今週の火・水曜日の2日間に渡りアメリカの政策金利を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。
アメリカの政策金利はフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)です。
FFレートには先物があり、CMEで活発に取引されています。その取引価格から、市場参加者たちが「どのくらいの確率で、今回利上げがある」という風に考えているかを逆算する方法があります。
それによると6月15日の利上げ確率は、わずかに2%です。言い直せば、「今回の利上げは無い」ということです。
FOMCで示される経済予想サマリーに注目
政策金利のシナリオは、どう動く?
今回のFOMCでの利上げは、たぶん無いということが既にわかっているのであれば、今回のFOMCは重要ではないのでしょうか?
それは、そうではありません。
なぜなら今回のFOMCでは経済予想サマリー(SEP)と呼ばれる、連邦準備制度理事会(FRB)メンバーたちによる経済予想が示されるからです。SEPのことを「ドットプロット」という俗称で呼ぶ市場参加者も多いのです。
SEPは1年に4回開示され、今回は今年に入って第2回目となります。
SEPはFOMCで「金利政策を、どうする?」ということをメンバーたちが議論する際、その「タタキ台」となります。またメンバーたちが「今後の米国経済はどうなる」ということについて、どういうシナリオを描いているかを垣間見ることが出来るのです。
従って市場参加者はSEPを精査します。
ちなみにこれまでのSEPでのフェデラルファンズ・レートに関するメンバーたちのコンセンサス予想は、下のグラフのように推移してきました。

現在、もっとも注目を浴びているのは2016年末の時点でのFFレートがどうなるか? ということであり、直近(3月)のミーティングではコンセンサスは0.9%となっていました。
すると現行の米国の政策金利は0.50%ですから、0.25%刻みにFFレートが引き上げられると仮定して、約2回の利上げを織り込んでいるのです(なぜなら0.50+0.25+0.25=1で、これが0.9に一番近いシナリオだから)。
過去の利上げが、いつ実施されたかを振り返ってみると、それは去年の12月でした。今年に入ってからは、まだ1回も利上げはありません。
すると今はもう6月で、今年も折り返し地点に来ているわけですから、その間、一回も利上げが無かったわけですから、「今年は2回」という利上げシナリオが実現するためには、下半期に2回の利上げが集中するという想定になるわけです。
もちろん、それは不可能ではありません。しかしこれまでずっと堪えて利上げを控えてきたのが、年後半になると、例えば「9月と12月」という風に、急に短い間隔で利上げされるというのは、どうも不自然な印象を与えます。
このことから、今回のSEPでは、2016年末のFFレートのコンセンサス予想数字が0.75付近をめがけて下がって来るのではないか? というのが下馬評になっています。
つまり「もっとゆっくりした利上げペース」がシグナルされるということです。
「ゆっくりの利上げ」で市場の反応は?
引き続き高配当株が注目される理由
その場合、市場の反応は、どうなるでしょうか?
FRBが利上げを急がないということがシグナルされるのであれば、このところ買い進まれている債券が大きく反落するシナリオは描きにくいと思います。
折から欧州中央銀行(ECB)は先週から社債の買い入れを、わざと目立つような買い方で開始しています。
現在はマイナス金利になっている国も多く、世界の投資家は少しでも有利な利回りを求めて米国債へ殺到しています。この点からも、その流れが逆流する可能性は、いまのところ低いのです。
米国の債券利回りが引き続き極めて低いということは、投資家は少しでも有利な利回りを求めて、たとえば高配当株に物色先を拡大するということが考えられます。実際、2月以降はこの傾向が顕著になっています。
先週末、世界経済の先行きに関して不安が台頭した関係で、ニューヨーク株式市場が少し売られる局面がありました。しかし主要株式指数はすべてこのところの上昇トレンドラインを維持していますし、50日移動平均線を割り込んでいません。
つまり上昇トレンドは崩れていないのです。
英国の国民投票のイベント・リスクを恐れるな!
いまの状況で狙うべき銘柄の条件とは?
6月23日に英国のEU離脱をめぐる国民投票が控えていることから、最近は悲観論が増えています。投資家のみならず、各国の中央銀行もピリピリ警戒しています。
こんな風に、皆が心配しているときは、相場はなかなか崩れないものです。
従って、私は米国株に関しては、これまで主張してきた「相場は不安の壁を駆け上がる」というスタンスを堅持したいと思います。
最後に銘柄ですが、上に書いてきたように現在の相場はマイナス金利という「運用難の時代」になっています。そこでは少しでも利回り面で有利な、「債券の代用品」の役目を果たしてくれるような株に人気が集中しています。
「債券の代用品」とみなされるためには、利回りが魅力的(3~5%前後)であることに加えて、大型株で安定感があることが必要になります(青色の銘柄をクリックすると最新の株価がご覧になれます*SBI証券のサイトへ移動します)。
・エクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)
・シェブロン(ティッカーシンボル:CVX)
・コカコーラ(ティカーシンボル:KO)
・カミンズ(ティッカーシンボル:CMI)
・ボーイング(ティッカーシンボル:BA)
・ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)
・AT&T(ティッカーシンボル:T)
などが、それに当てはまります。
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