三菱UFJ銀行がATM利用手数料の大幅な改定を発表した。手数料の改定は12月20日からで、そのポイントは次の2点だ。
1点目は現在無料のコンビニATMの平日昼間(午前8時45分~午後6時)の手数料が、1回105円に有料化される(平日時間外と休日は105円から210円に値上げ)。
2点目は、逆に今まで有料だった自行ATMの平日の午後6時から午後9時までと、休日・祝日の手数料も無料にする。さらに自行ATMの稼働時間は全て午前7時から深夜0時までに延長される。
この改定は、見る人によって「改善」なのか「改悪」なのか違ってくる。
支店や駅構内などに設置された銀行直営のATMコーナーしか利用しない人にとっては、無料時間および稼働時間の延長は歓迎すべき改善だ。
一方、最寄りの駅前に三菱UFJ銀行の支店やATMコーナーがない場合、特に行動半径の狭い退職者や主婦、支店のない地方や郊外の居住者にとっては手痛い改悪だ。
100万円の利息は2回の引き出しで消滅
人数的には圧倒的に改悪と感じる人が多そうだ。というのも手数料の改定の背景にあるのが、コンビニATMを利用する人が増えすぎたこと。
都銀で唯一、平日昼間ならコンビニATMの手数料が無料になることを理由に、三菱UFJ銀行をメイン口座にする人が増加した。だが、それに伴い銀行が支払うATM代行の手数料が巨額化していたのが、今回の改定の動機と見られている。
とはいえ全国に約4万1000台設置されたコンビニATMで気軽に出金するという行動形態はすっかり定着。今後も利用者はついつい気軽に利用してしまいそうだ。
ただし、コンビニATMの利用料は1回105~210円。自行でも時間外なら105円かかる。普通預金に1年間100万円預けても利息はたったの200円なので、軽視できない。週1回利用でも、年間で5000円以上を支払うことになる。これを機会に、ATM手数料を再確認し、ムダな手数料を節約すべきだ。
その有力手段が、各行の優遇サービス(表参照)。注意点は、単に預金残高が多いだけではダメで、例えば、みずほ銀行なら「みずほマイレージクラブ」への登録が必要だ。

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優遇サービスの登録でATMは無料化できる!
登録後は預金残高や住宅ローンの利用、銀行が指定するクレジットカードの利用などにより、自行やコンビニのATM手数料が無料になる。
3行とも預金残高が10万円が最初のハードル。これをクリアすれば、自行ATMの時間外手数料が無料になる。みずほ銀行ならコンビニATMも無料となる。
次のハードルが30万円。残り2行もコンビニATMが無料となるが、三菱UFJ銀行(改定後)は月3回、三井住友銀行は月4回までと回数制限がある。
コンビニATMの利用が多い人にとっては、ハードルが低い上に回数が無制限となるみずほ銀行が魅力的だ。ただし、みずほ銀行は給与指定口座にしただけでは優遇を受けられない。
年金受給者は三井住友銀行で優遇
三菱UFJ銀行の改定では、ATM無料化の条件も悪化した。年金の受け取りや、指定クレジットカードの利用は優遇条件から外された。
防衛策はある。年金受給者は年金受取口座を三井住友銀行に指定すれば優遇を受けられる。公共料金の引き落としをしている人は、みずほ銀行か三井住友銀行の指定カードで行なえば、引き続き優遇を受けられる。
三菱UFJ銀行は、現在は預け入れ資産の残高が500万円を超えると他行ATM利用料も月3回まで無料だが、改定後は廃止。管理の手間は増えるが、大口優遇がなくなるので、分散させて複数行で優遇を受けるのも手だ。
自分の生活圏や行動範囲で、無料で引き出しができるATMを把握することも不可欠だ。
(文/ザイ編集部)
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