「名投資家のコラムを書いてから僕の投資成績は
劇的に改善しました」『儲けの鉄則』著者に聞く、
株で儲けるために最も重要な原則とは?『儲けの鉄則』著者 小泉秀希さんインタビュー(1)

2015年3月6日公開(2021年3月11日更新)
渡辺 一朗

小泉 いいえ、指をくわえて見ているだけでした。当初はまだリンチの言っていることを頭では理解できても、実感としては理解できていなかったんですね。でも、実際に目の当たりにしたわけですから「次にこういうのがきたら絶対にモノにするぞ」と思いました。

 リンチは著書の中で「高い運営能力をもっている外食や小売りチェーンの店は、全国展開により年20%のペースで10~15年成長可能」と言っています。米国と日本では市場規模などの違いはありますが、外食や小売りチェーンが大きな成長性を秘めていることは確かです。

編集部 プロのアナリストでなくても、そうした着想やチェックをすることで大化け銘柄が探せるというわけですね。

小泉 そうです。リンチは著書の中でしきりに「プロよりもアマチュアのほうが有利なのだ」と言っています。日常生活の情報を生かせたり、小型株でも気兼ねなく買えたり、短期的な成果を問われずマイペースにできるからです。

 私自身、リンチの教えを実践することで、こうした大化け株を捉えられるようになりました。最初に手応えがあったのは、2001-02年のテイクアンドギヴニーズ(4331)でした。ハウスウェディングの草分けで、年5割のペースで売上・利益が伸びていて、PERはまだ20倍程度でした。これは安いと思って買い、間もなく2-3倍になりました。

 実際は、私が売ったあとにさらに5倍以上も値上がりしているので、褒められたものではないのですが「私たちに身近な外食や小売りやサービスの会社が、上場で資金を得て商圏を拡大したり、ヒット商品を生み出すことで大化けする」ことがわかりました。

 レストランのダイヤモンド・ダイニング(3073)、低価格フィットネス「カーーブス」を運営するコシダカホールディングス(2157)、メガネ店「JINS」のジェイアイエヌ(3046)、100円ショップのセリア(2782)、とんかつ「かつや」のアークランドサービス(3085)など、リンチの手法で見つけられた小型株は数え上げればきりがありません。

編集部 将来の成長に対して、現在の株価が割安であることが大事ですよね。成長性と割安さ――この兼ね合いが難しいところでしょうか。

小泉 成長性と割安さは、銘柄探しの決め手です。割安さを測る指標として最も一般的な指標は「PER」(1株当たり利益率)です。たとえば、5年で利益が2倍になる可能性が高そうだと思われる株が、PER10倍程度だったとすれば、それはかなり割安と考えられます。平均的なPERは15倍程度ですが、利益が2倍になる見通しならPERは30倍程度と評価できます。それに対して実際の株価がPER10倍の水準なら、その株は3倍に値上がりする潜在性を持っているということになります。

編集部 PERは株価の割安さを測る指標としては基本中の基本ですが、“成長性を見極める”というところが個人投資家にとってはハードルになります。

小泉 「成長性」の見極め方は、投資家にとって最大の問題になると思います。本の中でもフィリップ・フィッシャーやウォーレン・バフェットを中心に、名投資家たちの考え方をできるだけ具体的にまとめましたが、尽きることのない深いテーマだと思います。「PER」の使い方と並んで、ぜひ本書で注目して読んでいただきたいポイントです。

編集部 フィッシャーやバフェットは、割安さや成長性をどのように見極めて投資をしていたのでしょう。 (次回へ続く)

<著者紹介>
小泉秀希(こいずみ ひでき)
東京大学卒業後、日興証券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃめちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った株入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その部数は累計100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
 

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日本株で勝つためにすべきこと、してはいけないこと

一代で5兆円もの資産を築いた現役最強の投資家の「質の高い成長株」の探し方とは? 全米ナンバーワンのファンドマネージャーがやっていた「2分間の訓練」とは?成長株の神がたどり着いた「CAN‐SLIM法」とは? 割安株、長期成長株、急成長大化け株、10倍株、歴史的な株価爆発…。一冊で、あらゆる株・局面に使える戦略が一気にわかる! ピーター・リンチ、ウォーレン・バフェット、ベンジャミン・グレアム、フィリップ・フィッシャー、ジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズ、是川銀蔵、ジョン・メイナード・ケインズ、ジョン・テンプルトン、マーティン・ツバイク、ジョン・ネフが登場。12人の名投資家に学ぶ日本株で勝つ方法。実践で使える手法は巨匠に学べ!電子版(kindlekobo)も発売中。

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