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「ディズニー・プラス」のサービス開始で、成長期待
の「ロク」に大注目! 中立的な立場を保つことで
ストリーミング戦争では”漁夫の利”を得られるか!?

2019年11月11日公開(2019年11月11日更新)
広瀬 隆雄
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「ディズニー・プラス」「アップルTVプラス」の参入により、
「ストリーミング戦争」が激化!

 アメリカの街は、そろそろクリスマスに向けて華やいでくる時期で、クリスマス・ギフトを買い求める消費者が今後増えてきます。

 このタイミングを見計らって、ディズニーはベテランズデー(復員軍人記念日)明けの11月12日(火)から「ディズニー・プラス」というビデオ・ストリーミングのサービスを開始します。

 一方、アップルは、11月1日(金)からひと足先に「アップルTVプラス」というサービスを開始しました。

 この他にも、コムキャストの「ピーコック」、AT&Tの「HBOマックス」も来年サービスを開始します。

 このように、ストリーミング市場は多くの業者が参入し、「ストリーミング戦争」とでもいえるような乱戦模様を呈しています

 下は、それを一覧表にしたものです。

■ストリーミング・サービスの比較
企業名(サービス名) サービス開始時期 価格 ポイント
ネットフリックス
(ネットフリックス
2007年 12.99ドル(最も人気のあるプラン 業界最大手でオリジナル・ドラマに注力。グローバル展開をしており、1.58億人のサブスクライバーを誇る
ウォルト・ディズニー
(Hulu)
2008年 5.99ドル(広告あり)
11.99ドル(広告なし)
44.99ドル(60を超えるライブチャンネル)
2850万人のサブスクライバー
アマゾン
(アマゾン・プライム)
2007年

年会費119ドル(送料無料と抱き合わせ)

業界最大手でオリジナル・ドラマに注力。グローバル展開をしており、1.58億人のサブスクライバーを誇る
バイアコムCBS(CBSオール・アクセス) 2014年 5.99ドル(広告あり)
9.99ドル(広告なし)
CBSのライブ番組、昔の映画など
アップル
(アップルTVプラス)
2019年11月1日 4.99ドル 今後、オリジナル・コンテンツを出してゆく方針
ウォルト・ディズニー
(ディズニー・プラス)
2019年11月12日 6.99ドル ディズニー、ピクサー、マーヴェル、スター・ウォーズなどの作品を配信
コムキャスト
(ピーコック)
2020年4月予定 不明 NBCのテレビ番組、映画を配信
AT&T    
(HBOマックス)
2020年5月予定 14.99ドル 「フレンズ」、「ウエスト・ウイング」などのTVドラマと映画を配信
※直接の運営会社ではなく親会社が入っている場合もあります。

 数あるストリーミング・サービスの中でも、ウォルト・ディズニーの「ディズニー・プラス」は魅力溢れるコンテンツがてんこ盛りになっていることで注目されています。

ケーブルTVの「コードカッティング」の増加が、
「ロク」にとって追い風に!

 業界関係者の間では、ストリーミングのサービスは「1社サブスクライブ(定期契約)したら、後は全部解約する」という性格のものにはならず、それぞれのコンテンツに応じて、4~5程度のストリーミング・サービスを同時に購読するのが一般的になるだろうと言われています。

 視聴の仕方も、ノートやタブレットで番組を楽しむだけでなく、セットトップ・ボックスを通じて従来の液晶テレビのような大画面で視聴する方法も併用されるようになると思われます。

 つまり、複数のサービスを複数のデバイスを通じて楽しむのが一般化するというわけです。

 さて、これまでのアメリカではケーブルTVがポピュラーでした。しかし、ストリーミング・サービスが定着するにつれて「コードカッティング」と呼ばれる、ケーブルTVの解約が増えています。

 ケーブルTVを解約してもリビングルームの液晶テレビはそのままですから、新しい方法でコンテンツを取得することが必要になります。その際、最もポピュラーなのが、ロク(ティッカーシンボル:ROKU)のインターネットテレビ接続機器を利用するという方法です。

 ロク・プレーヤーを使えば、ネットフリックスやアマゾン・プライムの番組を楽しむことが出来ます。それに加えて、ロクが独自で揃えたコンテンツを広告つきで楽しむことも出来ます。

 従来の地上波テレビにも似たコマーシャルを含めたストリーミングは、価格が無料、もしくは安いので、消費者にも人気ですし、これまでテレビ・コマーシャルを流すことに慣れて来た広告主や代理店にとっても、ロクはありがたい存在です。

 ロクのプレーヤーは、極めてシンプルなデザインで使いやすいです。加えて、どのコンテンツからも中立な立場を取っているため、もっとも幅広いコンテンツを楽しむことが出来ます。

 ロクのストリーミング・プレーヤーは、ケーブルTVのマーケットシェア調査会社・ニールセンよりも、ずっと細かいユーザー・データが取得できます。このため、広告単価(CPM)は約30ドルとプレミアムになっています。

 ロクはオープン・スタンダードを堅持しておりTV受像機メーカーが最初からロクを想定した商品設計ができるようにしています。

 最後の特徴として、ロクは広告のバッファリングで独自技術を持っています。このため円滑に広告が表示できます。消費者にとってスムーズな広告体験は重要です。

「ロク」が決算発表後に急落したのは、
EBITDAのガイダンスが悪かったため

 先週、ロクが決算発表の後、急落しました。

 ロクの第3四半期決算はEPSが予想-25セントに対して-22セント、売上高予想が2.58億ドルに対して2.61億ドル、売上高成長率が前年同期比+50.5%でした。

 プラットフォーム売上高は、前年同期比+79%の1.79億ドルでした。アクティブ口座数は、前期比+170万口座の3230万口座でした。ストリーミング時間は、前期比+9億時間の103億時間でした。平均顧客単価(ARPU)は、前年同期比+30%の$22.58でした。粗利益は、前年同期比+50%の1.19億ドルでした。

 つまり、決算の内容には一点の曇りもありませんでした

 それでは、なぜ株価が急落したのでしょう? その原因は、EBITDA(利払い税金償却前利益)ガイダンスが悪かったことにあります。

 第4四半期売上高は、予想3.87億ドルに対して新ガイダンス3.8億〜3.96億ドルが提示されました。EBITDAは、予想2500万ドルに対して新ガイダンス700万〜1200万ドルとコンセンサス予想を下回りました。

「ロク」のEBITDAガイダンスが悪かった一因は、
データズーの買収が理由

 ロクの来期のEBITDAガイダンスが予想を下回った訳は、(1)データズー買収に絡む費用増、(2)第3四半期中に発生すると思われた費用の一部が来期にずれ込んだ、という2つの理由ですべて説明できます。

 データズーは、ストリーミング広告をアルゴリズムにより自動的にオークションし、販売してゆくソフトウェア・サービスの会社で、予算が限られた中小の広告主がキャンペーンを展開する際に利便性を提供します。

 これに対して従来のロクの広告の取り方は、昔ながらの広告代理店などを経由したローテクなやり方であり、これは全国ブランドのような大企業のキャンペーンでは有効ですが、それではわざわざインターネットを通じてストリーミングし、広告を出している意味がありません。

 このように、データズーはロクにとって良い買収であり、かつ必要な買収です。そのサービスを従来のロクの仕事の進め方と“すり合わせ”するために費用が嵩むのは致し方ないと言えます。

「ディズニー・プラス」が新たにサービスを開始することも
「ロク」のガイダンスがはっきりしない要因に

 もうひとつ、次回の決算が読みにくい要因として、この記事の冒頭で掲げた、「ディズニー・プラス」のサービスがいよいよ開始される点を指摘できます。

 ディズニーに関しては、すでにロクにも「ディズニー・プラス」のチャンネルを設け、コンテンツを配信することを発表済です。

 ロクが今回のようにコンテンツ・プロバイダーと売上折半契約を締結した場合、まずそれがどれだけの売上高を上げるかを予測し、契約額を決め、そのパーセンテージをサービス期間に案分して売上に計上します。新規案件の追加により売上高が凸凹になるのは、そのためです。

 第2四半期は、コンテンツ折半契約が特に好調だったので売上高が多く計上されました。逆に第3四半期は、そのような山がありませんでした。

 問題の第4四半期ですが、いよいよ「ディズニー・プラス」が計上されるため、ひょっとすると売上に大きなアップサイドがあるかもしれないけれど、まだコンテンツの出し方に関わる先方との話し合いが詰まってないので、売上の計上タイミングに関しては未だガイダンスを出せません。

 以上のような込み入った事情で、今回の決算カンファレンスコールは、やや歯切れの悪いものになりました。しかし、ロクのビジネスのモメンタムが衰えたということでは全然ありません。

【今週のまとめ】
ストリーミング戦争の激化により、
“漁夫の利”が得られるロクに期待しよう!

 今週、ディズニーが待望の「ディズニー・プラス」のストリーミング・サービスを開始するため、「ストリーミング戦争」は一層激化することが予想されます。それにより漁夫の利を得る企業は、どの業者からも中立の立場にあるロクです。 

 ロクは、データズーという戦略的に重要な会社を買収しました。それを統合する関係でEBITDA予想は下方修正されました。これは会社側の落ち度ではありません。また「ディズニー・プラス」との売上折半契約で、いつになるかわかりませんがドカン!と売上高が増える可能性もあります。

 それらを考えると、先週の株価の下げは売られ過ぎだと思います。

■ロク(ROKU)チャート/日足・6カ月
ロク(ROKU)チャート/日足・6カ月ロク(ROKU)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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