ジム・ロジャーズもわが子に教育を受けさせる
シンガポールのハイレベルな教育環境とは?
ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。今回は、シンガポールでは子どもの教育費にどれくらいのお金がかかるのか、具体的に紹介していきましょう。

英国の教育専門紙「TIMES HIGHER EDUCATION(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」 が昨年10月に発表した「世界大学ランキング」によると、「シンガポール国立大学(NUS)」(26位)が「東京大学」(43位)を抜いて、アジアのトップに躍り出ました。
欧米の超一流大学・大学院のシンガポールキャンパスもいくつかあります。たとえば、「フィナンシャルタイムズ」のMBAランキング1位である、フランスの経営大学院「インシアード」。また、2013年には、米国の「イエール大学」とNUSのジョイントベンチャーである、「Yale-NUSカレッジ」も開校しました。
環境が整っているだけでなく、シンガポールの子ども達の教育水準も高いです。15歳児を対象にした国際学力テスト(PISA)でも、アジアでは日本を抜いてトップレベル。もちろん、世界でもトップレベルです(上位は、ほとんどアジアの国々が独占しています)。
世界的な大富豪のジム・ロジャーズ氏も、シンガポールの永住権を取得し、子供をローカルの有名公立校に通わせていることで有名ですね。それにしても、英語と中国語のバイリンガル教育が魅力のシンガポールで子供に教育を受けさせるには、どれくらいお金がかかるのでしょう?
外国人が公立の学校に通わせようとすると
国民や永住権保有者の何倍も教育費がかかる
子どもにシンガポールで教育を受けさせる場合、現地の公立校に通わせるか、インターナショナルスクール(外国人向けの学校)や日本人学校(文部科学省管轄で、日本と同等の教育が受けられる学校)に通わせるかで、大きくコースが変わってきます。
ローカルの公立校の場合、シンガポール国民と永住権保有者(PR)が、学費や学校の選択の面で優先されます。
PRの場合、公立幼稚園にかかる費用は月2万7000円程度です。PRの小学校の学費は月1万円程度(外国人の場合は月5万円程度)、中学校の学費は月1万5000円程度(外国人の場合は月7万2000円程度)、高校の学費は月2万円程度(外国人の場合は月10万4000円程度)です。小学校は6年、中学校は4年、高校は2年、大学は4年というコースです。

このように、PRと外国人では教育費に大きな差があります。永住権を保有できれば、日本の学校でずっと公立の学校に通ったのと同じくらいの金額で、公立校に通わせることができるのです。
PR以外の外国人は、料金が高いばかりでなく学校も選べません。よって、シンガポール在住の日本人や欧米人の多くは、インターナショナルスクールなどに通うことになります。
公立校に入ることができたとしても、英語と中国語で行われるハイレベルな授業についていくには、相当な努力が必要になります。
シンガポールでは早期エリート教育が徹底されているため、小学校終了試験の成績によって、今後の進路が決まってしまいます。外国人にはハンデが大きすぎるため、ローカルコースは取り扱い要注意な道と言えるでしょう。
インターナショナルスクールも学費は高いが
子どもに多様な教育を受けさせることができる
では、次に日本でも人気のインターナショナルスクールについて説明します。
インターナショナルスクールは、3歳から18歳など、プレスクールから高校まで同じ環境で一貫したプログラムを受けられるのが魅力のひとつです。

母国語に加えて、第2、第3外国語まで習える語学教育、3Dプリンティングやロボット作りなどのIT教育、金融経済の授業、ヴァイオリンクラス、水泳やテニスなどのスポーツに力を入れている学校もあります。
このように、幼少期から子どもにさまざまな経験をさせてあげられるのが、インターナショナルスクールの最大の魅力です。
シンガポールは東京23区とほぼ同じ広さの狭い国土でありながら、20校以上ものインターナショナルスクールがあります。アメリカンスクール(主に米国籍の子女向けの学校)や、英国系の有名校などもあります。
また、キャサリン妃が卒業された、英国のマルボロカレッジの海外キャンパスが、マレーシアのジョホールバル(シンガポールとの国境付近の都市)にできました。マルボロカレッジは幼稚園から高校まであります。こちらにも、シンガポールからスクールバスで子どもを通わせることが可能です。
インターナショナルスクールの学費は、日本にあるインターナショナルスクールと同程度で、年間250万円前後(ホリデープログラムは別途)が一般的。低年齢の子どものほうが比較的入りやすいですが、仮に15年通わせたとしたら、東京にマンションを買えてしまうほどの出費になるのがネックです。
また、インターナショナルスクールを卒業すると、海外の大学に進むケースも多いですが、その場合はさらに学費がかさんでしまいます。
たとえば、米国の大学の場合、私立大学だと教育費だけで年間400万円前後かかることもあります。比較的安価な州立大学でも、州外学生の場合は料金が高くなります(ただし、私立大学よりは安い場合が多いです)。家賃の安いドミトリーに入ったとしても、生活費だけで年間200〜300万円程度はかかるでしょう。
シンガポール国立大の場合は、学部や条件によって料金が異なりますが、学費は年間100万円前後から通えるので、米国の大学よりは安いです。また、海外の大学には返還不要の給付型奨学金も多いのですが、シンガポールの場合、衣食住に困らない程度の生活費などが出る場合もあります。
日本人学校も教育水準はハイレベル!
ただし、学費は日本の公立学校よりも高額
最後の選択肢は、実際に日本国籍の子どもの多くが通っている日本人学校です。日本人学校も、レベルは非常に高いです。シンガポールには、数年程度の短期的な移住をしている日本人の家族が多いため、近い将来の帰国を視野に入れて、子どもの中学受験などにも対応した塾が充実しています。日本人学校から塾までの送迎バスが出ていたりもします。
日本人向けの高校としては、早稲田渋谷シンガポール校があります。早稲田渋谷シンガポール校の場合、早稲田大学に進学できる推薦入学枠も多いため、東南アジア各国から生徒が集まります。
日本人学校の学費は、小学校で月約6万円、中学校で月約7万円。高校の早稲田渋谷シンガポール校の学費は年間250万円程度と、日本での教育費と比較すれば高額になります。そのために、駐在員の場合は、会社から補助が出るのが一般的です。
このように、シンガポールには子供の教育にさまざまな選択肢があるので、どのコースを選択すべきか……という悩みも出てきます。

また、早期エリート教育が過熱しているために、未就学児向けの語学教室、音楽やアートの教育、体操教室などさまざまな教室があり、主に中華系や欧米系の子供たちは、さまざまなクラスを受けています。
より小さな子ども達の遊び場も、近所に公園や児童館などがないために、有料プレイグラウンド(1回2000円前後)が中心になります。ただ遊ばせるだけでも、英語や中国語に触れる機会はあるのですが、お財布には優しくない環境だな……と常々感じています
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