「いえ、特に方針転換をしたわけではありません。弊社としては、当初から『リクルートポイント』を普及させるために、まずユーザーの皆様の利便性を高めるべきだと考えておりました。それには、よく貯まり、使い道も多様なポイントが得られるクレジットカードにする必要があります。ただ、オンラインだけでなくオフラインでもポイントを使えるようにならなければ、本当に利便性が高いとはいえない――という結論に至り、検討を重ねた結果、『リクルートポイント』を元々提携関係にあった『Pontaポイント』に変更することに踏み切った次第です」
「Tポイント」「楽天スーパーポイント」との
「共通ポイント戦国時代」を勝ち抜く準備は整った
「Ponta」は「Tポイント」よりも後発の共通ポイント(業種の異なるさまざまな店舗で利用できるポイントサービス)だが、提携企業はコンビニの「ローソン」、スーパーの「ライフ」、アパレルの「AOKI」、家電量販店の「ビックカメラ」、飲食店では「大戸屋」や「ケンタッキー・フライド・チキン」、ガソリンスタンドの「昭和シェル石油」、レンタルDVDの「GEO」など80社にのぼり、会員数では「Tポイント」の4918万人を上回る6171万人規模にまで成長している(「Tポイント」会員数は2014年7月末時点、「Ponta」会員数は2014年3月末時点)。
しかし、「オンラインだけでなくオフラインでもポイントを使える」という点では、2013年7月に「Yahoo!ポイント」が「Tポイント」と統合し、「楽天」も「楽天スーパーポイント」を街中でも使える共通ポイントにするべく「Rポイントカード」の発行を今年10月から開始しており、「Ponta」は「オンラインへの進出」という点では「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」に後れを取っていた。
そういう意味では、来春に「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に変更されることで、お互いに多数の会員を抱える両者が「オンラインだけでなくオフラインでも使える」共通ポイントとして、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」に十分に対抗できる存在になったことは間違いない。それと同様、「リクルートカード」「リクルートカードプラス」は、ライバル的存在の「Yahoo! JAPAN JCBカード」や「楽天カード」と比較しても、スペック的に抜きん出たクレジットカードになったと言える。
とはいえ、前述のように「リクルートカード」「リクルートカードプラス」で貯めたポイントを「オフライン」に多く流出する可能性はかなり高い。リクルートとしては自社の高還元クレジットカードで貯まったポイントが流出する点について、どのように考えるのだろうか?
「確かに、弊社のオンラインのサービスよりも、オフラインでポイントが使われるシーンのほうが多くなるかもしれません。とはいえ、弊社は『リクルートカード』や『リクルートカードプラス』単体で、利益を出すことを目指しているわけではありません。だからこそ、採算度外視で還元率を高くできているという部分もあります。あくまでも、リクルートポイントを使いやすいポイントに成長させることで、皆様に『もっとポイントを貯めたい』と思っていただけるようにすることが、弊社の目標です。そして、ポイントを貯めた結果、そんなに頻度は高くないかもしれませんが、『こんなにポイントがあるし、旅行にでも行ってみようか』『外食をしてみようか』といった形で『じゃらんnet』なり、『ホットペッパーグルメ』なりをご利用いただく――という流れが増えることを期待しています」
「Ponta」への変更は資本提携も含む本格的なもの。
お互いの強みを最大化できるかどうかがカギ
実際、今回「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するのは「『Ponta』に『リクルートポイント』が飲み込まれる」という形ではない。
というのも、リクルートは「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するという発表と同時に、「Ponta」を運営する「ロイヤリティ マーケティング」が実施する第三者割当増資で株を引き受け、「ロイヤリティ マーケティング」の全株式の15%を保有することも発表している。つまり、リクルートは今後、「Ponta」の運営に積極的に参画することになるのだ。
それを裏付けるように、2015年春に「PontaWEB会員」が新設されることになっているが、その会員IDは「リクルートID」と共通化される予定。つまり、「Ponta」が弱いオンラインでのポイント利用をリクルートが推し進め、「リクルートポイント」が弱いオフラインでのポイント利用を「Ponta」が推し進めるような形で運営されると考えられる。
このように「オンラインでもオフラインでも使える」ポイントにすることに加えて、還元率が1%で「Tポイント」が貯まる「Yahoo! JAPAN JCBカード」や「楽天スーパーポイント」が貯まる「楽天カード」よりも魅力的な、年会費無料で還元率1.2%の「リクルートカード」と、年会費2000円(税抜)で還元率2%の「リクルートカードプラス」でさらなる新規会員の獲得と既存会員の利用拡大を図る、ということなのだろう。
念のため、「『リクルートポイント』が『Pontaポイント』に変更されることによって『リクルートカード』『リクルートカードプラス』の還元率が下がる可能性はあるのか?」と確認してみたが、「現状の『リクルートカード』が1.2%、『リクルートカードプラス』が2%という還元率を変える予定はない」とのことだった。
また、現在「リクルートカード」と「リクルートカードプラス」では、セブン‐イレブンなどで使える電子マネー「nanaco」へのチャージでもポイントが貯まるので、住民税や固定資産税のほか、国民健康保険や国民年金などの支払いでも間接的にポイントが貯まる点も大きな魅力の一つとなっているが、ローソンを提携企業に持つ「Ponta」と提携することで、「ひょっとすると『nanaco』チャージでのポイント付与がなくなるのでは?」という不安もあった。しかし、こちらも「今のところは継続する予定」とのこと。「リクルートカード」「リクルートカードプラス」はローソンでもセブン-イレブンでも、コンビニに強いクレジットカードとしても“使える”カードになる。
これらのことを踏まえると、「リクルートポイント」が「Pontaポイント」に全面的に変更されれば、「『Ponta』の利便性」+「『リクルートカード(プラス)』の高還元率」は、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」よりもメリットが際立つことになり、今まで以上に「リクルートカード」「リクルートカードプラス」は人気を集めることになるだろう。
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【2024年4月1日時点・最新情報】
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
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◆三井住友カード(NL) |
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0.5~7.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD | |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、Tポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短10秒発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大7%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率7%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
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◆三井住友カード ゴールド(NL) |
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0.5~7.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD | |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで7%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~10.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay | |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。 |
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【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~10.5%のJCBの入門カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
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◆au PAY カード |
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1.0~2.0% |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※) |
VISA Master |
- | |
【au PAY カードのおすすめポイント】 通常還元率1.0%でPontaポイントが貯まり、マツモトキヨシやかっぱ寿司などの「au PAY ポイントアップ店」では還元率1.5~2.0%以上に達する、auユーザー以外も得するクレジットカード! しかも、初年度は年会費無料、2年目以降は年会費1375円(税込)だが、年に1回でもカード決済、もしくは携帯電話などのauのサービスを利用していれば次年度以降の年会費も無料に! ※ 2年目以降1375円。ただし、年一回でも利用した場合、もしくは「au ID」に「au PAY カード」を紐付けて、携帯電話などのauサービスを利用している場合は次年度無料。 |
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【関連記事】 ◆「auカブコム証券+au PAY カード」で積立投資すると1%分のPontaポイントが貯まる! つみたてNISAも対象なので、これから投資を始める人にもおすすめ! |
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◆セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digital |
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0.5~2.0% (※1) |
初年度無料 次年度以降も 条件次第で無料(※2) |
AMEX | Suica | |
【セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード Digitalのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、QUICPay決済を利用した場合は還元率2%に大幅アップ!(※3)セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニはもちろん、マツモトキヨシやツルハグループなどのドラッグストア、ビックカメラやヨドバシカメラといった家電量販店など、QUICPayを利用できる店舗ではいつでもどこでも還元率2%になるので非常にお得! 貯まるポイントは、有効期限のない「永久不滅ポイント」なので、ポイントの失効を気にする必要がないのもメリット! ※1 通常1000円(税込)につき1ポイント貯まる永久不滅ポイントを 「1ポイント=最大5円相当」 の商品に交換した場合の還元率。交換する商品によっては、1ポイントの価値が5円未満になる場合あり。※2 2年目以降は1100円(税込)。ただし、年一回でもクレジットカードの利用があれば次年度以降も無料。※3 年間合計30万円までの利用分が対象。以降は還元率0.5%。 |
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