金利上昇によって業績が急回復しているメガバンク。みずほフィナンシャルグループ(FG)は2024年度中間決算が好調に推移し、他メガと同様に通期業績予想を上方修正した。足元の業績をどう評価しているのか。また他メガに収益力で劣ると指摘されていることについて、どう答えるのか。長期連載『経営の中枢 CFOに聞く!』の本稿で、みずほFGグループの米澤武史グループCFOに話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
金利環境の好転と円安で決算堅調
PBR1倍超え達成は最も重要な責務
――2024年度中間決算は好調に推移し、通期決算も上方修正しました。足元の業績、事業環境をどう捉えていますか。
この中間期では、2024年3月のマイナス金利の解除、7月の利上げがあったことで、金利環境が良くなりました。また8月初旬までは株式市場も好調だったことに加え、われわれは海外のビジネスの比率も大きいので、円安もプラスに働きました。
外部環境に助けられている面はありますが、それを除いたとしても、ビジネス自体はお客様向けのビジネス、市場取引などのビジネスが非常に堅調でした。
――今、最も大事にしている指標は。
当社はまだPBR(株価純資産倍率)1倍を回復できていない状況です。これは株式市場からみずほフィナンシャルグループ(FG)の将来の成長に関して、必ずしも確信を抱いてもらえていないということです。一刻も早く、少なくとも1倍には回復させることが非常に重要な責務だと考えています。
また、成長に対する期待を醸成していくために、収益力が上がってきている点を示し続けることも重要です。そうした観点からROE(自己資本利益率)を改善させ、さらに経費をしっかりコントロールすることを心掛けています。
――経費は60%前後で推移している状況です。どこが理想でしょう。
みずほFGは3メガバンクの中で収益力が劣ると指摘されることが多い。実際、本業の収益である連結業務粗利益や連結業務純益、連結純利益額などの主要な指標は、三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループに次ぐ3番手だ。ライバルと差がある状況を、米澤武史グループCFOはどう捉えているのか。詳しく話を聞いた。