AKB48・武藤小麟が“アノマリー”で投資信託の売り時を検討！ 新たに「サイゼリヤ」への投資で追い上げを図る！～第58回 値動きのクセを知って高値で売ろう～

NISA（少額投資非課税制度）の口座で、「毎月1万円ずつ投資資金を追加する」「投資商品はNISAで買える株＆投資信託」「数カ月分の資金を貯めて一度に投資するのもアリ」「新メンバーの成績は1.5倍」というルールに基づき、運用バトルに挑戦しているAKB48の武藤十夢と中西智代梨。さらに、2019年3月からは十夢の実妹・小麟（おりん）も参戦！

この連載では、これまで3人一緒に投資の勉強をしたり、運用成績を報告しあったりしていたが、当面はメンバー一人ひとりに取材を行い、リレー連載の形でお届けする。今回登場するのは武藤小麟！ 小麟は投資信託の「日経平均インデックス」や「iFreeNYダウ」を積み立てで買うほか、SBI証券の単元未満株取引「S株」を活用し、オリエンタルランド（4661）株も保有。今回は、そんな小麟が運用バトルで追い上げを図るため、”アノマリー”を学ぶ！（※ダイヤモンド・ザイ2021年3月号から転載。取材は2021年1月に実施）
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デッドヒートを繰り広げる十夢と智代梨に対し、小麟は遅れ気味……
少しでも追いつくため、投資信託を売って新たに株を買うことに！

武藤小麟（以下、小麟）　新型コロナの感染者はすごく増えているのに、日経平均株価はコロナ・ショック前より値上がりしてる！ 私も成績は良くなっているんですけど、2人に追いつくのはまだまだ難しそう。

――ずっとトップだった十夢さんに、中西さんが追いつきそうですね。中西さんは、投資額が多いし、昨年8月に買ったSGホールディングス（9143）が業績も株価も上り調子！

小麟　どうにかして2人に追いつきたいんですけど、何か方法はありますか？

――まずは、持ち株を高値付近で売って、急落したタイミングでどーんと買うことでしょうね。

小麟　でも、高値で売るのって、すごく難しいですよね。オリエンタルランド（4661）は、2020年の12月半ばにコロナ・ショック前の高値を超えたのに、そこからは下がり始めてる。

――GoToトラベル停止の影響ですね。でも、節目の1万6000円は割らずに、株価は少し持ち直してます。

小麟　コロナが落ち着けば、「東京ディズニーリゾート」の復活は間違いないって思うんです。なのでオリエンタルランドはもう少し持ってみます。2人に追いつくために、なるべく多く株を買いたいから、手放すとしたら日経平均株価かNYダウの投資信託かな？　でも、これもまだまだ上がりそうな気がするし、どうしたらいいかわからない……。

――投資信託などの売買タイミングで迷ったときは、「アノマリー」を参考にしてみるといいかもしれませんね。

小麟　アノマリー？ 初めて聞きました。ちょっと難しそう。

――アノマリーとは「株に関するさまざまな法則」のことを指します。相場全体に関する法則が多いので、指数の売買には特に役立ちますよ。

小麟　ふ～ん。例えば、どんな法則ですか？

――もっとも有名なのが「セルインメイ（Sell in May）」です。これは米国の相場格言で、「5月に株を売って、9月まで相場に戻ってくるな」という意味。

小麟　でも、これって米国の格言なんですよね。本当に日本株に当てはまるんですか？

――過去20年間の日経平均株価が月初から月末までに、上がったか、下がったかがわかる「月別騰落率」を見ると、例年5～6月頃までは上昇傾向。夏から秋にかけては軟調な展開となり、11月頃から年末にかけて上昇していることがわかります。これは、米国株の動きに日本株は大きく影響を受けるから、と見ることもできますが、実際のところはわかりません。わからないけど経験的にそうなる――という相場の”クセ”が、アノマリーなんです。

小麟　これは覚えておくと、迷ったときの参考にできそう！ 他にはどんなアノマリーがあるんですか？

――例えば、配当や株主優待の権利落ち日に向けて株価が上昇しやすい“配当・優待効果”や“大型連休後の急落”、月初に上がりやすい“月初の株高”は、覚えておいてほしいです。
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「アノマリー」を知ると株の買い時＆売り時が見えてくる⁉
花粉の量やボジョレー・ヌーヴォーの解禁も株価を左右する要素に

小麟　アノマリーをもっと詳しく知りたい！

――アノマリーを月別にまとめたのが、この「カレンダー」（下図）です。各月のアノマリーに、過去20年間の日経平均株価の「月別騰落率」を付けてみました。さらに、月初から月末までに、上がったら「勝ち」、下がったら「負け」で、「勝敗」も付けています。

小麟　1月のところに「小型株の1月効果」とありますが、これは1月は株価が上がりやすいってことですよね。でも、過去20年間の1月の日経平均株価は負け越しです。

――これは「節税のために年末に損失を確定した人が、年初に買い直す」ために起こりやすい現象です。最近は、日経平均株価に組み入れられている大型株には、あまり当てはまらなくなって、時価総額が小さい小型株で多く見られる。だから「小型株の1月効果」なんです。

小麟　これはメモっておきます。ふむふむ、「花粉が多いと下落」とか「ボジョレーヌーヴォーの解禁日は株高」とか、面白いけど、これ本当なんですか？

――これは、ニッセイアセットマネジメントの吉野貴晶さんが検証してわかったアノマリーです。このように、お金の損得だけで考えればまったく関係ないことなのに、株価が連動して動くこともあるんです。市場は人の気分にも左右される、ということですね。

小麟　だから、花粉で気分が沈むと株価が下がるんだ！

――最近は「行動経済学」という学問で、こういった人間の心理と市場の動きの関連性が研究されています。アノマリーも重視され始めているんです。

小麟　なるほど！ アノマリーを参考にして、日経平均株価やNYダウに連動する投資信託は、春頃から売ります。

コロナ収束後に復活を見込める「外食株」を買いたい！
小麟が検討しているのは、財務内容が良好な「サイゼリヤ」

小麟　そうだ、実はサイゼリヤ（7581）が買いたいんです。

――どうしてですか？ 今期は赤字予想ですよ。

小麟　日本マクドナルドホールディングス（2702）の業績が良いってニュースを見たんです。「Uber Eats」などを使わない自社での宅配が、安全面から評価されているみたい。それで、業績が回復している外食チェーンもあるんだなって気づいて。でも、すでに評価されている企業より、今はダメでもこれから回復しそうなほうが、株価は上がりますよね。そこで、浮かんだのがサイゼリヤだったんです。

――数ある外食企業のなかから、サイゼリヤに注目した理由は何ですか？

小麟　好きなメニューが多いんです。季節ごとのメニューもおいしいし、ドリンクバーの値段が安いのも好きっ。

――今期は赤字予想ですけど、もともと収益力が高い企業なので、財務内容が良好。新しい業態も開業するなど、コロナ禍でも積極的に事業展開してますね。飲食店の廃業が増えているので、サイゼリヤはコロナ収束後に躍進するかもしれません。

小麟　サイゼリヤで成績を大きくアップさせます！
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