<今回のポイント>
1.FOMCはハト派的だった
2.ドットプロット(FRBメンバーによる今後の政策金利の予想)が驚くほど下がった
3.あからさまなドルのトークダウンが始まった
4.FRBはシェール産業での雇用減を憂慮している
5.FRBはインフレを演出したくて、ウズウズしている
6.FRBに逆らわず、資源株を買っておけ!
FFレートは0.50%の維持が決定するも
年内利上げ回数の予想は4回から2回に半減!
先週、連邦公開市場委員会(FOMC)が終了し、米国の政策金利が発表されました。予想通り、現行のフェデラルファンズ・レート、0.50%が維持されました。
しかし細かい点を見ると今回のFOMCはサプライズがたくさん出ました。そのすべてがハト派的でした。
まずFRBメンバーによる今後の政策金利の予想(=通称、ドットプロット)が「あっ!」と息を呑むほど下がりました。

2016年末の時点でのフェデラルファンズ・レート予想は、これまでの1.4%から0.9%に下がっています。一気にドットプロットがこれだけ下がるのは極めて珍しいことです。
0.9%という数字が持つ意味を、少し考えてみたいと思います。
現行のフェデラルファンズ・レートは0.50%です。いま米国連邦準備鮮度理事会(FRB)は、よほどのことが無い限り、利上げの際の刻み幅は0.25%を使用します。
すると、次に利上げされた際の政策金利は:
0.50+0.25 = 0.75%
になります。同様に、その次の利上げでは政策金利が1.00%になるというのが順当です。
つまり上のドットプロットの0.90%という数字は「年末までに2回程度の利上げがある」ということを、ほのめかしていると考えることができます。
一方、前回、つまり12月のFOMCの時は1.40%が予想されていたので、それを利上げ回数に直すと:
0.50+0.25+0.25+0.25+0.25=1.50
が最も近似する数字ということになります。つまり4回程度の利上げが、ほのめかされていたわけです。
言い直すと、今回のFOMCでは、今年中の利上げ回数に関するシグナルが、これまでの4回から2回へと半減したわけです。これは大事件です。
このようにFRBが金利をどんどん上げないとシグナルしたことは、景気にとってはプラスです。だから市況株、素材株、エネルギー株などが買われたのは、当然の成り行きです。
「海外要因」がFOMCの声明文に盛り込まれたのは
日銀やECBをけん制する動きの現れ
2015年の8月に世界のマーケットが中国経済減速懸念で下げた時、FRBは「海外要因の不透明」を原因に利上げを見送るという説明をしました。
その後、市場が安定すると「海外要因」はFOMC声明文から消えました。
しかし今回は再びこれが声明文に盛り込まれています。これが今回のFOMCでの二つ目のサプライズです。
ここ数週間は世界のマーケットが比較的安定していました。だから、いま「海外要因」を理由に挙げて利上げを見送るというのは、唐突な印象を与えます。
これはつまりFRBが世界同時株安のリスクを心配しているということではなく、むしろ日銀や欧州中央銀行(ECB)をけん制する動きなのです。
これで今後の日銀やECBの対応は格段に難しくなりました。
ドル安誘導を突然始めたのは
シェール業界の雇用を維持するため
FRBは長いことドル高に対し「見て見ぬフリ」をしてきました。それが突然、あからさまなドル安誘導を始めた理由は、シェール産業における雇用の減少がじわじわ効いてきているためです。
シェール業界では2014年秋からこれまでに10万人、業界全体の雇用の16%が失われたと言われています。
シェール産業は給与水準が高いので理工系の学生にとって理想の就職先でした。FRBは、そのような業界が崩壊するのを、いよいよ座視できなくなったのです。
シェール業界を盛り立てる最も近道のやり方は原油価格を吊り上げることです。原油価格を高くしようと思えば、ドル安がベストな方法です。なぜならドルと原油価格は逆相関の関係にあることが知られているからです。
インフレを演出したいFRB、
株式投資はシンプルに資源株を買えばOK
今回のFOMCの最後のサプライズは、記者会見でイエレン議長が「少なくともデータを見る限り、賃金上昇プレッシャーは見当たらない」と発言したことです。これも挑発的すぎるハト派発言です。
通常、FRBは賃金インフレにはとりわけ警戒しています。その理由は、賃金は一度上がりはじめたら「クセになる」からです。つまりなかなか騰勢を食い止めることが出来ないということです。
このためFRBのメンバーは、さまざまな物価の統計の中で賃金の統計だけは厳粛に受け止めます。
それからすると、今回の「データを見る限り、賃金上昇プレッシャーは見当たらない」というコメントは、古参のFEDウォッチャーからすれば、まるでタガが外れてしまったような、破廉恥(はれんち)な発言です。
そのくらいインフレを演出したくて、ウズウズしているわけです。
株ですか?
Don't fight the FED.(FRBに、逆らうな!)
という言葉通り、素直に資源株に乗るべきだと思います。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
【2023年5月1日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
5300銘柄以上 | 約定代金の0.495% ※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル |
【マネックス証券のおすすめポイント】 5300銘柄以上の米国株を取り扱っており、銘柄数はトップクラス! 買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)なので、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」対象13銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引が可能。米国株は、時間外取引に加え、店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。なお、NISA口座なら日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」が無料で利用できる。 |
|
【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5900銘柄 | 約定代金の0.495% ※最低手数料0米ドル、上限手数料22米ドル |
【SBI証券のおすすめポイント】 ネット証券最大手だけあって、米国、中国(香港)、韓国、ロシアからアセアン各国(ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア)まで、外国株式のラインナップの広さはダントツ! 米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能で、一部米国ETFは手数料無料で取引できる。米ドルの為替レートは「片道25銭」と他の証券会社と同じレベルだが、住信SBIネット銀行の外貨預金口座から入金すれば「片道4銭」で両替可能。差額の21銭は1ドル=108円なら約0.19%に相当するので、かなりお得だ。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。米国企業情報のレポート「One Pager」、銘柄検索やソートに使える「米国株式決算スケジュールページ」や「米国テーマ・キーワード検索」、上場予定銘柄を紹介する「IPOスピードキャッチ!(米国・中国)」など情報サービスも多彩。また、2021年4月から米国株式取引専用の「米国株アプリ」が登場した。インドネシアやタイなどのアセアン各国に関しては、主要約70銘柄の個別企業レポート「ASEANアナリストレポート」を提供している。 |
|
【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
5200銘柄以上 | 約定代金の0.495% ※最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル |
【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と、幅広い銘柄がそろっているうえ、海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約350本を含む、約400本と業界No.1! 所定の米国ETF9銘柄については買付手数料が無料で取引ができる。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。米国株の注文受付時間が、土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。アセアン株式の情報も充実。財務分析でよく使われるPERなどの主な指標、過去5年間の業績推移や今後2年間の業績予想もチェックが可能だ。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名。さらに、スマホ向けトレードアプリ「iSPEED」でも米国株取引が可能になった。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。 |
|
【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
◆DMM.com証券(DMM株) ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約2500銘柄 | 無料 |
【DMM.com証券おすすめポイント】 2019年12月に米国株の売買手数料を完全に無料化したことで、取引コストに関しては一歩リード!ただし、配当金が円に両替される際の為替スプレッドが1ドルあたり1円と高いので、割り狙いで長期保有する人は注意が必要だ。取扱銘柄数は少なめだが、FAANGなどの有名IT株やバンガードなどの人気ETFは、きちんと網羅されている。他社と違う点としては、外貨建ての口座がなく、売却時の代金や配当が自動的に受け付けから円に交換されること。その後で持っておきたい人にはデメリットだが、すべて円で取引されるため初心者にとってはわかりやすいシステムと言えるだろう。また、米国株式と国内株式が同じ無料取引ツールで一元管理できるのもわかりやすい。米国株の情報として、米国株式コラムページを設置。ダウ・ジョーンズ社が発行する「バロンズ拾い読み」も掲載されている。 |
|
【関連記事】 ◆DMM.com証券「DMM株」は、売買手数料が安い!大手ネット証券との売買コスト比較から申込み方法、お得なキャンペーン情報まで「DMM株」を徹底解説! ◆【証券会社比較】DMM.com証券(DMM株)の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」までまとめて紹介! |
|
【米国株の売買手数料がなんと0円!】 |
※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |