最下層からの成り上がり投資術!

いつ調整に入ってもおかしくない状況だが、3つの条件が揃ったら「全力で勝負」だ!

【第117回】 2014年7月1日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 日経平均は6月23日の1万5442.67円を高値に調整中です。ちなみに、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は6月24日に164.09%と2012年12月19日以来約1年半ぶりの水準に上昇しました。その後の騰落レシオの推移は、25日は159.40%、26日は149.10%、27日は134.97%、そして、30日は134.80%と低下傾向を示しているとはいえ、まだまだ高水準です。

日経平均チャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

騰落レシオは「過熱相場」を示している

 なお、騰落レシオは一般的に、120%以上で買われ過ぎ、80%以下で売られ過ぎの目安となります。

 しかし、個人的に、騰落レシオは底値発見機能としては優れているものの、天井発見機能としての信頼度はいまいち低いと感じています。このため、本格的な調整に入ったかどうかの判断は、他のトレンド系のテクニカル指標等の下落転換の有無を見極めてからにするべきでしょう。そうは言っても、騰落レシオという非常にポピュラーなテクニカル指標が買われ過ぎを示唆している以上、「いつ調整に入っておかしくない」と気を引き締め、高値警戒はしておくべきです。

 ちなみに市場では、日経平均を1万5000円台に押し上げたのは公的マネーとの見方がコンセンサスです。

 つまり、足元の堅調相場は「官製相場」と認識され、信託銀行経由の日本株買いは、地球防衛軍の出動と揶揄されています。実際、6月第3週(16~20日)の投資部門別株式売買動向では、信託銀行は8週連続で買い越しです。8週連続の買い越し記録は、2012年5月第3週~7月第2週の9週連続以来、約2年ぶりのことです。そして、現状、「この信託経由の買いが支える限り、日本株が大崩れすることはないだろう」という安心感が、東京株式市場を覆っています。

 その一方、地球防衛軍は1万5000円から上を積極的に買うことはなく、1万5000円割れ場面で、相場を支えるミッションしか与えられていないと観測されています。もちろん、真偽のほどは不明ですが(笑)

 今は昔、このような公的資金による、相場を腕力で支える相場を「PKO(プライス・キーピング・オペレーション)」、相場を腕力で押し上げる相場を「PLO(プライス・リフティング・オペレーション)」と呼びました。そうこう考えると、5月19日から6月13日のメジャーSQまで「PLO」発動(日経平均1万4000円割れを回避し、1万5000円台に乗せろみたいなミッション)、その後は、「PKO」(日経平均1万5000円割れを回避せよみたいなミッション)が続いているとみてよさそうです。まあこれは、私の勝手な妄想ですが(笑)

7月7日~10日ぐらいまでは下がりにくい相場

 ところで、国内ETFの銘柄の決算日は7月に集中しています。多くの国内企業が6月下旬ごろの株主総会で配当金額を決定することから、そのタイミングに合わせて7月に決算を行うETFが多いのです。

 ETFの分配金のおもな原資は、ETFが投資している株式などの資産から生じる配当や受取利息などです。国内ETFについては、株式同様、権利付最終日の大引け時点においてもそのETFを売却していない場合、分配金を受け取る権利が付与されます。つまり、ETFの分配金取りニーズがある間は、相場は崩れ難いとみておけばよいですね。

 一部ネット証券が集計しているように、好配当ETFの多くの権利付最終日は7月3日~15日で、特に、7日~10日に集中しています。となると、7日~10日までは、ETFの分配金取りニーズで相場は下がり難いとみてよさそうです。

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