「勝者のゲーム」と資産運用入門

商船三井(9104)は2022年も投資価値あり。
株価は急落状況から脱して
再び9月の高値を突破へ太田忠の勝者のポートフォリオ 第12回

2021年12月29日公開(2022年3月29日更新)
太田 忠
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

「勝者のポートフォリオ」採用銘柄の商船三井(9104)は2022年も期待

 海運株は2021年の日本株式市場において最もパフォーマンスの良かった銘柄のひとつである。大手の一角である商船三井(9104)の株価は年初の3170円から9月27日には1万60円の高値を付け約3.2倍のパフォーマンスを演じた。

 ところが、3Qの決算発表直前の9月27日、1万60円の高値を付けたその日の終値は9230円に急落。これを受けて9月28日も8580円へと下落。9月29日に発表された好業績の3Q決算と業績上方修正も好材料出尽くしと受け止められ利益確定売りラッシュによる急落が続き、10月15日には6180円まで下がった。高値からわずか2週間ちょっとで実に39%もの下落となってしまった。

  しかしながら、実質的なPERは3倍、下期だけでの配当利回りは6%もあるなど割安感は強い。私が会員に助言する「勝者のポートフォリオ」では10月下旬に7160円で買いエントリーした。荷動き増加ならびに高水準のコンテナ価格で来期も好業績が期待できることから、再び9月の高値1万60円を突破するものと考えている。こうした動きは後述する2006年から2007年にも見られたことであり、まさに同様の状況が再現されていると考えている。

短期の目標株価は1万60円の突破

 前回の活況だった当時の株価の動きを見てみよう。同社の前回の高値は世界経済拡大期の2007年10月に付けた2万400円である。ところがその2万円を付けに行く前に大きな動きがあった。それは2006年1月に一度1万1040円を付けてから同年6月に7110円に急落した局面があったことだ。下落率は36%。7110円を付けた後は再び上昇基調に転じ、6カ月をかけて同年12月には1万1040円を抜いてしまう。さらに上昇基調が続いて翌年の2007年10月には高値2万400円をマークした。

 空前の海運好況を背景にして、今回も同様のことが起こると考えている。すなわち、1万60円から6180円まで下落したものの、再び1万60円を抜くというシナリオだ。短期的な株価目標はまずは1万60円の突破である。

2022年3月期の経常利益予想4800億円は、前回のピークを大きく上回る

 さて、肝心の業績である。前回高値2万400円を付けた頃は小泉郵政解散で相場が活況となり、それに続く形で世界経済の拡大期で海運業も空前の好況だった。経常利益は2007年3月期の1824億円から2008年3月期は3022億円へと一気にピークを更新した。PERは13倍と通常時の2倍程度にまで拡大した。

 現在はどうだろうか? 経常利益の推移を見ると2020年3月期は550億円、2021年3月期は1336億円へと急増し、そして今期2022年3月期は上方修正後で4800億円の予想になっている。すなわち前回のピークの3022億円を大幅に超えている。一方、現在のPERは3倍の評価である。過去3年間のPERの推移を見ても高値平均で11倍、安値平均で5.7倍。現在の株価は安値平均のそのまた半分レベルにすぎない。

1万60円を超えた後の株価は、2023年3月期の業績予想次第

 1万60円を超えた後の株価がどうなるかは2023年3月期の業績次第だが、引き続き高水準の収益を確保するものと考えている。これまでは「業績が急低下するのが怖い」というのが今一つ海運株に強気になれないポイントだったと思うが、この点さえクリアになってくれば、もうひとヤマ期待できそうだ。来期の業績ベースでの目標株価についても、改めて算定してみたいと思う。

(DFR投資助言者 太田忠)

商船三井(9104)/月足・20年(出典:SBI証券公式サイト)

 この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案や銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2022年の最強クレジットカード(全8部門)を公開!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

NISAの株の学
株500激辛診
米国株150診断

5月号3月21日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[新NISAで1億円/信格付283本]
◎巻頭インタビュー
87歳のデイトレーダーシゲルさん登場
「デイトレより稼げてオモロイもんはない!」

◎第1特集
株・投信 の基礎と誰でもできる10の儲け方
NISAの株&投信の学校

●株の学校
[基礎編]
株の3つの儲け方&NISAのメリット
買いたい人が多いと株価は上がる
・会社の規模で値動きが違う
・株を保有する期間で戦路は変わる
・年4回の決算で株価が動く

[儲け方編]
長く稼ぎ続ける会社を買う
ずっと人気が続く株を買う
・為替で儲かる株を買う
・配当が増える株を買う
・自社の株を買う会社を狙う
・モノがもらえる会社を買う
・情報を隠さない株を買う 
・買いやすくなった株を買う 

●投信の学校
[基礎編]
積立OK! 投信で世界に分散しよう

[儲け方編]
長期で成長してきた指数を買う
・定期的に分配金収入を得る

プロ厳選!儲け方別買いの株+投信付き


◎第2特集
買っていい10万円株は97銘柄!
人気の株500+Jリート14激辛診断

儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
期待の出遅れ株/来期も増配予想の高配当株/半導体・AI関連株
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
来期に営業利益が大きく伸びる株/“稼ぐ力”が強い高ROEの株/
配当利回りが高い株/少額で買える株/理論株価と比べて割安な株
●儲かる株の見つけ方[3]セクター別の指標平均
石油・石炭が配当利回り1位に!
●2024年新春のイチオシ株
10万円株7/高配当株7/株主優待株7
●気になる人気株売り×買い分析
大型株393/新興株86/Jリート10


◎第3特集
人気の米国株150診断
儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
●プロが大予測!大統領選後米国株はどうなる?
●GAFAM+αのBig8中3社が脱落!AIブームに乗る激アツ22社!
●出遅れ超有名株&買いの高配当株
●人気の125銘柄「買い」「売り」診断


◎【別冊付録】

上場全3905社の最新理論株価
増益割安株は1254銘柄


◆芸人がゴミ清掃員に!?富豪と一般人の差ってゴミに出ます!
◆日本株の大幅上昇でIPO株も環境が好転
◆“もしトラ”で世界は地獄に!?
◆高額な負担に見合う?地震保険の誤解本当に必要か再検証
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!



「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報