10%以上の高利回りの投資信託が多い毎月分配型投資信託だが、口をすっぱくして言うが利回りが高い投資信託ほどリスクを取っていることを忘れないでほしい。リスクが高いということは、相場がいいときはいいが、一転金融危機などが訪れると利回りがマイナスに転じてしまう可能性が高いからだ。今回は毎月分配型の見せかけの利回りを見抜く方法と人気10本の最新チェックを公開。
分配金以上に基準価額が下落していると危険!
健全率の悪化が続いていないの定点観測も
まず、毎月分配型投資信託の実力を測るには「本当の利回り」を見ることが必要だ。
「本当の利回り」とは、基準価額が下落した場合に、1年間の合計の分配金から1年間の基準価額の下落分を差し引いて、1年前の基準価額で割って算出したもの。
今回、発売中のダイヤモンド・ザイ4月号に掲載した純資産上位100本には、さすがに利回り自体がマイナスになったものはなかったが、基準価額の下落分を差し引いた結果、見せかけの利回りから大きく本当の利回りが下がった投資信託があった。そして、大きくどんなに高い分配を受け取っていても、基準価額が合計分配額よりも下落してしまえば、実質の利回りはマイナスとなり、元本取り崩しが行なわれたことになる。
そして、本当の利回りと同時にチェックしてほしいのが、分配の余力がわかる「分配の健全率」と「分配可能月数」だ。
1年間の基準価額の増減を1年前の基準価額で割った「分配の健全率」がマイナスの場合は、元本の取り崩しがあったことを示し、プラスならば分配の余力がアップしたことを示している。
また、「分配可能月数」は、分配原資が月々の分配金の何カ月分あるかを示しており、原資が少ないと分配可能月数が減り今後の減配や元本取り崩しの可能性があるので要注意だ。
月200円や250円の分配を出す投資信託の人気が高く、資金が大量に流入しているが、分配の水準だけにとらわれず、こうした健全度をチェックすることで元本取り崩しがない投資信託を選ぶようにしよう。
人気毎月分配型10本の本当の利回りは
果たしてどうなったのだろうか?
ではここで、人気毎月分配型投資信託10本の本当の利回りを公開しよう(カラーで表示されている投資信託はクリックすると詳細情報がご覧になれます)。
表の見方をカンタンに紹介すると、投資信託は人気順(純資産総額の大きい順)に並んでおり、左上の黄色いマルの中の順位が、人気100本内での利回りランキングになる。基準価額の変化の欄の数字がマイナスのものはタコ足分配が行われているので注意が必要で、本当の利回りはタコ足分を差し引いて計算した利回りとなっている。
10本のうち、「ピクテ新興国インカム株式ファンド」は、分配金を出す一方で基準価額が下落しており、タコ足分配が行われていた。気になるファンドのデータをじっくり読んでみてほしい。
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