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アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブックの決算の内容と投資戦略を解説!今週はテスラ・モーターズの決算に注目!

【第429回】 2016年8月1日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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 先週はアップル(ティッカーシンボル:AAPL)フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)が決算発表しました。どの決算も良い数字でした。

【アップルの決算発表】
予想を上回り発表後に株価は上昇

アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の第3四半期(6月期)決算は予想を上回る内容でした。

 EPSは予想1.38ドルに対し1.42ドル、売上高は予想421億ドルに対し423.6億ドル、売上高成長率は-14.6%でした。

 注目されたiPhone販売台数は予想4020万台に対し4040万台でした。ちなみに去年同期は4750万台でした。

 地域別では米州の売上高は前年同期比-11%、欧州の売上高は-7%、中国の売上高は-33%、アジアの売上高は-20%でした。

 第4四半期の売上高は予想458億ドルに対し、新ガイダンス455~475億ドルが提示されました。

 カンファレンス・コールでのコメントですが、まず9月期の小売販売(セルスルー)は6月期より改善すると見ているとのことです。

 iPhoneの卸売在庫は、期中、400万個圧縮されました。第4四半期にかけてiPhoneの平均販売単価(ASP)は改善すると見ています。

 アップルに対する投資家の事前の期待は極めて低かったので、この決算が発表された後、アップル株は買われました。

⇒アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の最新株価チャートはこちら

【フェイスブックの決算発表】
先回りの買いのため良い決算も株価の動きは鈍かった

フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の第2四半期決算も良かったです。

 EPSは予想82セントに対し97セント、売上高は予想60億ドルに対し64.4億ドル、売上高成長率は前年比+59.2%でした。

 デイリー・アクティブ・ユーザー数は前年同期比+17%の11.3億人でした。マンスリー・アクティブ・ユーザー数は前年同期比+15%の17.1億人でした。フェイスブックの月間ユーザーのうち実に66%が、毎日フェイスブックをチェックしている計算になります。

 広告収入に占めるモバイル比率は84%でした。

 フェイスブックの決算は、今回もまったくく申し分ない内容でした。しかし株価の方は好決算に先回りする格好で買われてきたため、決算発表後の株価の動きは緩慢でした。

⇒フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の最新株価チャートはこちら

【アルファベットの決算発表】
よい決算内容に株価は上昇へ

 グーグルの持ち株会社であるアルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)の第2四半期決算も良い内容でした。

 EPSは予想8.04ドルに対し8.42ドル、売上高は予想207.7億ドルに対し215億ドル、売上高成長率は前年比+21.3%でした。

 アグリゲート・ペイド・クリックは+29%でした。これは第1四半期と同じでした。

 グーグル・サイトにおけるペイド・クリック(=その大半はYouTubeです)は+37%でした。第1四半期は+38%、去年の第4四半期は+40%でした。これは素晴らしい内容ですが、成長率は段々鈍化しています。

 このところ決算発表がアナリストの予想を下回ることが多かったアルファベットですが、今回は久しぶりにスッキリした好決算でした。そのため決算発表後の同社の株価の動きは強かったです。

⇒アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)の最新株価チャートはこちら

【アマゾンの決算発表】
アマゾン・ウエブ・サービスの成長率は鈍化、株価は伸び悩む

アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の第2四半期決算も予想を上回りました。

 EPSは予想1.12ドルに対し1.78ドル、売上高は予想295.7億ドルに対し304億ドル、売上高成長率は+31.1%でした。

 営業利益は予想9億ドルに対し、13億ドルでした。

 北米売上高+28%の165.2億ドル、営業利益は+102%の7.02億ドルでした。一方、海外売上高は+29%の98億ドル、営業利益は-1.35億ドルでした。

 注目されたアマゾン・ウエブ・サービス(AWS)売上高は+58%の29億ドル、営業利益は+126%の7.18億ドルでした。

 AWSの売上高成長率は素晴らしかったのですが、成長率自体は前期より鈍化しています。それが決算発表後、同社株が伸び悩んだ理由だと思います。

⇒アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の最新株価チャートはこちら

【今週はテスラの決算発表に注目】
第2四半期の生産台数は2万台を計画

 さて、今週はテスラ・モーターズ(ティッカーシンボル:TSLA)が8月3日(水)引け後に決算発表します。

 コンセンサス予想はEPSが-63セント、売上高が16.6億ドルです。

 ちなみに同社の第1四半期決算はEPSが予想-67セントに対し-57セント、売上高が予想16億ドルに対し16億ドル、売上高成長率は前年比+45.1%でした。

 納車台数は1万4820台で、これは当初ガイダンス1万6000台より低い数字でした。

 今回の決算発表では、第2四半期の生産台数は2万台を見込んでいます。これは前期比+30%です。同じく納車台数は1万7000台を見込んでいます。生産台数と納車台数の数字が一致しない理由は、船便でアジアや欧州へ輸出した新車が通関などの関係で未だ顧客のところまで届いていないことが原因です。

 2016年通年では「モデルS」と「モデルX」を合計8万~9万台納車する計画です。「モデルS」の生産コストはだんだん下がっています。また当初モタモタした「モデルX」の生産はようやく軌道に乗ってきています。

 テスラは「モデル3」に対する引き合いが強かったことを受けて2018年までに年間生産台数を50万台(これは三つのモデルの合計)に引上げました。もしこれが実現すれば、当初予定より2年前倒しで50万台に到達することになります。

 それが実現できるためには現在、ネバダ州に建設中のギガファクトリーが予定通り立ち上がる必要があります。同工場での生産開始は2016年第4四半期を見込んでいます。

 さて、設備投資額ですが、当初2016年に15億ドルという計画でしたが、上に述べたように生産を2年前倒しにする関係で、50%積み増しされます。営業キャッシュフローの黒字化は、少し後にずれ込む見込みです。

⇒テスラ・モーターズ(ティッカーシンボル:TSLA)の最新株価チャートはこちら

アップル、フェイスブック、アルファベット、
アマゾン、テスラ・モーターズの今後の投資戦略は?

 先週のネット企業の決算は、総じて良い数字でした。しかし決算発表後の株価の反応はアップルを除けば、いまひとつでした。これは既に好決算が株価に織り込まれていたからだと思います。加えて、各社とも今後成長率はだんだん下がってくると予想されており、それも投資家から嫌気されていると思います。

 いっそのこと今日言及した5銘柄は思い切りよく処分し、他のセクターに投資した方が、良いパフォーマンスがあげられると思います。

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