世界投資へのパスポート
2018年3月19日公開(2018年3月19日更新)
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広瀬 隆雄

次回のFOMCでは「0.25%の利上げ」を予想!
長期金利が年末には3.5%前後まで上がりそうだが、
「業績相場」の局面では金利の逆風は当たり前!

先週の米国株式市場は
主要3指数がそろってマイナスに!

 先週の米国株式市場は、貿易戦争激化の懸念などから週間ベースでダウ工業株価平均指数(NYダウ)が-1.5%、S&P500指数が-1.2%、ナスダック総合指数が-1%でした。

■ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・6カ月
ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・6カ月ダウ工業株価平均指数(NYダウ)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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FOMCでは、大方の予想通り
FFレートが0.25%利上げされる可能性大

 今週のハイライトは、3月20日、21日の2日に渡って開催される連邦公開市場委員会(FOMC)です。そこでは、米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(FFレート)の0.25%の引上げが発表されると予想されています。現行のFFレートは1.5%ですので、新しい政策金利は1.75%になるわけです。

 フェデラルファンズ・レートには先物があり、デリバティブ取引所・CMEに上場されています。そのCMEにおける取引価格から、市場参加者がどれだけの確率で利上げが行われると織り込んでいるかを逆算することが出来ます。その確率は、CME FedWatchというサイトに公表されています。直近のデータでは、88.8%の確率で3月21日に利上げがあるということが織り込まれています

 今年は全部で8回FOMCが開催される予定で、3月21日は第2回目ということになりますが、ちなみに、今年最後のFOMCは12月19日です。その12月19日の時点でのFFレートの確率は、下のチャートのようになっています。

 中心値は「2.25%」で、確率は38.4%になっています。現在のFFレートは1.5%ですから毎回0.25%刻みで利上げが行われるとして2.25%に届くためには3回の利上げが必要です。つまり市場参加者は、今年の利上げ回数を3回と予想しているのです

 たぶん3月21日のFOMCでは、市場参加者のこのような期待を裏付けるような発言がジェイ・パウエルFRB議長から出ると思います。つまり波乱は起こらないだろうということです。

10年債利回りは、年末には
3.5%前後まで上昇するのが自然

 このところ米国10年債利回りは、2.8%から2.9%の間を行ったり来たりしています。

■米国10年債利回りチャート/日足・6カ月
米国10年債利回りチャート/日足・6カ月米国10年債利回りチャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 言い換えれば、年初から2月にかけてスルスル金利が上昇したペースは、ここへきて明らかに鈍化したということです。これは株式にとって支援的な材料です

 しかし、上で説明したように年内3回の利上げがあるのなら、米国10年債利回りも12月までにはもっと上昇していることを覚悟する必要があります。

 どうしてかと言うと、乱暴に言えば、長期金利は「政策金利+インフレ期待」によって決まるからです。いまインフレ期待が一定だとしても、政策金利が上へ述べたように合計で0.75%引き上げられるのならば、米国10年債利回りも現在の2.82%ではなく、3.5%前後まで上昇すると考えるのが自然だからです

 問題は、株式市場がそのような金利上昇に耐えられるかどうかです。

 私は、現在、アメリカ企業の業績は絶好調なので、少々金利が上昇しても株式市場は大崩れしないと考えています

 下は、S&P500指数に採用された企業の四半期EPSが、前年同期に比べてどのくらい成長するかを示したチャートです。

 4月下旬から始まる次の決算発表シーズンは「2018年第1四半期決算」になります。コンセンサス予想では、+17.7%という高い成長率になることが予想されています。実際、今年は1年を通じて極めて高いEPS成長率が持続できるというのがアナリスト達のコンセンサスなのです。

 アメリカ企業がこれだけ急なEPS成長率を記録するのは、リーマンショック後の業績急回復局面である2011年第1四半期以来のことです。

 別の表現に直せば、いまニューヨーク株式市場は典型的な「業績相場」の真只中にあるということです

 業績相場の局面では、しばしば金利は逆風になります。だから、上に述べたように米国10年債利回りが現在の2.82%から今後3.5%前後まで上昇したとしても、それは業績相場では当たり前のことなのです。

久しぶりに活況を呈するIPO市場
3月23日に上場するドロップボックスは要注目

 先週金曜日、クラウドを通じてネット・セキュリティーを提供するズィー・スケーラー(ティッカーシンボル:ZS)が16ドルで値決めされ、上場初日の金曜日の立会ではいきなり+100%を超える33ドルで引けました。

 もうひとつ注目されるIPOとして、ドロップボックス(ティッカーシンボル:DBX)が3月23日に取引開始します。

 これらの銘柄は、久しぶりに注目度が高く、経営的にもしっかりとした内容の伴った会社です。相場全体が、やや方向性に欠ける展開になっている今、これらのIPOでお茶を濁すというのも悪くない戦略だと思います。

【今週のまとめ】
金利は上昇傾向だが、株式市場は堅調に推移!
久しぶりに注目を集めるIPO市場に期待したい

 貿易戦争激化に対する懸念から先週の株式市場は気迷い商状でした。今週のFOMCは、「波乱なし」を予想します。

 金利は今後も上昇してゆくでしょうが、これは業績相場では当たり前に見られる現象です。現在のアメリカ企業の業績は、すこぶる良いです。

 久しぶりにIPO市場が賑やかになっており、今週は注目度の高いドロップボックスも上場されることですし、目先はこのへんの銘柄で遊んでみるのも良いかもしれません。

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