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決算発表シーズン到来! DX推進企業の好決算連発か?しまむら(8227)が取り組むユニークなEC展開や、コメリ(8218)が取り組む社会課題解決事業を紹介山本潤の超成長株投資の真髄 第110回

2021年4月21日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
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GW明けに本決算発表シーズンが到来、そのトレンドは?

   GW明け以降、2021年3月期の決算発表が本格化しますが、その特徴の1つとしてコロナ禍で推進したデジタル化によって利益率が高まった企業が多いことがあるのではないでしょうか。実際、テレワークの推進や出張削減などで費用対効果が大幅に向上している企業が多く、好決算が期待できそうです。

 既に発表された小売業を中心とした2月決算で、その萌芽が見えました。コロナ禍で多くの小売業がECの取り組みを強化した結果、売上はもちろん、収益も劇的に改善させたのです。もちろん自前で展開するECの取り組みは、トップラインを大きく伸ばすほどのインパクトに至っていない企業が多いものの、局所的に目覚ましい成果を上げて、今後の可能性の大きさに機関投資家も驚いています。

しまむら(8227)がコロナ禍で始めたユニークな自社ECサイト

 そうした企業の好例がしまむら(8227)です。同社は、2020年10月に自社運営のECサイトを開設。特徴は、ECで購入した商品を全国にある2200店舗で受け取れるようにしたことです。EC顧客の多くが店舗での受け取りを希望し、さらに受け取りの際に「追加で1~2点の商品を買う」という傾向に着目したのです。

 ECといえば、ネット上で買い物が完結するアマゾンや楽天のイメージが強いです。しかし、コロナ禍を通じ、人は家にずっといることが楽しくなく、店舗に行くことで気分転換やストレス発散になることを痛感しました。実際、同社のEC利用客の多くが店舗での受け取りを希望するといいます。

 同社の例はEC市場の拡大によって、リアル店舗に求められる役割や在り方が変わることを示唆しています。私は、今後ECが一層拡大しても、リアル店舗を過小評価すべきではないと考えます。リアル店舗こそ、地域社会との「つながり」であり、ESG時代において重要な位置を占めるでしょう。

小売業のビジネスモデルはDXで革新できる

 企業のDX化は、業務効率や生産性の向上のみならず、ビジネスモデルを変えるインパクトを有しています。企画や営業などの上流工程で移動の制約がなくなり、会議や打ち合わせをデジタル上で行うことによる移動時間短縮や費用削減の効果は目を見張るものがあります。その空いた時間や資金をより生産性の高い活動に振り向けることは、社会全体にとっても大きなプラスです。場所の制約が取れたことで地方や海外向けビジネスのチャンスも広がります。

 しまむらはサプライヤーの提案するブランドをスピーディに製品化することができるようになります。商品企画やデザインに自信があるサプライヤーは下請けに留まらず、むしろ、自社プラットフォームを利用して売上拡大してくださいというオープンな戦略を取り始めました。商品企画やデザインなどの上流工程に、優秀な人々が世界中から参画できるようになることは大きなインパクトがあります。

 デジタルチラシに製造、物流、販売に関するデータを紐づけることで効率的な在庫管理も可能にします。設計や製造委託などの上流工程から、店舗での受け取りやリサイクルや処分までを可視化することができます。こうしたことは同社に限らず、多くの小売企業が実践できるため、業界全体に大きなインパクトを生じる可能性を秘めています。

「農家のコンビニ」と称されるコメリが行なう「農業支援」

 ホームセンターを展開する新潟本社のコメリ(8218)もECを大幅に強化する方針です。直営で1200店舗を有するものの、店舗の規模は小さく、商圏が狭い場所に立地することが多いのが特徴です。同社のECは店舗ごとのデジタルチラシで構成され、気になる商品をクリックすると購買できるなど優れたシステムです。

 同社はESGの観点からもユニークな取り組みを行っています。それは農業支援です。農林水産省の統計データによれば、日本の農業従事者数は1960年に1175万人いたものの、2015年には175万人へと激減しています。

 そうした中、コメリの経営者は「これではいけない。農業を守れ」と、社員を「農業の先生」にすると決めました。社員が農業知識を習得し、農業をこれから始める人のインストラクターとして育てることを決め、農業を楽にできる肥料や農薬や器具などを開発することにしたのです。

 さらに同社は、昨年、JAの一部拠点と業務提携(協業)を行い、JAブランドの農業用品をコメリの店舗で販売することを開始しました。今春には購買事業でも一部のJA拠点と提携する予定など、両者の業務提携は加速しています。コメリは人材や店舗などの資産を活用して、日本の農業従事者を守るという社会課題の解決を試みているのです。

DXで空いた人材や資本を社会課題の解決に使う企業に投資せよ

 DXで業務効率や生産性を高める一方、担い手が減っている農業を支援する。こうした企業と社会の関係性はバランスシートには表れない非財務項目ですが、今後、投資する際の重要ポイントになると思います。

 コメリの取り組みは、従業員にとっては大変かもしれません。しかし、こうした努力はやがて報われると思います。なぜなら、デジタル化で単純作業はロボットが自動で行い、単純作業の賃金が下がることは避けられないでしょう。これからは、自らが主体となって、社会で困っている人々を巻き込み、新たな需要を掘り起こすことが最も重要な仕事になると思います。

 DX化で空いた人材や資本をいかに社会のために使うか。それを考える企業とそうでない企業とで、近々大きな差が生まれると思います。

(DFR投資助言者 山本潤)

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