宅勤務の増加などを背景に、受注が絶好調。もう一つの事業の柱である、売上・顧客管理サービスも急成長している。もともとクラウド関連ということもあり、上場前から期待は高かった。さらに、マザーズ市場への新規上場が約1カ月ぶりだったこともあり、多額の資金が流入。初値が公開価格の4.5倍になっている。
今後の見通しだが、多額の資金が流入したことで、短期的には株価の調整が続く可能性がある。しかし、安否確認サービスの需要は増加が続き、有償契約数は6年で10倍増となっている。また、売上・顧客管理業務サービスも有償契約数が6年で24倍と好調が続いていることから、今後も高成長し続ける可能性は高い。よって、株価が調整を経て上向き始めたら、買いチャンスと言えるだろう。
続いては、やはりクラウド事業で伸びるrakumo(4060)だ。
rakumoは電子稟議システムや勤怠管理システムをクラウドで提供している企業。在宅勤務が拡大するなか、導入企業が急速に増えており、トヨクモと同じように、上場前から注目度は高かった。公開価格のPERが80倍超ながら、初値は公開価格の3倍になっている。
今期予想PERは300倍超だが、来期以降の利益成長を考慮すれば、まだ上値余地はある。売上高は年2~3割増を長期で維持できる見通し。また、SaaS(※Software as a Serviceの略。利用者がソフトウェアを導入せずに、ネットワーク経由でサービスを利用する状況のこと。継続課金型でのサービス提供が多い)の拡大で、利益率が向上しており、利益の急成長も続く。その成長性の高さから、高PERを維持しながらも長期で株価上昇が続きそうだ。
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【2024年11月1日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |