世界投資へのパスポート

米国株は4週連続で上昇! 公共株、素材株が好調。
今後の投資対象にデュポンやマクドナルドなどの
オールドエコノミー株と金鉱株に注目する理由とは?

【第409回】 2016年3月14日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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<今回のポイント>
1.米国株式市場は4週連続で上昇
2.エネルギー、素材株が好調
3.ブラジル、メキシコ株も好調
4.FOMCではドット・プロットがどれほど下がるかに注目
5.オールド・エコノミー株に加え、金鉱株、石油サービス、鉄鋼株にも注目

米国株式市場は4週連続で上昇
年初来の下げをほぼ取り戻した

 先週の米国株式市場はダウ工業株価平均指数が+1.2%、S&P500指数が+1.1%、ナスダック総合指数が+0.7%上昇しました。

 これで米国の株式市場は4週連続上昇したことになります。

 米国株式市場は今年に入ってからの下げを、ほぼ取り戻しました。

 年初来のパフォーマンスは、ダウ工業株価平均指数が-1.2%、S&P500指数が-1.1%、ナスダック総合指数が-5.2%です。

セクター別のパフォーマンスから見ると
いまの株式市場は“典型的な気迷い相場”とわかる

 次にセクター別のパフォーマンスを見ます。下は各セクターETFの年初来パフォーマンスです。

 今年に入って、世界経済が一層減速するのではないか? という不安が出たため、債券高のときに買われやすい公共株ETF(ティッカーシンボル:XLU)や消費安定株ETF(ティッカーシンボル:XLF)が好調でした。このへんは順当だと思います。

 しかし目をひくのは原油価格の低迷でボロカスに言われてきたエネルギー・セクターです。エネルギー株ETF(ティッカーシンボル:XLE)は年初来+3.4%と好調です。

 さらにコモディティ安で苦戦しているはずの素材株ETF(ティッカーシンボル:XLB)も、どっこいプラスになっています。

 景気の先行きに不安があるときに人気になりやすいディフェンシブ(防衛)的な公共株、消費安定株のパフォーマンスが良く、それと同時に景気が上向くときに人気になりやすい素材やエネルギー株のパフォーマンスも良いというのは、何だか矛盾しているように見えます。

 しかしこのような商状は景気後退の最終局面から利上げに転じた際に出やすい、典型的な気迷い相場です。

 私の考えでは今後は景気が強くなってゆくので、だんだんエネルギー、素材、工業などのグループのパフォーマンスが他を引き離すと思います。

 反面、ヘルスケアやテクノロジーのセクターが冴えない理由は、それらのセクターには、いわゆるグロース株が沢山含まれており、現在のような利上げ局面では、株価評価が剥げやすいことが知られているからです。

 したがってこのへんの動きは、まったく教科書通りの展開だと言えます。

 今後もハイテクやバイオ株はダメだと思います。

ブラジル、タイ、インドネシア、
メキシコなどの新興国の株式市場が好調

 さて、年初来のパフォーマンスでもうひとつ目をひくのは、ブラジル、タイ、インドネシア、メキシコなどの新興国の株式市場が好調だということです。

 その理由は簡単で、ドル安になるとこれらの国の経済は息を吹き返しやすくなることが知られているし、またドル安局面ではアメリカの投資家は新興国に積極的に投資することが経験則的に知られているからです。

3月15・16日のFOMCでは
利上げが見送られる可能性が高い

 さて、3月15・16日は米国連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。今回は、たぶん米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートの利上げは見送られると思います。

 みどころとしては声明文の発表の際、公表されるドット・プロットが、どう動いているか? ということです。

 ドット・プロットとはFRBのメンバー各人が、今後の経済や金利の動きに関して、思い思いに自分の予想をグラフに点(=ドット)として書き込むことを指します。それが全体としてどのように動いたか? を見ることで、メンバーたちの考えを知ることができるというわけです。

 ちなみに前回、2015年12月16日のFOMCの際のフェデラルファンズ・レートに関するFRBメンバーのコンセンサス予想は下のグラフの橙色(12月MTG)のようになっていました。

 それによると2016年末の時点でのフェデラルファンズ・レートは1.4%ですから、現行の0.50%に比べて0.9%高いわけです。

 いま仮にFRBが0.25%刻みで政策金利を引き上げたとすれば、2016年末までに合計0.9%分の引上げが実施されるためには0.25%×4、つまり4回の利上げが必要ということになります。

 つまりFRBメンバーたちはコンセンサスとして4回の利上げを去年の末の時点で想定していたということです。

 しかし思い出して頂ければ、12月のFOMC以降、世界の相場は荒れ模様続きでした。IMF他の国際機関が出している世界各国のGDP予想も下がりました。そのことから考えて、今回のドット・プロットでは「2016年末で1.4%」という上のグラフに示された数字が、もっと下がっていると考えるのが自然です。

 たぶん1.0%前後になっているのではないでしょうか?

今後の相場への取組み
オールドエコノミー銘柄に投資を続行

 さて、最後になりましたが、米国株では引き続きゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)ダウ・ケミカル(ティッカーシンボル:DOW)デュポン(ティッカーシンボル:DD)エクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)マクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)など、私がこれまでに何度も言及したオールド・エコノミー銘柄に投資しておけばオッケーだと思います。

 またハーモニー・ゴールド・マインズ(ティッカーシンボル:HMY)などの金鉱株にも引き続き強気です。

 さらに「リスクを取って良い」というアグレッシブな投資家にはアルセロール・ミッタル(ティッカーシンボル:MT)、トランスオーシャン(ティッカーシンボル:RIG)、アルコア(ティッカーシンボル:AA)なども一考に値すると思います。

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